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不思議な巡り合わせ

やがて魯粛は片付けが終わったとみえて、ニコニコしながら、熱めの茶を持って来てくれた。


「今日は冷えますからな…温まりますよ♪」


秦初は至れり尽くせりの歓待に、再度礼を述べた。


そしてフゥ~フゥ~と熱さを和らげながら、器を口許に持っていく。


そして何気無く茶を飲む時と同様に(すす)った。


(゜∀。)『あれ?茶じゃない…けど此れは…』


( ゜ 3゜*)『旨い♪♪♪』


(‘∀‘ )「どうです?旨いでしょ?…」


(´∀`*)「…良かったぁ♪此れ滅茶温まりますよ…しかも身体にも良いし…気に入ったら、また作ってあげますよ♪」


魯粛はそう言うと『してやったり!』と得意気に笑った。


『おやおやぁ…』o(^-^o)(o^-^)o『…お酒のようでお酒じゃない…でも(ほの)かに甘くて美味しい…』


( ゜ェ゜)「…あ!何か口の中に残る…此れお米だよね?」


(‘∀‘ )「そうそう…米なのだ♪種明かしするとですねぇ、大量に米を仕入れたので、こいつを使って酒作ろうと思った訳です♪それでね、酒を作ると酒粕が残るんだけど、滅茶酒の発酵した良い匂いが素敵なもので、勿体ないなぁと思って、お湯足して呑んでみたら、少し何かが足りないなぁと想って、どうせなら果物みたく甘くしたら良いなぁ…何てね♪」


( 。゜Д゜。)「成る程…成る程。でどうしたんだい?」


(‘∀‘ )「甜菜(てんさい)の根っこを(しぼ)って、その汁を煮詰めるとね…甘い汁に成るんですよ♪自慢気に言ってるけど、私の発明では無く、国の研究機関に【貴】印研究所って在るでしょう?あそこの発明何ですよ!私あそこの研究の愛読者なものでして…(^-^;実験好きが功を奏したのかも(o≧▽゜)o」


(*゜ロ゜)「あぁ…そうか!お前さんそういや親衛隊に入る前は【貴】印研究所志望だったもんな…判る判る…。」


魯粛は以前、主が秦初でなければ【貴】印研究所に入って、研究者としての道を歩んで居たと告白した事があった。


(*・д・)『何しろ物好きにも地下に巨大海水桶作っちゃう強者だからな…(^-^;普通はそこまでやらんよ♪』


(´∀`*)「酒粕とお湯と甜菜の甘味成分を混ぜて、少し火を煎れるとドロッとして美味しくなるんだなぁ…♪」


これは魯粛の発明らしい(^o^;)…でも確かに旨い。


(^q^)「仄かな優しい甘味がいいよな…気に入った♪是非また作ってくれたら嬉しいな…何なら少し分けて貰いたいくらいさ♪」


秦初は手放しで魯粛を褒めた。


(*´▽`)「そんなに気に入って下さるとは…嬉しいなぁ♪(‘∀‘ )でもまだ生憎(あいにく)と保存が難しくて…今後の課題ですかね?」


(o^ O^)シ彡☆「そうか…そいつは惜しいな。是非とも引き続き頑張ってくれ♪」


秦初は魯粛の向上心に敬意を評した。


少々本来の職務と隔たりがある様な気もするが…(^-^;…


『(^o^;)まぁ何かに役立つかも知れないしな…』


秦初はそう想うのだった。


彼のその柔軟な発想は、元来の太子とは一線を画すかも知れない。


そしてこれが甘酒の起源なのかは誰にも判らない…敢えてそう記しておく事にする…

(o^ O^)シ彡☆


それにしても、豪勢な料理で腹が満たされた事もさる事ながら、酒粕を温めて飲むと、こんなにも身体が暖かくなるとは思ってもみなかったので、あらゆる意味で精気が戻って来て、英気を養う機会となったのである。


秦初は魯粛の顔を横目で眺めながら、改めて感謝するのだった。


こうして二人は甘酒(?)を呑みながら、しばらくは旧交を温めた。


魯粛はけっこう行動的な奴で、米の品種改良をして、ゆくゆくは秦などの寒冷地でも栽培可能な品種を作りたいらしい。


そう言った意味では、秦はまだまだ農地が少なく、荒地を開拓する余地もあり、大きな可能性を秘めていると言えた。


魯粛は北の荒野を暇を見つけては開拓し始めており、そこに水路を引いて来て、小規模な実験田園を作って、品種改良を行う計画を打ち明けてくれた。


「面白い試みだな…やってみよ!」


秦初はそう言って魯粛を励ました。


但し、懸念も同時にあったので、釘を刺す事も忘れなかった。


「ただ此方は他国の領域だという事も忘れぬ様にな…この国は今、改革を行おうとしている。恐らく、農地改革こそがその中心となる筈だ。その時に開拓地をそのまま開け渡す必要が必ず出て来る。それを常に念頭に置きながら、進める事だ。未練が残ったり、余計な物を見せぬよう注意せよ。良いな!」


秦初もやる気になっている者の向上心を削ぐ様な事は極力したくは無い。


しかしながら、ここがまだ未開の地だとしても、他国の領域である事に違いは無く、勝手が許される訳でも無かった。


此れが自国の領域での事ならば、秦初も大手を振って歓迎した事だろう。


そう言った難しい判断も求められたのである。


魯粛も十分その事は念頭にあるようで、


「世話になった国への恩返しだと想えば良いから、いつでも放棄出来る、私の仕事は太子様を御守りする事ですからね…」


と愉しそうに笑った。


(いわ)く、「あくまでも実験ですから!」という事らしい。


ちょうど改革の話しに及んだので、秦初も当初の目的に立ち戻る事にして、魯粛なら判るかな…と、『衛鞅』という男が、どこに泊まっているのか尋ねてみる事にした。


「ところで、今度改革を(にな)う"衛鞅"という御尽に会う予定にしているのだが、お主この名前に心当たりはないか?」


秦初もまさかそこまでは判らぬだろうとは思っている。


秦国内でもまだ大々的に…と言うよりは正式に発表されていない事であるから、秦の中枢でも知らない者も居よう。


あくまでも念のためであった。


ところが魯粛は、『そんな事ならばお安い御用』と言わんばかりにサラリと答えてくれたのである。


「ああ…それならば直ぐに答えられますよ!若君、私が今朝早くに市場で魚を分けてやった知人の話しをしたでしょう。彼のところはつい最近まで、人材募集のための宿泊施設になっていましてね、もう普通の宿屋に戻っていますが、その男だけはまだ泊まっているそうですよ。何でも任官が決まっているための特例措置だそうで、今朝もその男に精をつけてやらなきゃと、(くだん)の知人がそう言ってましたよ!」


此れは想わぬところで、収穫があったと、秦初も喜んだ。


まさか、一歩も深す手間に掛ける事無く、居場所を突き止めた訳だから、かなり幸運と言えるのではあるまいか。


「それは助かる、探すのに苦労するだろうと思っていたのでな!聞いてみて良かった。それでその宿というのは、どこにあるのかね?」


すると、


『この先を真っすぐ行ったところに坂道がある。その坂を登っていった行き止まりに高台があり、そこに一軒の宿があるので、訪ねてみると良い。』


と教えてくれた。


秦初は腹も一杯になったし、それ程近くならば歩いて行ってみようと心に決めた。


そこで魯粛にはこう頼む事にした。


「食後の運動がてら、これから訪問してみようと思う。悪いが歩いて行って来るので、戻るまで、管仲を預かってくれないか?」


魯粛は「そんな事ならお安い御用です!お気兼ね無くいってらっしゃいませ…」そう言って胸を叩いた。


第47話に続く

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