1-2-2-5 心情
俺は、餌になりそうな虫やミミズを探す。でも、なかなか見つからなくて苦労した。
短剣で木の棒を削り、遺物のリールを縛り付けて、手作りの釣竿を作った。試しに振ってみると、案外いい感じだ。
いくつかの場所を見て歩きながら、魚が跳ねる場所を見つけた。潮の具合を確かめながら、手探りで釣りを始めた。
スピカが不意に口を開く。
「ねえ、コフィ。いい景色ね!私、旅に出てよかった。生まれて来てよかったって、生きてるっていいなって、つくづく思うわ」
「...俺は...生まれてよかったのかな。そんなことばかり、考えてしまうんだ。
もっと母さんと父さんと一緒に過ごしたかったな。俺がいなかったら、母さんも父さんも、もっと長生きできたのかな。それに、だんだん記憶が薄れていくのが辛くて。ごめん...」
スピカがあっけらかんと明るく笑う。
「はぁ?なーに寂しいこと言ってんのよ!
コフィ、生まれて来ていいに決まってるよ!生まれてきたから、私たち出会えたんじゃない!
まぁ、でも、お母さんとお父さんがいなくなったら、私もそう思うかもしれない....コフィのお母さんとお父さん、どんな気持ちだったんだろうね」
なんだかんだでスピカの明るさに一番救われる。
そうだ。これまでだって、辛いとき、スピカがいつも隣にいてくれたんだ。
「母さんも父さんも、俺を置いていってしまった。2人分の人生の代わりに、俺ができることなんて。
母さんと父さんのこと、知れば楽になると思ってた。でも、聞けば聞くほど、辛くなることばかり....」
スピカが俺の手を握ってくれた。
「コフィ...」
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