1-1-2-7 恐怖
スピカが顔を真っ赤にして悔しそうに言った。
「あー!もう!最低よ!恥を知りなさい、恥を!悪魔が強大だろうと、そんなに簡単に誘惑されてしまうなんて!だらしないったら、ないわ!今、頼れるのは、リオ兄だけよ!」
そこにいたパバリ師匠が申し訳なさそうに頭を下げた。
「スピカ、お前の言う通りじゃ。だが、あの魅惑の力は、男たちには抵抗することができなかった。ゲルンと私、どちらも我慢するのがやっとで、結局気を失ってしまったんじゃ」
俺は、思わず口を開いた。
「ごめんな、スピカ。昨日のことをあんまり覚えてないんだけど....みんなが無事でよかったよ。でも、村が大変なことになってしまって....」
隣にいたゲルンさんが辛そうにうなずいた。
「アスタロト、あれは、恐怖の災厄だ。
しかし、村は、きっと復興するさ。我々は、これまでに何度も困難を乗り越えてきた。建物も土地も、やり直せばいい。魔石バリアもパバリ様のバイクにある魔石を使えば再設置できる」
俺は、もうリオ兄の目を見ることができずに目を逸らす。
リオ兄は、初めて聞くくらいに辛そうな声を搾り出した。
「コフィ、ずっと何度も聞かれても、本当のことを言えなかった。早すぎると思ったし、その事実が重すぎて、どう伝えたらいいかわからなかった。それに、お前との日々が変わることが怖かったんだ。それは、マチガイだった。僕の弱さだったよ」
それを聞いて、俺に激しい怒りが湧いた。そして、リオ兄を力一杯に睨んだ。生えたばかりの額の角がじわじわと痛む。
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