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36話

とりあえず大通りかな。


子供達が言っていた新しい店も気になるしね。


そう思って通りを歩いていると、お菓子の入ったバスケットを持った女の子が私に話しかけてきた。



「…お菓子、買いませんか。」


女の子はそう言って、バスケットの中からマフィンを取り出した。


「何を売っているのかしら?」


「クッキー、マフィン、フィナンシェ。」


「じゃあマフィンをちょうだい。おいくら?」



「お嬢様!危ない!」


女の子に言われた通りの金額を差し出そうとすると、いきなりフィリーナが女の子のバスケットを蹴り飛ばした。


…次の瞬間バスケットが大爆発を起こし、女の子は後ろに吹き飛ばされていく。


「痛っ!」


「きゃあ!」


至近距離で爆発したため当然私たちも無傷とはいかず、爆弾らしきものの破片を間近で浴びることになってしまった。


幸い私とフィリーナは厚手の服を着ていたおかげで手と足に少し切り傷ができただけだったけど、女の子は吹き飛ばされた衝撃でぐったりしていた。



「何ぼーっと突っ立っているの!?あなた治安隊でしょ?場を収めてちょうだい。あなたは医者を連れてきて!」


たまたま近くにいた治安隊の隊員にそう言い、パニック状態の人たちの中で比較的落ち着いている人に医者を呼ばせた。


医者はすぐに駆けつけてきて、女の子は運ばれていった。私たちもその場で応急処置をした。





女の子は少ししてから意識が戻り、軽い事情聴取を受けることになったが、治安隊の大人が怖いのか震えてばかりでなかなか話出さなかった。


仕方がないから、私が女の子と話すことにした。



「ごきげんよう、シャルローゼよ。あなたのお名前は?怪我は大丈夫かしら?」


「…リオナ。お怪我、痛い…。」


女の子はそう言った。


そりゃ痛いでしょうね。あちこちに包帯が巻かれているもの。


「リオナちゃんはいつもお菓子を売ってるの?」


「ううん、今日はお父さんに頼まれたの。」


お父さんに頼まれた?


え、孤児だと思っていたわ。だって、これほど大きな爆発があって見てた人も多かったのにこの子の親が病院に来ないから。


「お父さんに?」


「うん。偉い人に頼まれたんだって言ってた。」


偉い人?なにがどうなってるのよ。


「と言うかそもそも親が子供になんてことさせてるんですか…。」


隣でフィリーナがそう言った。



そうだわ、それもおかしいわね。


もしかして虐待とかがある家庭かもしれないわね。


「リオナちゃん、お父さんは優しい?」


不審に思った私は、リオナちゃんにそう質問した。


「うん、機嫌が良かったら優しいし、お金渡したらもっと優しい。リオ、お父さん大好きだけど、お母さんの方が好き!」


あちゃー、これお父さんやってるわね?


フィリーナも頭を抱えていた。


とりあえずこの子は事情聴取の名目で実質保護状態かな…。

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