第4章 ~絶対国防圏~(5)
ちまちまと投稿させて頂きますです。
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「魔信機は破壊して湖に投棄しろ!暗号書もだ!だが、その前に、全周囲に最大出力で(折れた矢)(ブロークン・アロー)を発信せよ!!!」
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かつての戦傷で左腕を肘から失くした為、兵科から転属した経緯のある司令本部通信部隊長の40代の年配下級佐官である騎士将校、トムゼン少校が命令を下す。
彼の指揮下にある本部通信中隊はこの混乱の中でも辛うじて指揮系統を維持できていた。なぜなら彼は帝国騎士の階位持ちの歴戦の元兵科将校であり、このような混戦や敗戦の経験があるゆえ狼狽えず、非常時の部下や部隊の掌握に長けているためだ。そのため、若年兵と戦闘処女の本部通信部隊の弱兵ですら自身の強力な統括下に置くことが可能な力量があったからだ。
「隊長!司令官からの指示はあったんですか!?この通信は・・・!」部下の通信中尉(中級尉官)が声を上げるが、「かまわん!司令官閣下は特科の上に戦闘処女で取り乱している、このままでは壊滅するぞ!心配するな、全責任は俺が取る。だから俺の言う通りにしろ!」
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通信(折れた矢)(ブロークン・アロー)は本来部隊のその時点での最高指揮官にしか発信が許されていない最高度救難通信である為、通信隊員は躊躇した。だが、トムゼン少校は戦局を見て独断での発信を決意し実行した。
本来なら軍法会議で勲位席次剥奪で絞首刑相当の、完全な規律違反であるこの決断が後にビザニア帝国北伐軍のみならずモルガン第6選帝侯家、つまり当主フィリップ帝帥元帥とフィリップにとっては何より大事な( 息子 )クルト法衣伯爵上将を救う事になる。
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で、戦闘後激減した指揮下の部隊を率いてやっとこさ生きて帰れた祖国の国境線で陸軍特殊憲兵隊と国家秘密警察に拘束され、人生終わったかに見えた悲劇のトムゼン・ユーリ少校。
一度は帝国属領最北の鉱山強制収容所送りになり消息すら途絶えた。
一族からは絶縁され妻子はスラムに追いやられてなんとかその日をを生きる状態だった。
だが顛末を調べた第6選帝侯フィリップ元帥から本気で( 感謝 )された為に陸軍関係は最大の大御所にして、帝国国家秘密警察に皇帝親衛隊・近衛師団にも親類縁者や寄子貴族の貴族将官が沢山いるモルガン第6選帝侯家から当主フィリップ直々の( 感謝と要請 )を受けられた為、関係各所の担当者が自分の命どころか家族一族の(粛清の可能性)をハッキリと匂わされてビビりまくり、敵対貴族も敵対派閥のたかが帝国騎士の少校を叩くつもりが敵対派閥の長である第6選帝侯・帝帥元帥のフィリップが直々に参戦してきた本気度を見て、例え他の選帝侯家の庇護下にいても、敵対すればたとえ伯爵家でも叩き潰される危険性を思い知ってこの喧嘩はとてもじゃないが割に合わないと見て( 家 )を潰される前に手を引いた為不起訴となった。故に妨害も無く直属寄子と言う破格の領地准男爵に叙せられ、さらにフィリップ元帥机下の元帥府所属の帝国軍少将(下級将官)へ任官するシンデレラストーリーがあるがそれはまた別のお話し。
なるべく続いての投稿しますです。
宜しくお願い致します。




