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9話

そして、3ヶ月後。


投資開始から4ヶ月で目標通り資金を集めることに成功し、女性騎士育成の準備が整った。


今日は初めて23人の女性騎士見習いに会う日だ。



完成した宿舎のエントランスに集まるように言っているから、私も向かう。


今日はいつもの派手なドレスじゃなくてワンピースにした。



「ごきげんよう。」


エントランスに入ると全員揃っていて、昨日支給した女性用の隊服を着ていた。

女性用の隊服は少しデザインが違うんだけど可愛く仕上がってると思うわ。


「おはようございます、お嬢様!」


ビシッと整列した彼女たちは、私が入って来た瞬間そう言った。


面接をした時はふわふわした雰囲気だなと思った方も、キリッとした顔で立っている。



「宿舎の中と自分の部屋は確認したかしら?白龍騎士団は基本全寮制よ。昨日までは通ってもらっていたけど、今日からはここで生活してもらうことになるわ。」


「はい。」


23人を代表して返事をしたのは隊長のカミーラ。



そう、少し前からは通える人だけ訓練を開始していた。鎧は結構前に届いていたから。


宿舎が完成するまで鎧は訓練場の多目的室に置かれていた。


言うて狭くない部屋だけど、23もの鎧が置かれたから狭くなっていて苦情が入っていたのよね。どうしようもないから我慢してもらっていたけど。


「ここの管理は全て私が行っているわ。だから、不便等あれば私に教えてちょうだい。一人暮らしという点で見落としていることがあるかもしれないから。じゃ、休憩時間に邪魔してごめんね。」


そう言って私は宿舎を出た。





公爵邸に戻ると、リオンがエントランスドアの前に仁王立ちで待っていた。


「リオン、どうしたの?」


「待ってました姉上!行きましょう。」


「待って、リオン。どこに?」


「あ。」


これが私たちエステリア姉弟の日常会話。


リオンは重要な言葉を抜かしやすい。



リオンに連れられてガーデンに行くと、お母様が待っていた。


「母上!姉上を連れて来ました。」


ガーデンのテーブルにはアフタヌーンティーのセットが置いてあり、周りにもスイーツが置いてあった。


「久しぶりに3人でお茶でもしましょう。」


お父様は仕事が忙しいからこの場にはいないけど、久しぶりにアーネストとリオンとではなく家族でお茶をした。



「シャル、女性騎士の計画は順調?」


「ええ、順調です。宿舎も完成しましたし、あとは彼女たちに頑張ってもらうだけなの。」


「すごいですよ、姉上は!」


「あら、でも鎧を作ってくれる工場の手配と宿舎の建築業者の手配をしたのはあなたじゃない。」


リオンがパパッと工場とか業者を手配してくれたおかげで色々順調に進んでいたの。



「そういえば姉上、投資もされていたでしょう。それは今どうなったのですか?」


「どの店も順調よ。流石に最近は売り上げが右肩上がりってわけにはいかないけど、ずっと高水準をキープしているわ。」


「まあ、シャルってば投資までしてたのね?」


「元々女性騎士隊を作るにあたってお父様からいただいたお金が足りなくなってしまったから始めた物ですけど、今は毎月何もしていなくても金貨が10枚以上入ってくるようになりましたよ。」



そんな感じで話しながらマカロンに手を伸ばしかけて、ふと思った。


お菓子を食べながら、お茶を飲みながら話していたから少し食べすぎたかもしれない。


私はスッとマカロンに伸ばしていた手を引っ込めたのでした。

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