第二章 2度目の転生(7)王城にて
裕太のチート能力が冒険者ギルドに知られ、色々と事が動き出す。
*********************************************
ロンバルディア王国の王都、リマダ。
「これは誠か!?」
小じんまりとした王城の一角で、軍務卿のフィーネ子爵が軍官僚から報告を受けて驚きの表情を見せた。
「はい閣下。国内の冒険者ギルドや傭兵ギルドの魔道具に連動している軍情報部の魔道具が、タラスの冒険者ギルドで新たに登録された冒険者の情報を受け取りました。」
それは信じられないものだった。ここ150年は見かけないハイ・エルフが冒険者登録し、しかもそのステータスが新人にしてA級クラス、職業が戦闘魔術師ときた。
「最初から万能上級職とは。しかもレア職。このままレベルを上げれば希少職(軍師)に育つのも、ほぼ確定だ。」
フィーネ軍務卿はあまりの幸運に、夢ではないかと頬を抓りたくなったが人目をはばかり我慢した。
「北方がきな臭くなった今のタイミングで、このような人材が我が国に現れるとは。まさに光の神々の恩寵だろう。すぐにタラスの駐屯軍に魔信を送り、この者を王都に招待せよ。いいか、あくまで招待だぞ。間違っても怒らせるような扱いをしてはならん!」
フィーネは軍官僚達にくどいほど念押しし、国王アラン4世へ報告するため宮内卿のメッテル男爵のもとに謁見の申し込みに急いだ。
*********************************************
*タラスの町
「此処まで来れば、もう大丈夫でしょう。」
あれから裕太と(四つ葉の新芽)のメンバーはしつこく言い寄る冒険者達から逃げ出し、シエラの所属するマラク神殿に駆け込んでいた。
神殿の入り口ではここまでしつこく追ってきた冒険者たちが、警護の神官戦士や持祭達に阻まれてブー垂れているのが微かに聞こえた。
「ごめんなさい。私のせいで。」
リリアが済まなそうな顔で謝っている。
「気にしないで!よくあることですよ。」
シエラが笑顔でリリアを慰める。
「ここは享楽の神でもあるマラク神殿ですよ。神官の房中術目当てに、忍び込もうとする不届き者も多いですから。神殿の皆は慣れていますよ。」
「房中術・・・・。」
裕太は何となく内容を想像し、慌てて邪念を振り払って深呼吸した。
「とりあえずもう少しここにいて、そのあと回り道をして宿に帰りましょう。」
アリアがやれやれといった顔で壁際にちょこんと座り込んだ。それを見てみんなもそれぞれに座りやすそうな場所を見つけてしばしの休憩を取るのだった。
この後(四つ葉の新芽)が定宿にしている部屋に裕太も行くわけですが、ナニが起こるのか、起こらないのか、乞うご期待!




