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1-2-2-7 実感
俺は、平たい岩の上で大きな魚を短剣でさばく。ウロコを剥ぎ取り、内臓を取り除く。三枚にしっかりとおろしていく。
生き物を殺して、食べ物にする。鮮やかな生きている実感が、俺を救ってくれた。
「コフィ、すごい!いつもに増して輝いて見えるわ。感動しちゃったわ!」
「さばき方は、リオ兄が教えてくれたんだ。短剣を持っていてよかったよ」
俺は、この短剣をリオ兄からもらった時のことを思い出す。誰かを助けるため、守るために使え。俺は...まだ分からないことばかりだよ、リオ兄。
スピカが小さな洞窟のような場所を見つけて、俺たちは焚火を囲み、魚を焼いて食べる。
「「いただきます」」
これまで食べた中で一番美味しく感じる。味付けは適当だし、焦げている部分もあるけれど、自分で釣って焼いた魚ほど美味しいものはない。
生きているということを、すごく強く感じる。自分も命をいただいて、生かされていることを。
夕食が終わると、日が完全に沈んで、焚火の灯りがぼんやりと照らす。




