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5話

広間に向かうと、リンドガルト公子と…エステリア公にシャルローゼがいた。


「ち、父上…。俺が呼んだのはリンドガルト家だけなのですが…。」


「私がエステリア公たちを呼んだ。」



父上が上座に座ると3人はお辞儀をする。


俺に話す隙を与えず父上は喋り出した。



「この度はうちの愚息がすまなかった。」


そう言って父上は立ち上がって3人に頭を下げる。


「父上…!?貴族なんかに頭を下げる必要はないのでは…。」


「たわけが!!!アラン、お前は何故リンドガルトとエステリアが二大公家と呼ばれているか知っているか。二大公のみ特有名称がある騎士団を持つことが許されているか知っているか?」


…?俺は知らないぞ。


「いえ。」


すると、父上はため息をついて説明してくださった。



「いいか。建国時、共に戦い国を作ったのは3人だ。二大公家はそのうちの2人の血筋なんだが、彼らの先祖は我々の先祖…初代皇帝が国を治めるのに1番向いていると判断したため今の皇家があるんだ。」


何だと?今までの授業でも聞いたことのない話なんだが。


「私が、周りの人間にその話を子供達にさせないようにしていたからな。お前が知らないのも無理はない…が。」



そこまで言うと、父上は一息ついてから一気にこう言った。


「民衆や他の貴族からの支持が絶大であることから推測して継承される頃には概ね理解している皇太子がほとんどだが?ステファンはわからないが、少なくともフローラとウィリアムは察しているぞ。」



父上によって俺の顔が真っ青になった頃、ようやく父上が俺の要件を言っていいと言った。


「えっと…リンドガルト家がメイを受け入れなかったのは何故なんだ?リンドガルトにとってもメリットのある話のはずだが…。」


「私たちは皇族との縁よりもエステリアとの仲を重視しておりますゆえ。」


リンドガルト公子への問いかけはばっさりと切られてしまった。

なるほど、確かにリンドガルトとエステリアは仲がいい。領地が接している町にそれぞれ別荘を作って定期的に交流があるそうだからな。



「とりあえず、呼び出してすまなかったな、エステリア公爵、エステリア小公爵。」


「…リンドガルト公子も、わざわざ呼び出して申し訳ない。」


父上が呼び出したエステリア公たちに対してそう言ったため、俺も慌ててリンドガルト公子にそう告げた。


そのままリンドガルト公子たちは広間を出て行った。





「にしてもシャル、シャルが公爵家を継ぐことは公認なんだ?陛下もシャルのこと小公爵って呼ばれていたし。」


「女性の継承権が認められたのは私が発端だからね。アラン、大目玉くらってるみたいじゃない?もしかしたらフローラ様が初の女帝になられるかもよ?」



陛下に呼び出されたけどほとんど口を開くこともなくずっと黙っていた私は、帰り道アーネストとそんなことを喋っていた。


陛下が私のことを前みたく“エステリア嬢”じゃなくて“エステリア小公爵”って呼んで下さったから、私は陛下に公爵家の後継として認められた訳。


後継になるってことはつまり、どこかの家に嫁ぐことができない!すなわち皇妃にならなくていいってことよ。



「アーネストー。メイ、ドンマイって感じじゃない?」


「確かにその表現で合っているが、どこでそんな言葉覚えてきたのかい、シャルローゼ。」


「街に行った時、領民の皆さん…特に子供が言っていましたのよ。」


「…シャルは絶対良い当主になれるよ。」

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