15話
「シャル、俺たちもあそこに行こうか。」
アーネストが会場の真ん中あたりを指してそう言った。
もう少しでダンスが始まろうとしているのね。
「そうね。」
1曲目はパートナーと踊るって言うルール。
リオンとベアトリスちゃんも一緒に移動すると、貴族たちが道を開けてくれた。
「おい、俺らも真ん中で踊るのか?」
「いいじゃない、リオン。おそらく今最も注目されているのは私たちよ。」
ちょっと緊張しているベアトリスちゃんも一緒に、真ん中の方に進む。
と言うかわざと真ん中に誘導されているような気もするけど…。
「…と言うことで。シャル、俺と一曲踊っていただけませんか?」
「ええ。」
「あ、えっと…ベアトリス、俺と一曲踊ってくれないか?」
「ふふっ、いいわよ。」
リオンもアーネストの真似をしてべあとりすをダンスに誘った。
「久しぶりじゃない?一緒に踊るの。」
「私が婚約してからは踊ってないものね。」
その割には私たちは息ぴったり。
それもそのはず、小さい時のダンスの練習相手はアーネストだったからね。
アランの要望で長らくアーネストとは踊ってなかったけど1番練習してた期間に踊ってたのはアーネストだもん。
多分お互いのダンスの癖、知っているわよ。
音楽が終わると私とベアトリスちゃんの周りにはあっという間に男性が集まってきた。
チラッとアーネスト達の方を見ると、アーネストとリオンも女の子に囲まれている。
「エステリア嬢、次はぜひ私と踊っていただけませんか!」
「いや、次は俺だ!」
「じゃあ僕はその次で…。」
「リンドガルト嬢、俺と踊ってください!」
「え、えっと…。」
ベアトリスちゃんは困ったように私の方を見る。
私ももう今日はダンスする気分じゃないのよね…。
2人してどうしようか悩んでいると、アーネストたちがこっちに来た。
「シャル、ベアトリス。そろそろ帰るよ。父上たちも帰る準備をしている。」
「あら、そうなのね。…と言うわけでごめんなさい、私たちは誰とも踊れないわ。」
そう言ってアーネストたちの方に行くと、ベアトリスちゃんも後ろからついてくる。
「アーネスト、リオン、ありがとう。」
「ううん、大丈夫だよ。俺たちも、ご令嬢に囲まれるからパーティーはあまり長居したくないものだから。」
「ああ、本当にそうですよ!姉上が婚約を破棄した今、姉上に変な虫がつかないよう見ときたいのにそれが出来ない!じゃあ帰るしかなくないか?」
お母様たちはすでに帰っているらしく、私たちは4人で馬車を停めてある場所に向かった。
お母様たちはいつも、パーティーとか夜会には極力来ない。
陛下に挨拶したらすぐに帰るのがほとんどね。
だから、私たちが踊っているのを少しみた後リンドガルト公爵夫妻と一緒に帰ったらしい。
帰りは私とリオン、ベアトリスちゃんとアーネストの組み合わせで馬車に乗って帰った。
元々私はベアトリスちゃんと一緒に乗ろうと思ってたけど、リオンがうるさかったからね!




