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第三章 護国の為に祝福を。(4)

第一話からちょくちょく加筆修正をしていますので、良かったら読み直してみて下さいませ。

*********************************************



「わかりました。取り敢えずの偵察と、ギルド主催の緊急クエストへ志願した冒険者達にロンバルディア王国が雇った傭兵隊への助力であれば、お受けいたします。」


 ロンバルディア王国の迎賓館で、流石に国王アラン4世はいないが軍務卿のフィーネ子爵や貴族・高官達とそれなりに豪勢な夕食を食べつつ会談をもち、裕太と(四つ葉の新芽)はロンバルディア王国からのクエストの依頼を受けることになった。


 「・・!!感謝いたします!ユータ殿!」


 フィーネ軍務卿以下、ロンバルディア王国の閣僚や軍の高官達は一斉に頭を下げる。

中には涙ぐんでいるものも居る。


「よろしく頼むぜ!戦闘魔術師のユータ!」

2mはあるスキンヘッドの筋肉ダルマが笑顔で話しかけてきた。ゴリラに無理やり礼服を着せたらこんな感じだろうと思う。

 隣にいたエテルが一瞬ビビッて後ろに一歩下がった。あれ?可愛いところあるな。


「俺は今回雇われた、傭兵団、(暁の長槍団)の団長で全部隊の司令官になるグスタフ・ヴァーザだ!」


*********************************************



 ロンバルディア王国にとり、クーアラント北方聖教国の滅亡は決して座視してはならない国防上最大のタブーであった。


 確かにロンバルディア王国は国土のほとんどをぐるりと急峻な山脈に囲まれた天然の要害。その上乏しい予算をやりくりして少しづつではあるがコツコツと山脈の要塞化を150年以上の長期にわたり行ってきた為、南の玄関口である国境都市ビスタ周辺以外からの侵攻は実質的にはほぼ不可能と言える。だが、兵力は比較にもならない。



 ゆえに、南からの侵攻は脅威である。



 山脈を挟んだ強国ビザニア帝国は、ロンバルディア王国も併合したいと狙っている。



 今までは北に宿敵のクーアラント北方聖教国があり、通年で紛争を繰り返えしていたため南方への軍の派遣ができない状態であった。だが、もしクーアラントが滅亡すれば。



 ビザニア帝国が総力を挙げて南に侵攻してきたら。



 侵攻ルート上にはミルヒ自由国の領土があるが、主要都市や通商大路は存在していない辺境部の端である。


 ビザニア帝国が国境線に大軍を展開し、ロンバルディア王国侵攻が目的でありミルヒ自由国には野心はない、領土の通過を求めるのみ。だが拒否は宣戦布告とみなす、と恫喝外交をしたら。


 ビザニア帝国軍の重装歩兵は質・量共に大陸最強。北方の脅威が無くなったビザニア帝国軍との戦争!


 ミルヒ自由国の国軍では首都ミルヒニアと西側半分の領土の防衛が限界であろう。

東側の領土も都市も、何より重要な東通商大路が失われてしまう。


 それは、再起不能な打撃になる。


 間違いなく、ミルヒ自由国はビザニア帝国軍の通過を認めるだろう。認めざるをえないだろう。



 国を守るために。



 そうなれば、ロンバルディア王国は滅亡する。



 国を守るためには、クーアラントを守らねばならない。最悪でも、聖都ヘルシニアとその北部の領土を死守させねば。


 滅亡さえしなければ、占領地の監視と占領できずに残ったクーアラントからの防衛にそれなりの兵力を配置せねばならず、南方への総力を挙げた侵攻は不可能となる。


 自国領土を外国軍に通過されるのは、国家としての屈辱。勝算があれば決して認めない。

ミルヒ自由国の国軍でも防衛戦が可能となるため、ビザニア帝国軍は領土通過の許可が得られまい。

 そして、押しとおるだけの兵力が維持できないだろう。すなわち、戦争は回避される。


 裕太は得られた情報から近代国家の職業軍人、しかも二度の世界大戦を戦った陸軍中将であったスキルと経験により、直ぐに状況を理解した。


 「このクエストを受ける条件があります。僕に作戦立案と全部隊の副司令官の権限をいただきたい。」







不定期更新ですが、できるだけ早く更新させていただきます。

宜しくお願い致します。

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