30話
オーディン侯が捕まってから1週間ほど経った。
オーディン侯がアランとの繋がりを自白したため、アランにはもう一度事情聴取がされているらしい。
私はと言うと、昨日から仕事量が増えることになった。
周辺国では当主が亡くなってから次期当主に引き継がれるんだけど、この国では継承権を引き継ぐ手続きをすれば当主が健在でも引き継ぐことができるの。
お父様は、早いうちに私に爵位を継がせる方針らしい。
アーネストと同じタイミングで私をエステリア公爵にして、基盤がまだ少し緩いフローラ様の基盤を固める目的だった。
アーネストが今年中に爵位を継ぐと言うことで、私も本格的な仕事を始めたってわけ。
「リオン、この書類を帳簿管理者に、この書類をお父様に届けてくれるかしら?お父様から多分ゲオグル地方についての報告書を渡されるわ。それから、この手紙をユーリア家に届けたいから郵便鳥の準備もお願い!」
「わかりました!あ、郵便鳥はスタンバイしていると思います!」
「わかった、ありがとう。じゃあ手紙は自分でやるわ。」
今日もリオンが手伝ってくれるおかげで仕事が増えたとはいえ爆速で書類が片付いていく。
今年はいくつかの村で不作になってるみたい。
地図と照らし合わせると、不作の村は1つの川に沿って点在していた。
でも、私が見てるこの地図には河川の名前は大動脈になってる大河川、リシュテイン川しか載っていなかった。
まあかなり省略された略図でもあるからね。
「ねえジアン、この川ってなんて名前なの?」
「ティカル川です。ウェルメア山から流れております。…現在集水域で雨が降らず、干ばつにより不作が引き起こされております。」
「やっぱり干ばつね。リンドガルトでも干ばつによる不作が起きてるって言ってたからエステリアでも起こってると思ってたわ。」
とりあえず食物の援助と農作物に関する税の引き下げね。
「とりあえず税金の引き下げもしくは免税を考えてるわ。どっちがいいだろ。」
「幸いチナ村意外の村には農作物以外の産業もありますし免税でよろしいかと。」
そうね、チナ村についてはまた考えるってことで他の4つの村には農作物にかかる税金を一時的に無くしましょう。
多分免除しても村の人たちが食べる分がないだろうし。
「姉上、書類は全て届けて参りました。」
「ありがとう、リオン。あ、今日の分は全部終わったわ。」
「わかりました!あ、アーネストが来てるよ。」
あ、来てるんだ。最近忙しそうだったけど大丈夫かな。
リオンも今日はベアトリスちゃんと会う予定がないらしく、一緒にアーネストが待ってる部屋に向かった。




