1-1-4-11 伝言
スピカが反射的に猫を抱きしめた。
「可愛い!おしゃべりできる猫!服まできて、おしゃれね!お名前、パ、ピ、プ、プト...なんだっけ。ピーちゃん!ピーちゃんにしましょう!」
スピカが猫を抱き抱えたまま、猫の匂いを吸っている。
おいおい、絶対普通の猫ではないのに、そんなことをしていいのか?
でも、猫の方もまんざらではない様子だ。スピカに抱きしめられながら、ピーちゃんと勝手に呼ばれた猫がなんとか威厳を保とうとしているのがなんとも可笑しい。
「なぜ、我輩のことをみんなピーちゃんと呼びたがるのでしょうか。
まぁ、いいでしょう。
コフィ、あなたの母しょうこ様から伝言があります」
え?母さんからの伝言?
スピカがしみじみ言う。
「コフィ、あなたは、本当に両親に愛されていたのね。そして、もう身近にいないけど、今も愛されてる」
なんでそんなことを思うんだろう。一体どういうことか、俺にはまったくわからない。
ピーちゃんが目を細めて言う。
「しょうこ様は、この場所で10歳のとき、人間から全知全能の神になり、一万年前に第二の創成期を起こしました」
え?母さんが、ここで?人間から?分からないことばかり、増えていく。
ピーちゃんが言葉を続ける。
「この話は、詳しく話すのはやめておきましょう。
本題です。しょうこ様は、こう言いました。やり残したことの一つは、一万年前、海底に残した悪魔アスタロトだと。
コフィ、あなたにアスタロトのことを頼んだ、ということでした」
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