第二章 2度目の転生(2)
見知らぬ天井だ...。いや、天井無いか。
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風の中で目が覚めた。周囲は色々な風が色彩をまとい舞い遊ぶ広大な空間だった。
(ここは..?いや、僕..私は...?ich...?)
頭の中で日本語とドイツ語が乱立し思考がまとまらない。
(tot?死んだ...?)
と、その時。急にはっきりと目が覚めた。思考は日本語である。
(たしか、事故にあって...。え?でも、別人の記憶がある?どういうことだ?)
(幼子よ。思い出したか?魂の記憶、1度目の人生の軌跡を。)突然目の前に、大きな樹、というよりも巨大な山脈の様な大樹が現れた。
(我はユグドラシル。世界樹と呼ばれるものなり)
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全てを思い出した。
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独逸軍人であったことも、父カールや母アマーリエの事も。
副官のベルナー大尉は助かったのだろうか?
全ドイツ軍人が強制的に忠誠を誓わされたヒトラー総統の自決後の独逸敗戦と東西分断・再統一は裕太の記憶の中に歴史の授業で受けた覚えがあり冷静に受け止められた。
いや、今の自分は ( 鈴木裕太 ) である事に気が付いた。
フランツ・フォン・マイヤーとしての人生の記憶はすべて覚えている。だがしかし、それは役者が舞台で演じた主人公の様なかりそめの、まるで映画の役どころとしての第三者の様な存在になっていた。
(それでよい。新たな輪廻は過去生の上にこそあるべきものなり)
まるで思考を読まれているかの様に、 ユグドラシル は声なき声で語りかける。
(そなたは今、精霊界にいる。ハイ・エルフとは精霊の守り人なり。落とし子なり。肉の身を持つが、その本質は精霊に限りなく近い者。そなたが求めるとき、精霊は力を貸すであろう。)
(いや、なんだかちょっとわからないっす。自分人間っす....って、耳が長い!!)
裕太は思わず耳を触り、その異質な長さに気付いて思いっきり狼狽えた。
だが、ユグドラシルは裕太のアタフタをガン無視して続けた。
(では、良き旅を、いとし子よ)
次の瞬間、裕太は森の中にいた。
真っ裸で。
次回、ハイ・エルフの草薙剛走り!乞うご期待!! (嘘)




