1-1-1-10 歴史
ゲルンさんの表情が険しい。
「スピカ、その通りです。マツモト村のバリアなど、すぐに破られてしまう。
人類は、一万年前に起きた第二の創世記以降、滅亡の一途です。
氷河期が始まってから、気温は下がる一方で作物も乏しい。
村はずれの巨人隕石を魔石として加工できれば、繁栄の道もあったはずでしたが...」
パバリ師匠が重々しく口を開く。
「しかし、歴史の通り、全人類の叡智を集めた数千年の研究の結論は、巨大隕石の活用は一切不可能じゃった。
そうして、かつて魔石研究の中心として栄えたマツモトが衰退して、もう5000年は経ってしまった。
人類は、50に満たない点在する魔石バリアに頼った村々で生き延びるだけじゃ。総人口100万人ほどにまで減って....今や人口50万人のメキシコ村も失われた....」
ゲルンさんがマツモト村を大切そうに見渡す。
「ここは、植物の王エイゴン様の加護の元、花が咲き子供が遊び回る辺境の村になりました。
星の精霊リオ、星を破壊するほどの力を持つ者よ。その力で我々を、人類を、助けてくれませんか。無理は承知です。
私は、この平和な辺境の村が大好きなんです。
遺物の資材を寄せ集めて作った建物が並ぶ風景、かつての魔石を研究した科学者の末裔が細々と世代を重ねていく歴史、甘いあんことパリパリした皮が美味しいピカリ焼きも、夏の風物詩として古代から残る盆踊りやお祭りも。
だから、どうしても守りたい。どうか....」
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