第三章 護国の為に祝福を。(2)
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「とてもお待たせてしまったようで、申し訳ありません」
昼までぐっすりと眠り、ようやく起きてアリアが入れてくれた濃茶を飲んではっきり目が覚めた裕太は、早朝から面会を希望している国軍の関係者がずっと下の食堂兼酒場で待っていたと聞いて、直ぐにソファーから起きだして「すみません。着替えますので、少しお待ちください。」と慌てて身だしなみを整えた。
リリアたちに部屋に招きいれられたのは、士官と四人の兵で、士官はテーブルをはさんで裕太の正面に座り、二人の兵はその後ろで直立不動の姿勢を取りあとの二人は入り口ドアの左右に立った。
「いや、休養中に大変申し訳ありません。」
その騎士は、軍の士官にしてはいやに腰が低く却って異様な雰囲気だった。
「いきなり押しかけて失礼。私はロンバルディア王国タラス駐屯軍司令部のユーリ・カタヤリネン尉官です。」と自己紹介をし、軍発行のシルバーの身分証カードを提示して「実は重要な話がありまかり越した次第です。」と裕太の目をまっすぐに見つめながら言った。
「王宮より、あなた方五人、つまりハイ・エルフであるユータ殿と友人方を是非とも首都リマダの迎賓館にご招待したいとの勅命を受けました。」カタヤリネンと名乗る士官は、驚くべきことをサラッとのたまわった。
「・・・・・!なんですって?王宮に!?」リリアが右手を口に当てて呟いた。他の三人は驚きの為か、声も出ない様子だった。
「・・・どの様な意図での招待ですか?」裕太は相手の意図を測りかねて聞いた。思わず不審に思ったのが顔に出てしまったらしく、カタヤリネン尉官は(まずい、警戒させてしまったか?)と慌てて「決して悪い話ではありません。冒険者登録をされたとの事、おそらくはハイ・エルフのユータ殿に王国政府より依頼したいクエストがあると思われます。それと、端的に150年は見かけることすらなかったハイ・エルフの方にお会いして色々とお伺いしたいこともあるのでしょう。」
カタヤリネンは一気に話すと、身を乗りだして裕太に「身の安全は我が名誉にかけて保証します。」とはっきりと言い切った。
「・・・。わかりました。ですが、私の一存ではお答えできません。皆と話し合って回答させていただきたい。よろしいですか?」
「ごもっともです。では、我らはご回答いただけるまで下の食堂にてお待ちいたします。宜しくお願い致します。では、後ほど。」
カタヤリネン尉官は四人の兵を連れてドアを出て階段を下りて行った。
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「確かにハイ・エルフの冒険者なんかいたら、普通ではとてもこなせない依頼もクリアできる可能性が高い。ましてユータは上級職の戦闘魔術師、大抵の討伐依頼やダンジョン攻略も成功できるから、依頼がしたい、って言うのは十分あり得るわね。」とリリアが顎をつまみながら言った。どうやら考え事をすると、顎をつまむ癖があるようだ。
「少なくとも、あの騎士達から悪意の波動は感じませんでした。」シエラが言う。「むしろ、好意的なオーラが見えました。」
「すごいじゃない!これはチャンスよ!あたしたちはユータのおまけだけど、おかげで一気にランクアップのクエストが受けられるかも!行こうよ!首都へ!」エテルはノリノリだ。
「・・・・。首都ではもしかしたら王宮の大図書館で魔導書が見せてもらえるかも。ユータが嫌でなければ、行きたいと思う。」アリアが僕の顔を伺いつつ、ビー玉みたいな目で皆に語り掛ける。
「・・・・。わかった。皆が賛成なら、この話受けよう。」
裕太は立ち上がり「それじゃあ、軍の方々を呼ぼうか。」とドアを開けて階段をゆっくりと降りて一階に向かった。
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「感謝します皆さん。これで任務がはたせる。」
カタヤリネン尉官はニッコニコだ。
「ですが、どうやって首都まで?」たしかここタラスの街からだと、馬車でも数日はかかるはず。
「ご心配なく。駐屯軍の基地の中に古代王国期の転移魔方陣があります。ここの駐屯地は古代王国期に軍の前線基地があったため色々と現存しているのです。最大で12人を移転できます。魔力をバカ食いしますので普段は使えませんが、ユータ殿はハイ・エルフ。おそらく貴殿一人で起動できると思いますよ。」
カタヤリネン尉官は笑顔で仕事を押し付けてきた。
「問題なければ、すぐにでも出発しましょう。こちらの準備はできています。」
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