1-2-2-8 寝袋
「寒いな。冷えてきたね。
でも、この遺物のアルミの寝袋、1つしかないからな。スピカ、使っていいよ。
俺は、焚き火の番をやってるからさ」
「え、ありがとう。コフィ、優しいのね。ねぇ、この優しさって、私だけになの?」
「はあ?今、俺とスピカしかいないでしょ。幽霊でも見えてるの?」
スピカが不満げに俺のお尻をペチンと叩く。
「見えてないわよ!
それはそうと、もう寝る前だし、歯を磨きたいな。歯ブラシ2本持ってない?海中でなくしたんだ。さっきミントの葉っぱを見つけたから、それで口を爽やかにしたいの」
「うーん、歯ブラシが1本しかないけど...」
そう言って、俺はバッグから袋に入った歯ブラシをスピカに渡した。
「なんで、寝袋も歯ブラシも1つなのよ!でも、ありがたく使わせてもらうね」
少し文句を言いながら、スピカは歯を磨いてから戻ってきた。今日はいつもに増して、文句が多い気がする。
「歯ブラシありがとう。でも、この歯ブラシ、絶対使わないでよ」
「大丈夫、使わないよ。しっかりうがいするからさ」
「しっかりうがいして、ミントも噛むのよ」
「はいはい。もう寝なよ。今日は、きっと疲れてるはずだからさ」
スピカがアルミ保温シートにくるまって眠る。
俺は薪を焚き火に足し続けた。スピカが見つけてきたミントの葉を噛んだ。
口の中がさっぱりする。意外といい感じだった。
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