1-2-1-8 宝物
どうして俺は、ユモの涙をまるで自分の涙のように感じるんだろう。
ユモの顔を見つめて、俺は、できるだけ笑顔で言った。
「俺も、ありがとう。誰にも言えなかったことを聞いてもらえて、楽になった気がする」
この胸の高鳴りは、悪魔の誘惑でも魔法のせいでもない。ただ、彼女に対する素直な気持ちだけだ。
俺は、瞳の奧からしっかりユモを見た。今度は、ユモが悲しい目をしている気がする。
「でも、ダメよ、コフィ。あなたには、スピカがいるから。私なんて、見てはダメ。ごめん、私、ちょっと欲張りすぎた。いやらしい女だわ」
俺は、心を見透かされたような気がして、汗が吹き出す。
「何をあやまるの?ユモ」
ユモは、海を見上げながら、目に涙を溜めた。それから、優しく微笑んで涙をこぼした。
「いいの。今夜を私の宝物にするわ。コフィの角が当たって欠けた貝殻も」
俺は、どうしていいかわからない。
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