1-1-2-1 悪魔
マツモト城の屋根が吹き飛び、夕暮れの空から驚くくらい可愛い女の子が降りてきた。月と星のイヤリングがキラキラ光る。
「なによ、魔石バリアなんかしているから、わざわざ奪いに来てあげたのに。なんて小さな魔石なのかしら。あたしのコレクションには、要らないわ。ザイド、お前にあげる」
隣に浮遊するサングラスの男、ザイドが忠実そうにお辞儀をして、姿を消した。
「アスタロト様、ありがたき幸せ」
ゲルンさんも、パバリ師匠までもが、一瞬にして、若い女の子の姿をしたアスタロトに魅惑されてしまったみたいだ。
パバリ師匠がその美貌に釘付けになって、ヨダレを垂らしている。
「う、美しい...なんてことじゃ...た、たまらん」
ゲルンさんとパバリ師匠の瞳に映るのは、アスタロトの若く鮮やかな美しさ、溢れる色気だけのようだった。ゲルンさんは、口から泡を出して倒れている。
アスタロトは、その女性らしい身体から自信と豊かな魅力を振りまきながら、口を尖らせて不満を漏らす。その姿がまた、愛らしい。
次に、アスタロトの視線が、やっと俺に移る。俺の瞳の奥にその姿が焼きつく。ドキリとして、目が離せない。
「あら、坊やね。やっぱりそうよ、間違いないわ。愛しの大悪魔ルシファー様の息子ね。さぁ、こっちへおいで」
空中のアスタロトは、白いすべすべした胸元に俺を引き寄せて、柔らかく抱き寄せる。懐かしいようないい匂いだ。
俺もまた、アスタロトに魅了されて意識がもうろうとしていく。胸がドキドキして、アスタロトに触れたい衝動がおさまらない。アスタロトのモチモチと心地よい胸に顔を埋めて、温かい甘い香りが俺の心に満ちていく。
「あら、可愛い。水も滴るいい男ね。しかも、神の聖な力も宿している。危険だわ。あぁ危険って、恋のスパイスね。
さっさと悪魔の方に目覚めて、あたしと楽しく暮らしましょう。お名前、何ていうの?」
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