1-1-3-9 旅立
スピカの赤い眼は、本当に伝説の巨人の力を宿すものなのか。今のところ特別な兆候はなにもないから、ただ赤いだけかもしれないけど。
スピカが改めて、旅立ちの決意を言葉にした。
「私は、通過儀礼も乗り越えて、必ず村を救う手掛かりを掴んで帰ってくるわ。私が何者なのか、確かめてくる。私は、逆境に負けない。人は、1人では弱いけど、コフィと力を合わせて、どんな困難も乗り越えてみせる」
その場にいたみんなが、俺とスピカにエールを送った。
その中には、涙ぐむパバリ師匠、固く手を繋いぐバオウおじさんサラおばさん、そして、スピカの無邪気な笑顔があった。
俺は、みんなの顔を見ながら言った。
「ありがとう、リオ兄。そして、バオウおじさん、サラおばさん、パバリ師匠。みんなのこと、守るために戦うよ。必ず、戻ってくるから」
パバリ師匠が俺とスピカの手を取って言った。
「まだ歯も生え変わり切らない若すぎる2人に、人類の命運を託すことになるのかもしれん。マツモト村のことは、心配するな。
2人で、世界を見て周り、真実を見つけるのじゃ」
パバリ師匠の声が胸に響いた。
そして、それぞれの想いが俺に力をくれた。
翌朝、よく晴れた空の下、俺とスピカは、マツモト村を出発した。
見えなくなるまで、みんなに手を振って。
俺が目指すのは、かつての家、母さんと父さんが住んでいた館。そして、その地を守る異次元のAIトト。
9日後、スピカが巨人の通過儀礼を受けるヨジェ村は、その手前にある。
スピカが旅立ちが嬉しくてたまらないらしく、ぴょんぴょん跳ねる。
「さぁ、コフィ!行くわよ!まずは、植物の王、霊樹エイゴン様に出発の挨拶よ!」
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