17話
フローラ殿下が皇太女になられて、20日ほど経った。
私は本格的に領地経営を任されてから1週間。
私が任されたのは高級ブランド街アッシア、商業の中継点ティエールを含む6つの村と町がある地域、ゼーリア地域。
「姉上、必要書類全部向こうに届いたそうですよ。1週間後までには全ての返事が届くらしい。」
「ありがとうリオン。よし、今日はあとここの書類に印鑑を押せば終わりね。アーネスト待ってるんでしょ?先に行っといてちょうだい。」
「わかりました!流石に印鑑は姉上が押さないといけませんからね。俺はアーネストの相手でもしてやるか!」
「ふふっ、なるはやで終わらせて私も行くわね!」
「姉上、どこでそんな言葉覚えてきたのですか…。」
適当に誤魔化しながら書類に印鑑を押していく。
この印鑑、私専用に新しく作られたものなんだけど、エステリアの印鑑って偽造防止・盗難防止の細工がすごいの。
確かリンドガルトにも共有している技術だから、リンドガルトもこの細工の印鑑を使っているはずよ。
かなり複雑な仕組みで私もちゃんと把握しているわけじゃないけどね。
それを、目を通した書類にポン!
この厚さ的に多分30枚あるかないかくらいだろうしすぐ終わるわね。
妃教育が無駄になったんじゃないかって思ってたけど、そんなことなかった。
後継者教育の中に書類の捌き方がなかったからリオンに聞いてみたんだけど、リオンも習ってないらしいの。
妃教育では、皇后は膨大な書類仕事をしないといけないからって書類の捌き方と効果的な秘書官の使い方をならった。
それが役に立ったわ。
全てに目を通し印鑑を押してアーネストたちが待っている部屋に行くと、2人から驚かれた。
「姉上!?あの書類、ざっと見て30枚はありましたよね?そこまで時間のかかる量じゃないけど、速すぎ…。」
「30枚の書類をこの短時間で捌いたんだ?前から思ってたけど、シャルってすごいよね。」
「ふふっ、無駄になったと思った妃教育が役に立ったわ。今度教えましょうか?書類の捌き方。」
アーネストもほとんど書類仕事については教わっていないみたいで、今度書類の捌き方を2人に教えることになった。
「…だよね!あ、それでね、シャル。登城していないシャルたちにも共有しとかないといけないことがあるんだ。」
いつも通りお菓子を食べながら喋っているだけだったけど、アーネストが話がちょうど区切れたあたりでそう切り出した。
「何か起きたの?」
「実は、カルバーナ帝国の南の端あたりで原因不明の病が流行り出しているらしい。」
「原因不明の病?」
「うん、同時期に魔物の出現数も多くなったらしい。」
原因不明か…。原因不明の病って案外原因が単純なものも多いからなんとも言えないわね。
「とにかく、今度正式に会議が行われるらしい。多分、エステリア公から会議について来るよう言われると思うよ。」
魔物も出現してるっていうなら確かに緊急会議ものだわ。
私もちょっと調べておこう。




