1-1-1-4 師匠
ゴーグルを外しながらパバリ師匠がバイクから降りてきた。
「おやおや、やりすぎじゃないか?スピカちゃんに聞いて、様子を見に来てみてよかったわい。しかし、母親譲りの水耐性の使いこなしは、天晴れじゃ!」
スピカが俺を見つけて嬉しそうに大きくブンブン手を振った。
「コフィ!すっごくかっこよかったよ!綺麗な飛び込みだったね!遺物のビデオカメラで撮ったの!にしし♪」
それから、パバリ師匠が微笑みつつ、貯水池に向けて手をかざした。そして、重力魔法で溺れている3人を水ごと掬い上げ、3人を包んだ巨大な水球を浮遊させた。
「そぉれ!ほい、ほい、ほい!」
パバリ師匠が大きな水球からびしょびしょのグインと手下2人を取り出し、軽々と抱き抱えた。水球がバシャンと水飛沫をあげて貯水池に戻った。
俺は、パバリ師匠に駆け寄った。
パバリ師匠の腕の中で息を吹き返したグインが「...これは、創世のパバリ様、お助けくださり、ありがとうございます….」と言って気絶した。
「パバリ師匠!おかえりなさい!てっきりお戻りは来月かと!」
「1万キロ東の彼方、メキシコ村から創世のパバリ様が一足先に戻ったぞ!ガハハハ」
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