1-2-2-13 幸運
スピカが大鵬に尋ねた。
「あなたは、どうして人の言葉が分かるの?それに私は、こんなに大きな魚を見たことがないわ。鯨の何倍も、何十倍も大きいのかしら」
大鵬が再び笑いながら言った。
「ほほほ。前に人間と仲良くなった時に言葉を覚えたのさ。もともと生き物なら考えていることや気持ちも、察することができるしね。
お前たちこそ、儚いくらいに小さいね。それに、こんなに広い海の真ん中でどうしたんだい?」
スピカが答えた。
「私たちは、ジェット海流に乗ってカプセルで移動していたの。でも、カプセルが岩にぶつかって壊れてしまって、それから漂流しているうちにあなたに出会ったのよ」
「ほぅ、それなら災難だったね。でも、私に出会えたという点では幸運だったかもしれないね」
スピカは深呼吸をしてから、必死に願いを込めて言った。
「わ、わたしたち、リノスという村に行きたいの。もし知っていたら、助けてくれない?」
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