23話
「ねえ、今度お茶会に誘うわ。あなた達のご兄妹も一緒にね。またお話ししましょ。」
皇女宮に向かう別れ道でフローラ様はそう言い、「じゃあね。」と言って歩いて行った。
それを見送った私たちも廊下を歩いていた。
◆
後日、皇女宮からお茶会の招待状が届いた。
日時は3日後の午後からで、皇女宮で行われる。
招待されたのは私、リオン、アーネスト、ベアトリスちゃん。
3日後の午後は仕事ができなくなるから、それまでに仕事を終わらせないといけない。
「リオン、あっちの書類持ってきてくれる?ジアンは次の予定を教えてちょうだい。」
「わかりました、姉上!」
「本日は16時からティエール市長が来られます。また、アッシア出店審査の書類が一通届いております。」
最近雇った秘書官のジアンは何百通もの応募書を見て決めた甲斐があり、ものすごく優秀だった。
私が特別伝えなくても私の予定を把握しているし、全て覚えているの。
リオンは書類の整理が得意で、書類の内容を見て私が作業しやすいよう場合によって時系列順とか、優先度順に爆速で並び替えながら持ってきてくれるの。
最近はベアトリスちゃんにお呼ばれしていることが多いけどね。
まあ、そのおかげで私の仕事時間が半分くらい短縮されてるわけ。
今日も通常は3時間ほどかかる処理仕事を2人の手を借りて1時間ちょっとで終わらせた。
夜に余分でちょっとやっとこうかな。3日後の仕事を後回しにしたくないから。
◆
「お嬢様、十五時になりました。」
フィリーナに15時になったらティエール市長と会うために着替えるって言っておいたから、15時ちょうどにフィリーナが来た。
「本日のお洋服はいかがなさいますか?」
「緑色ね。あのフリル少ないのがいいわ。」
「ティエール市のイメージカラーの服ですね。かしこまりました。」
フィリーナは緑色でレースが多く、代わりにフリルが少ないドレスを取り出した。
それに着替えてエントランスの方に向かうと、ちょうど市長の乗った馬車が到着したところだった。
「いらっしゃい、ティエール市長。」
「シャルローゼ様!ご無沙汰しております。」
市長を応接室に案内し、市長から報告を受ける。
「今の所、大きな問題等はございません。それどころか、職人の労働環境が良くなったと職人たちが喜んでおりました。」
「そう、よかったわ。この街が1番女性統治者に対して疑問を持ってたでしょう?治安が心配だったけど、それなら問題ないわね。」
おそらく、いろいろと整備をしたからね。
私がティエールで取り入れたのは売り上げの一部をそれぞれの店が積み立てて福祉面や労働環境を整えるというシステム。
単純なシステムだけど、採用している街って国全体を見てもかなり少ないの。
1番最初に全て整える分、初期費用が嵩むから。私はそんなの気にしないでいいけどね。
システム運営を全て街の人に任せてみたら、これが成功したみたいだった。




