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1-3-4-2 水龍

 お天気雨のように、晴れた空の下、パラパラと雨が降る。闘技場に満たされた炎は、全て消えてしまった。一気に闘技場が膝下くらいまで水浸しになった。

 ナミは、小さな身体の水龍だった。嬉しそうに俺の身体に巻きついた。


「やっと会えた!コフィ!酷い火傷。私が治してあげる!クフフフ」


 温かくて輝くハチミツみたいな水に身体が包まれる。焼けただれた皮膚が、みるみると再生した。


 闘技場にはグインが倒れている。顔が青ざめ、生気がない。身体はモンスターと歪に縫合されていた。口から血が流れている。


「グイン、お前、こんな身体になってまで、俺を」


「ざまぁねぇな。また、最後に油断しちまった。

 俺は、どうせもう村には、帰れない。

 村が破壊された日、アスタロト様を村に手引きしたのは、俺だ。

 裏切ったんだ。俺は、村も親父も。もう親父に顔向けできないよ。

 それでもお前をぶっ倒したくて、人間まで辞めたのに、このザマさ」


「グイン、間違いは、誰だってある。

頭下げて、村にその分尽くせば、いつか謝罪が通じるさ。

 諦めずに村に帰れよ。ゲルンさんが帰りを待ってるに決まってる」


「馬鹿やろう。そんなカッコ悪いことできるかよ。こんな醜い身体で、もう親父になんて会えない。

 俺は、お前に悪さばかりしてきたんだ。今日だってお前を殺そうとした。

 優しくする理由なんかないはずだ。俺のこと嫌いだろ?俺は...もういいんだ。ほっといてくれ。どうせもうすぐ死ぬ。いきなり力を使いすぎたのさ。

 俺は、ダメなことばかりだな。あぁ、俺は、どこで人生を間違えたんだろう」


「グイン!生きろ!小さい時は、鬼ごっことかしたよな。チャンバラやかくれんぼも。

 たしかに、お前は、嫌なやつだった。でも、なにも死ぬことはない!」


「なんで俺を助けようとするんだ!情けなくなるからやめろ!トドメを刺せよ!俺は、もう楽になりたいんだ」


「ナミ、グインの傷を癒してくれ!こいつを死なせたくないんだ!優しくする理由なんか、これから作ればいい!しんどくても生きろ!中途半端に楽を選ぶな!」


 ナミがグインの身体の周りを黄色く光るトロリとした液体でくるんだ。

 気がつくと闘技場は、白いモヤで満たされている。今度は、水が白く氷に変わっていく。


 3回目のゴングが鳴り響く。

 闘技場には、吹雪を纏う巨大な氷の蛇がいた。


「炎で焼け死ぬほうが楽だったのにねぇ。でも、意外とやるじゃない。私は、出来損ないのグインとは違うよ。私は、本物の氷の精霊。今度は、氷漬けにしてあげる」

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