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分け合う性分

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

一円単位の割り勘が暗黙の了解でした。

特段不満はありませんし、これからもそうだと思います。


「あの人ね、あの人一円単位で割り勘するのよ」

「え〜。それくらい……」

帰り際のエレベーターに乗っていると、そんな会話が聞こてえて来た。話を聞く限り、恋人と思しき人と一緒に食事に行ったら、一円単位の割り勘を迫られたとの事。それを聞きながら、私はぼんやりと帰宅する。そこまでおかしな事をしたのだろうかと。

私の学生時代、よく友達と食事に行った。そこで分けられるものは分け合った。ポテトの時もあったし、たこ焼きの時もあった。そうして会計時には誰かが電卓を叩いて、きちんと一円単位で割り勘をしたものだった。

割り切れない時には態々、友人の方から『ごめん、一円多く払ってくれる?』と話すのが常套句だった。それに対して不満も無かった。寧ろ心地よかった。

多分、私の性として、あんまり人に借りを作りたくないのだと思う。それが友人しかり、恋人しかり。


「おかえり。早かったな」

「うん。まぁそれなりに」

そう言えば、彼と食事に行く際にも同じ様に一円単位の割り勘をしていた。私が『半分こしよう』と宣言して彼が同意した。その後、彼に特段聞くこともなく電卓を叩いた。そうして見せた金額を彼は顔色一つ変えずに支払ったのを思い出す。

もしかしたら不満だったのかも知れない。あんまり表情が変わらないだけで、私の言う普通が普通なだけで、世間一般には、受け入れられないものだったのかも知れない。

「あの……さ。今まで私が半分こしようと言って、一円単位で割り勘していたの、嫌だった? 嫌だったらごめんね。誘ったの私だったし、此方が持つのが筋だったなって」

「いや、あまり意識した事は無かった。寧ろ君が電卓を叩かなければ、此方で叩いていた」

この言葉はきっと嘘ではない。気を使って人間関係が破綻するのならば、最初から率直に言うのが彼である。

顔を見る。相変わらずの無表情ではあったが、私の今の発言に疑問符を浮かべている。

「悪くは無かったさ。分け合うの」

そうして私達は同じ布団に包まって、眠りに着いた。そう言えばこの大きなベッドも、お金が足りなくて割り勘したのを思い出す。何時も半分こして貰ってるなぁ。

高校時代からの暗黙の了解でした。

分割したら、そのメンバーで一円単位の割り勘するの。

そうして『誰かが一円多い(笑)』とか、『一円多くなるけど良い?』とか話すの。

食事だけではなく、カラオケでも。

誰かが電卓を叩いていてました。


『恋人にはしないのよ』

というワードを聞いて、驚いたのは記憶に新しく。


あんまり借りを作りたくないんですよ。

隙あらば何処かに消える性なんで、借りを作ったままだと返せないんです。


こんな話のプロトタイプがあったのですが、思い出したらおいおい。

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