1-3-2-5 告白
スピカが涙に声を震わせて言った。
「私、覚悟が甘かったのね。命を賭けることがあるなんて、村を出るときにはちゃんと分かってたつもりだったのに。コフィの道も、私の通過儀礼だって、そうよ」
「俺もだよ、スピカ。俺だってなんの覚悟もできてたわけじゃない。スピカにも命の危険がある挑戦があるんだよね。
でも、スピカのためになら、戦えるって思えたんだ」
空には月が明るく輝いていて、街のランタンが美しく光っていた。
俺は、決心して、言った。
「スピカ、キスしよう」
スピカは、驚きと不安が混ざった表情で問いかけた。
「ねぇ、コフィ、私だけを見てくれるの?角や爪が伸びて、悪魔になってもいい。私は、私だけを見てほしいの」
俺は、リュックからスピカの写真の束を取り出した。何枚かは水に濡れてから乾いて、パリパリになっていた。
スピカが驚きの声をあげた。
「な、何これ?」
「始めからずっとスピカの写真がポケットに出てきてたんだ。恥ずかしくて、見られたくなくて、スピカの写真だけ隠してた」
「私、自分の写真が出てこないのが不安だったの。コフィの心に、本当に私はいるのかしらって」
スピカが大きな声で泣き始めた。
「他の女の子の写真ばかり出てくるし、私の写真は今日もないんだって思ってた」
「俺は、ずっとスピカのことが好きだよ。一年前、旅立ちを誘った時も。だから明日、俺は、必ず勝つ」
俺は、スピカに約束した。
星空の下で、俺たちはお互いを見つめ合った。スピカの赤い目が星を映して輝いている。それからスピカが目を閉じた。
「スピカ…」
俺は、それからキスをした。その瞬間、俺たちの心は一つになった。そう思えた。
「俺は、スピカを守る。だから、俺を信じてほしい」
俺は、そうスピカに囁いた。スピカが涙を流しながらうなずいた。
スピカが少し意地悪な顔をして俺のお尻をつねる。
「ねぇ、コフィ?バッグにもう一つアルミの寝袋が入ってるの、見えた」
俺は、焦って変な汗が流れる。
「そ、それは...」
慌てる俺の口を塞ぐように、スピカがまた口付けをした。
次の日の朝、俺は、スピカの手をしっかりと握り歩いた。
スピカの手はずっと震えていたけど、しっかりと俺の手を握り返してくれた。
闘技場は満員で、歓声や音楽が聞こえる。古代文明の競技場を闘技場にしているみたいだ。
俺は卵の「ナミ」が入ったバッグをスピカに預ける。そう言えば最近、ぼんやりと光るくらいで何もしゃべらない。
闘技場裏の戦士用の入り口には、ハナとナジャ、サビーナもいて、見送ってくれた。
スピカが俺のお尻をパチンと叩いた。
「コフィ、負けないで。絶対に」
「わかってるよ」
俺は、振り向かずに闘技場の中に進んで行く。
このお話を読んで頂き、ありがとうございます!
もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、
ブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。
評価ポイントをいただけると、ありがたいです♪
毎日投稿して、いただいた応援を形にしてまいります。
これからもよろしくお願いします。




