表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
105/112

1-3-2-5 告白

 スピカが涙に声を震わせて言った。


「私、覚悟が甘かったのね。命を賭けることがあるなんて、村を出るときにはちゃんと分かってたつもりだったのに。コフィの道も、私の通過儀礼だって、そうよ」


「俺もだよ、スピカ。俺だってなんの覚悟もできてたわけじゃない。スピカにも命の危険がある挑戦があるんだよね。

 でも、スピカのためになら、戦えるって思えたんだ」


 空には月が明るく輝いていて、街のランタンが美しく光っていた。

 俺は、決心して、言った。


「スピカ、キスしよう」


スピカは、驚きと不安が混ざった表情で問いかけた。


「ねぇ、コフィ、私だけを見てくれるの?角や爪が伸びて、悪魔になってもいい。私は、私だけを見てほしいの」


 俺は、リュックからスピカの写真の束を取り出した。何枚かは水に濡れてから乾いて、パリパリになっていた。


 スピカが驚きの声をあげた。


「な、何これ?」


「始めからずっとスピカの写真がポケットに出てきてたんだ。恥ずかしくて、見られたくなくて、スピカの写真だけ隠してた」


「私、自分の写真が出てこないのが不安だったの。コフィの心に、本当に私はいるのかしらって」


 スピカが大きな声で泣き始めた。


「他の女の子の写真ばかり出てくるし、私の写真は今日もないんだって思ってた」


「俺は、ずっとスピカのことが好きだよ。一年前、旅立ちを誘った時も。だから明日、俺は、必ず勝つ」


 俺は、スピカに約束した。

 星空の下で、俺たちはお互いを見つめ合った。スピカの赤い目が星を映して輝いている。それからスピカが目を閉じた。


「スピカ…」


 俺は、それからキスをした。その瞬間、俺たちの心は一つになった。そう思えた。


「俺は、スピカを守る。だから、俺を信じてほしい」


 俺は、そうスピカに囁いた。スピカが涙を流しながらうなずいた。

 スピカが少し意地悪な顔をして俺のお尻をつねる。


「ねぇ、コフィ?バッグにもう一つアルミの寝袋が入ってるの、見えた」


俺は、焦って変な汗が流れる。


「そ、それは...」


慌てる俺の口を塞ぐように、スピカがまた口付けをした。


 次の日の朝、俺は、スピカの手をしっかりと握り歩いた。

 スピカの手はずっと震えていたけど、しっかりと俺の手を握り返してくれた。

 闘技場は満員で、歓声や音楽が聞こえる。古代文明の競技場を闘技場にしているみたいだ。

 俺は卵の「ナミ」が入ったバッグをスピカに預ける。そう言えば最近、ぼんやりと光るくらいで何もしゃべらない。

 闘技場裏の戦士用の入り口には、ハナとナジャ、サビーナもいて、見送ってくれた。

 スピカが俺のお尻をパチンと叩いた。


「コフィ、負けないで。絶対に」


「わかってるよ」


 俺は、振り向かずに闘技場の中に進んで行く。


このお話を読んで頂き、ありがとうございます!


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、

ブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


評価ポイントをいただけると、ありがたいです♪


毎日投稿して、いただいた応援を形にしてまいります。


これからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ