1-1-3-4 冒険
俺は、頭を振った。
「無理だよ、スピカ。俺は、そんな勇気なんてない。ただ、弱くて、怖いだけだ。
あんなに知りたかった自分のことだって、今は、知るのが怖いんだ。怖くて、震えているだけだよ」
「それでいいんだよ、コフィ。怖がることができるから、成長できるんじゃない?
ねぇ、コフィ、ちょうど一年前、私が目が赤いことで悩んで、ここで泣いていた日のこと覚えてる?
コフィが私を元気づけるためにたくさん話をしてくれてさ。その時、私たちのルーツを探して、世界を冒険する夢を話し合ったよね」
「えっと、スピカが9歳になって、巨人の通過儀礼を受けることができるようになったんだ...よね。
スピカの父さんの故郷、赤い目の巨人ユピテルの子孫が暮らすクロアチア、ヨジェ村の奥の山にいるグリフォンの金の羽根を取りに行く、死ぬことあるくらい危険な試練...
グリフォンの金の羽根は、巨人を覚醒させる素材だったっけ。
スピカは、自分が伝説の赤い目をした巨人の何かを引き継いでいたとしたら、どうなるのか分からなくて怖いって泣いてた。
ヨジェ村は、母さんの館の1000キロ手前だから、一緒に冒険しながら旅して向かおうって話をしたね。
すっごく興奮したな。俺は、すぐにでも行きたくなって...」
「そう。怖いけど、すっごくワクワクして、ドキドキしたな。
あの時、コフィが私の赤い目を綺麗だって、もし巨人になってもスピカはスピカだって、そう言ってくれて嬉しかったよ。
2人で日が暮れるまで、地図を広げて盛り上がって、どんどん話が膨らんで楽しかった...」
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