1-1-1-7 機転
俺が安易に答えをせがむと、いつもパバリ師匠は答えをはぐらかす。そうだ、きっとうまくいく。
「師匠!もっとわかりやすい答えを、お願いします!」
パバリ師匠が俺とほぼ同時に答える。
俺は、できるだけパバリ師匠の声真似をして、いつもの口癖に言葉を重ねた。
「「答えなどないのじゃ」」
俺は、狙いが当たって、少し得意げに言った。
「絶対、そう言うと思いましたよ」
パバリ師匠が豪快に笑って、やっと剣を納めた。
俺は、息を切らして、その場にしゃがみ、大の字に仰向けになった。もう限界だった。
「フォッフォ!一本取られたわい。剣の腕は、まだまだじゃな。機転に免じて、今日は、これくらいにしておいてやろう」
「もう!パバリ様は、やっぱりコフィに甘すぎです!もっとコフィを懲らしめてやってください!」
「だから、お前は、俺をどうしたいんだよ!」
「うふふ♪」
「フォッフォ、コフィもスピカの心は読めないようじゃな」
それから、俺は、パバリ師匠とスピカと一緒に、村のリーダー、ゲルンさんにグインのことを謝りに行った。
マツモト城の天守閣には、ゲルンさんとリオ兄が待っていた。
リオ兄は、3年前に両親を失った俺の育ての親だ。絶対に逆らうことができない、圧倒的な存在。
俺は、リオ兄からいつも、子供扱いされてしまう。きっとひどく叱られるだろう。
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