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第二章 2度目の転生(4)タラスの町、到着

裕太がもらった(ギフト)を本人は知らないが、徐々に表れてくる。

*********************************************



 (この体、弱い。)


 歩き始めてすぐ、わずか500m程度林道を歩いただけで息が切れて膝が笑い始め裕太は戸惑った。


 「大丈夫?少し休もうか?」


 リリアが気にして休憩を入れようとしてくれるが、拠点にしている町まで徒歩で2時間ほどかかるらしい。


 今はもう午後の3時くらいらしく、このままでは町に着く前に日が暮れてしまうだろう。


 「夜の森は魔獣の領域だから、急がないとマズイよ。日帰りでの探索予定だったから、テントや結界石も用意してない。」


 ウィザードのアリアが不安げに言ってくる。なんでも、結界石は使い捨てな上1個小銀貨1枚するらしい。いまいち金額がわからないが、安いものではないらしい事は裕太にもわかった。


 「まだDランクパーティーだから、クエストも安い報酬のものしか受けられないのよ。今回のも、回復薬の原料になる薬草や薬実の採集と、Eランク魔獣のホーンラビットの討伐っていう常設依頼だから。」


 リリアが言うには常に不足気味の薬草採取や、増えすぎを防ぐための低ランクモンスター狩りは常に冒険者ギルドから依頼が出ているらしく(四つ葉の新芽)の様な低ランクパーティーが何組も受けて生活の糧にしているらしい。


 「ユータは魔力があるみたいだから、身体強化の魔法を使ってみれば?」と、アリアが言った。

 「教えてあげられるよ、下位古代語魔法だから、初心者でも使えるし。魔力次第で効果はピンキリだけど。」

 「ユータさんはハイ・エルフだから、かなりの魔力量があるのでは?」


 神官のシエラが興味津々といった様子で聞いてくる。


(うーん、魔法かぁ。使えたら今後の役に立ちそうだし、単純にかっこいいかも。高校生の時に読んだラノベみたいだ。よし、お願いしてみよう!だめでもともとだ。)


 「じゃあ、おしえてアリア先生!」


「「「...........。」」」


*********************************************



 ~結論から言おう。~



 僕は何故か、とんでもない魔力量を保持しており、下位古代語をワン・ワード唱えただけで町まで誰よりも余裕で辿り着くことができた。


 「さすがです、ハイ・エルフ。」


 シーフのエテルが目を見張る。


 「身のこなしが段違い。まるでB級探索者みたい。パーティーに1人いたら生存確率が5倍になるっていうやつだ。」


 確かに体力とスピードが飛躍的に上昇している。途中で遭遇したホーンラビットを反撃も逃走も許さずに蹴とばして一撃で仕留められたほどだ。


*********************************************



 「とりあえず、町に入ろう。」



 リリアに続いて簡単な2メートルほどの石壁に囲まれた町の城門に向かう。門には2人の皮鎧を着て槍と古代ローマ軍の長方形の盾によく似た防盾を持った衛兵が出入りする商人や馬車、冒険者らしき人物を検めている。


 「よう、リリア。今日は遅かったな。もう少しで門を閉じるところだったぜ。」


 衛兵の一人が親しげに話しかけてくる。


 「やあ、ハンス。ちょっと予想外のことがあってね。こちらはハイ・エルフのユータ。精霊界からこちらに来たばかりなんだ。これから一緒に冒険者ギルド行きたいんだけど、いいかな?」


 ハンスは驚いた顔をして裕太を見、エルフ特有の長い耳と(裕太自身はまだ見ていないので気づいていない)絶世の美少年と言えるその美貌に絶句する。


「......!あ、ああ。でもどこかのギルドか村落の発行した身分証明カードがないと、保証金がいるぜ。銀貨一枚。」

 「でも、このタラスの町にあるギルドで登録してカードを作れば、返ってくるんだよね?」

 エテルがハンスにウィンクしながら言うと、

 ハンスは「ああ。冒険者ギルドでも商業ギルドでも鍛冶ギルドでも何でもいい。光の神々のいずれかの神殿の信徒カードでもな。」苦笑いしつつエテルに答えた。


 「よーし、じゃあここは私が出しておくよ。」


 とリリアが懐の中から小さな革袋を取り出し、銀色に光る500円玉くらいのコインをハンスに渡す。

 ハンスは小さな木の板に鉄筆で何やら記入してリリアに渡し、「無くすなよ。仮入門許可証と引換券になる。作ったカードと一緒に持ってくれば、保証金は返す。」と裕太を見ながら言った。


 「リリア、ありがとう。なんか助けてもらってばかりで、申し訳ない。」と裕太が言うと、「い、いや、いいんだって!それよりもユータ、冒険者ギルドに登録しないかい?今後のことを考えても、冒険者になっておいたほうが都合がいいとおもうんだ。」


 リリアはまた頬を赤く染めながら、裕太に冒険者になることを勧める。

 すると他の三人も口々に、「そうだね!とりあえずなっておいたほうが便利だよ。」

 「商人や職人と違い、大した元手なしで始められるしね。」

 「最低限の装備は必要だけど、冒険者ギルドに貸剣や貸鎧なんかもあって、一日単位で安く借りられるよ。何なら、私の予備を貸してもいいから。」と裕太に食いつかんばかりに言ってきた。


 「...わかったよ。とりあえず冒険者ギルドに行ってみようか。採取した素材や倒した魔獣の換金もするんだよね?」


 と裕太が言うと、後ろで「やった!」「・・・これでうちのパーティーに勧誘して..」

「・・・イケメンB級索敵者クラスゲット!」


などと小さな声が聞こえた。


 ヴァルキュリアは基本死んだ時にしか魂に直接接触できず、それ故に裕太に(ギフト)を説明できません。

 そもそもこの世界はオーディンの管轄外で手出しができない状態ですが輪廻転生時に魂をひも付きにしてあったおかげで、ギフト付きで送り込めたわけです。後、死亡するとこの世界の輪廻の輪には入らずに元の世界にひも付きの魂が召喚されるようになっています。

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