32話
フローラ様とのお茶会から数ヶ月。
外はすっかり寒くなった。
あれから、フローラ様は本格的に皇帝になる準備を始め、私もアーネストが春前に公爵になるということで一気に仕事が増えた。
お茶会も1週間に1回とかになったの。
「シャル、久しぶり!これ、視察のお土産だよ。」
「わあ、綺麗なブローチね!ブルーエンシェントって気になってたの。」
今日は、アーネストが2週間リンドガルト領の街を回る視察に行ってたから2週間ぶりにアーネストと会った。
アーネストが見て回る村の1つにブルーエンシェントの産地があったから、アーネストに頼んだら買ってきてくれたの。
ブルーエンシェントっていうのは古代製法のガラス。不純物が混じり、青みがかって見えるガラスなの。
その村でしか作られていない。
「そう言えばシャルもそろそろ公爵になるんでしょ?」
「うん、アーネストが爵位を継いだ後すぐに私もって言われたわ。」
「まあシャルの仕事は完璧だからね。」
でも、やっぱり爵位を継いだら今までと色々変わるわよね。
「じゃ、俺今日もやらなきゃいけない仕事があるからそろそろお暇するね。」
「うん。じゃあね。」
◆
アーネストが帰った後、私も用事があったから軽く服装を整えた。
実は、私が着られる礼服がなかったの。
礼服というのは、その家のシンボルをイメージした模様等が入った貴族の正装のこと。
式典とかの時に、男性の参加者は礼服を着なきゃいけないんだけど、爵位を継ぐ者も着ないといけないんだって。
私の場合式典はドレスでいいけど、爵位を継ぐ儀式?みたいな時のみは礼服を着ないといけない。
そんなの私が持ってるわけがないわ。
だから、それを仕立てることになった。
「ごきげんよう、待たせたかしら。」
「いえ。…ブティックティアードロップをご利用いただきありがとうございます。まず、採寸からいたします。」
ということで採寸がスタート!
いや、マジで採寸って大変なの。
ドレスを作る時も採寸しないといけないんだけど、とにかくじっとしとかないといけない。
今日はまだコルセットつけないだけマシね。
ドレスの時はコルセットをつけた状態で採寸だから。
爆速で採寸が終わり、次はデザインを選ぶんだけどこれも大変なの。
「こちらはいかがでしょうか。」
「う〜ん…ドレスとなんら変わらない気がするわ。」
「では、こちらはいかがですか?」
「…やっぱり、礼服って感じがしないわ。フリルが多い。」
「では、今ここでデザインを練り直しますか?」
「そうするわ。あ、アーネストとリオンの意見を聞きたいから少し待っててもらえる?」
結局、デザイナーさんが持ってきたデザインはこのブティックがドレス系のブランドであるからか、デザインがドレス寄りのものが多かった。
そのため、男子陣を呼んでデザインを練り直すことにしたのでした。




