表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/112

1-1-4-1 躑躅

 精霊の王エイゴン様がいる禁忌の森の入り口は、大きな谷間になっていた。

 普段は入ろうとしても、気がつくと外に出されてしまう、禁忌の森。そもそも近づくことさえ許されていない。

 でも、ゲルンさんが特別に許可を貰ってくれたから、中に入れるはずだ。


 森に向かいながらスピカが珍しく心細そうに言った。


「この森、怖いわ。ここまできたの、はじめてよ。

 それに、やっぱり村を出るのも、すごい勇気がいるのね。

 私、本当は、通過儀礼のことも怖くて怖くてしかたがないんだ。でも、不安を口にしたら、潰れてしまいそうで」


 俺は、少し震えるスピカの手を、ぎゅっと繋いで歩いた。本当は、俺もすごく怖い。でも、先に怖いと言われたら、勇気づけるしかない。


「大丈夫。俺が守るから。しっかり俺についてこいよ」

 

 俺たちは、花が咲き誇る谷を下っていく。

 すり鉢のような谷には、黄色い花がちらほらと咲いている。

 道の左右には、つつじにも彼岸花に似た真っ赤な花が、見渡しても、振り返っても、真っ盛りに咲ていた。

 空は、よく晴れて1つの雲もない。空は、こんなにも濃い青だっただろうか。気持ちの良い風が、草木や花々を揺らしている。

 サラサラという草木のこすれる音が、ヒソヒソと内緒話をしているように聞こえた。行く道もすべて一面赤い花、来た道も真紅で鮮やかだ。

  まるで赤い花を敷き詰めて、合わせ鏡にした世界に閉じ込められてしまったような錯覚を受けるほどに。

 ふと見上げると、谷の斜面が全て真っ赤に染まっている。

 俺は、あまりの美しさに息を呑み、無言で歩く。青い空と花の赤に囲まれて、原色ばかりの光景に、目がチカチカする。

このお話も読んで頂き、ありがとうございます!


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、

ブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


評価ポイントをいただけると、ありがたいです♪


毎日投稿して、いただいた応援を形にしてまいります。


これからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ