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26話

4日後。


「シャル、宮殿に用事ができたんだけどついてくる?」


「行くわ。」


私はまだ宮殿に行く必要のない仕事ばかりしてるけど、アーネストはもう小公爵になって長いから、頻繁に宮殿に行かないといけないらしい。


本当はそんな頻繁に行かなくていいらしいけど、官職に就かされたせいだって言ってた。



「おーいアーネスト!姉上がいるんだから、馬車だよな!?」


「あはは…そうだね。流石にシャルに30分も歩かせられないし、馬車で行こうか。」


「ここから宮殿まで歩いて30分なんだ。」


城下町とはいえ広いからね…。私たちは少し城から遠い場所に別邸があるから余計遠い。


しかも、アーネストで30分なら私はもっとかかるわよ。



馬車だと15分もかからないから、少し早く宮殿に着いたらしい。


「ちょっと早いな…。できれば中に入らず外で待っておきたいんだけど、いいかな?」


「いいわよ。」


城下町の宮殿に1番近い店に入って少し時間をつぶし、宮殿に入ると宮殿にいた女官達が一斉に私達の方を見た。


途端にアーネストの表情が固くなる。


ギリギリまで中に入りたくないって言ってたのはこのせいか…。


アーネスト見目がいいものね。



「アーネスト様、ごきげんよう!」


「隣のご令嬢はどなたなの?」


「バカ、エステリア嬢よ!」


アーネストは苦笑いしながらその横を通り過ぎていく。


「…アーネストも大変ね。」


「今日はいつもよりマシだよ。どこまでも追いかけてこようとするから…。」



そんな話をしながら歩いていると、アーネストがとある部屋の前で足を止めてノックした。


部屋の中から「はい。」と聞こえ、アーネストが入っていった。私はドアの外で待っとくことにした。




しばらくして、アーネストが部屋から出てきた。


「どんなことしてたの?」


「報告と書類の受け取りだよ。シャルもそのうちやると思う。」


帰り道を歩いていると、アーネストが耳打ちしてきた。


「シャル、ここら辺でオーディン侯とよく会うんだ。気をつけてね。」


「わかったわ。」



そこから世間話をしながら歩いていると、やたらと宝石をつけた太った男が前から歩いてきた。


「オーディン侯ね…。あ、今日は接触だけのつもりなの。お茶会は断りましょう。どうせ誘ってくるでしょ。」


「うん。…了解。」


警戒しながらすれ違おうとすると、向こうから話しかけてきた。


「これはこれはリンドガルト公子にエステリア公女ではありませんか。」


「…ごきげんよう。」


「何か用でしょうか?」


アーネストがそう言うと、オーディン候はこう言った。


「いや、うちの息子も交えてお二人とお茶を、と思ってね。どうですか?」


「またですか。この前もあなたとお茶を飲みましたが…。」


「いいじゃないですか。ほら。」


オーディン候はそう言うと歩き出した。私たちがついてきていないのを確認すると戻ってくる。



今日は接触を試みただけだったけど、仕方がないからお茶会に行くことになってしまった。

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