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31話

アーネストとお茶をする部屋は、もうそれ専用の部屋になりつつあった。


お父様公認だもん。アーネストがエステリアに泊まる時もずっとこの部屋を使ってるの。


いつもお茶を飲んでるためお茶の匂いがする部屋に行くと、すでにフィリーナがお茶の準備をして待っていた。アーネストはお父様に会いに行ったらしい。



少ししてアーネストが戻ってきた頃には、紅茶の色が出ていた。


「あ、ごめんね。ちょっと待たせたかな。」


「さほど待ってないから大丈夫よ。」


アーネストはまず紅茶を飲むのではなく、目の前に置いてあったミニチーズケーキを口に入れた。


それから、マカロンにも手を伸ばす。


「アーネスト、そんなに甘いもの好きだったか?」


リオンが少しからかいも混ぜてそう言うと、アーネストは一言、


「疲れた。」



確かに、疲れるよね…。


私もマカロンを1つ食べる。


「姉上、書類仕事ってそんなに疲れるのですか?」


「…やってみればわかるわよ。」


少しためてからそう言うと、リオンは「うわぁ…。」と言った。






次の日、私たちは皇女宮にいた。


フローラ様とのお茶会が流れてしまったから。



「お久しぶりです、フローラ様。」


「ええ久しぶりね。」


幸いフローラ様は事情を把握されていたため快く迎えてくれた。


「まずは、あの原因不明の病…もとい、汚染症のその後について少しお伝えするわ。」


「汚染症?」


汚染症の出来事を知らない2人に軽く説明すると、2人は当たり前だけどとても驚いていた。



「エステリア公女の案が採用されて討伐が進められたわ。数日前にやっと討伐完了したの。」


「よかったです。被害はどれほどだったのですか?」


「討伐隊が向かってからの犠牲者は0。怪我人は全員治癒魔法で治療済みよ。」


フローラ様がお茶を飲みながらそう言った。



「さ、こんな話はお終いにしましょう。あなたたちの話を聞かせてちょうだい。特にエステリア公女の話は参考にできるところがあるかもしれないわ。」


フローラ様はそう言うけど、多分全く参考にならないと思うわ…。



「姉上は参考にならないと思いますよ。なんせ、俺が手伝っていますから!」


リオンがここぞとばかりにえっへん!と胸を張った。


「ああ…。エステリア公子のことは噂で聞いたことがあるわ。お姉さんのことが大好きで、爵位の継承権を譲っちゃったって。」


リオンはヘラヘラ笑いながらその話題を上手くかわしていた。




「ところで、このお茶はどこの茶葉を使っているのですか?」


お茶の香りが気に入った私は、フローラ様にお茶の種類を聞いてみた。


「さあ…わからないわ。ニカ、このお茶の茶葉は何?」


「ズデア地方でございます。」


「だそうよ。美味しいわよね。」



ズデア地方…?聞いたことがないわね。


私が首を捻っていると、アーネストが教えてくれた。


「最近人が流入している新しい町だよ。確か、罪を犯して捕まった人の中で模範囚の人が移住を許可された場所だけど、それ以外の人も移住してきているんだ。」


そうなんだ。


「確かエステリア領からすごく遠い場所にあるんですよ、姉上。」



今度買ってみようかな。


今日のお茶会は、のんびり喋るだけで終わった。


私たちがフローラ様に全面的に協力するっていう約束は交わしたけどね。

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