色取り鳥…レッドの小話4完結
そう、それから大きな獣が現れたの!爪があって牙が生えてた茶色い猛獣だった。勿論逃げた。究極のきのこを持って、来た道を戻るが、熊のスピードは私より断然足が速かった。そう、私は父に耳がタコができるほどの万が一会ったときの対策を、全て誤っていたのだ。そしてズシンズシンと地面を蹴りながら私を追い掛けてくる。飛ぼうとも思ったが、暗い夜で飛んでしまったら、怪我をするかもしれない。
私はもう採ったキノコを握り締めて、全力で走った。それでも熊は私以上のスピードで追いついてくる。私は到頭息切れして、頭が回らなくなり、木の根っこに足を引っ掛けて、転んでしまったの。私は怖くて振り向くことさえも出来なってしまったけれど、熊がもうすぐそこに迫ってきていることは、音で分かっていた。これは絶対に死ぬ!そう思った。そのときに思い浮かんた家族と楽しくご飯を食べる姿。前に言った、
(私なら大丈夫!)
といった言葉を思い出した。そうだ、父さんの言う通りだった。私はまだ小さくて弱い…。自分を強い存在なのだと、見誤っていた。全然まだ私は大丈夫なんかじゃない!夜に出掛けるんじゃなかった…。と、私は思ったわけよ。私帰れなかったら家族とご飯もう二度と食べれないし。ところがどっこい!全てを諦めようと思った時、パン!と、森中に銃声が鳴り響いた。
「グワァァァ」
熊の声と一緒に。私が振り向けば、もうその熊は銃弾に当たり、血が流れていた。私は誰かが私を助けてくれたのだろう?と、考えたが、山から下山することを優先した。家に帰ると、両親はぐっすりと眠っていた。ホッと、息つき何事もなかったかのように寝袋に入る。そうして翌日…、無事にきのこパーティは開かれたのであった。めでたしめでたし。
オマケ
パーティの後、レッドの母は料理器具をお片付けをする。道端にゴミが落ちていないか確認すると、一つの銃が落ちていた。母は糸もたやすく拾い上げた。
「アナタ!こんなところに、危ない物落とさないで!」と食べた後に、寝ている父親に強く注意する。
レッドの父親はヨロヨロと、起き上がると、
「ああ…、うん。」
短い返事を返して銃を受け取った。
「変ねぇ。アナタなら大切な物はすぐに仕舞うのに。」
と心配する。
「まぁ、そういう日もあるさ。」
そうして太陽を眺めて、今日も娘と狩りに出かけたのであった。
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