表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/16

除名

「三人で相談したんだ。三人で」

そう パーティリーダーであり、勇者でもあるユリウスは語りだした。


「ガイ。君の実力では、これからの戦いは無理だ。

 パーティを抜けてくれないか?」


ああ、とうとうこの時が来たか。

そう思いながら、少し天を仰いだ。


--------------------------------------------


ここは、人族の住む土地<エルランド>と魔族の住む土地<エルドラド>が表裏一体となっている世界。


背中合わせに張り付く二つの土地を行き来する扉が、東西南北の小門と中央の大門の5か所ある。

古より人族も魔族も相手の土地を得ようと、この扉を通り攻めて来ていた。

その侵攻の旗印となるのが<<勇者>>と<<魔王>>だった。

<<勇者>>が攻めれば<<魔王>>が護り

<<魔王>>が攻めれば<<勇者>>が護り

常に<<勇者>>と<<魔王>>は、同時に誕生するのだった。

3年前、突如魔王が誕生し、その配下である四天王が攻めてきた。

小門の4か所と奪われ、多大なる被害を齎しつつも、大門は人族側の防衛に成功した。

とれと同時期に、俺の幼馴染『ユリウス・リリー・フレアウォール』は勇者となった。


敵は、大軍で攻めて来ていた。

拠点も完成されていた。


単独の勢力では無勢だと判断した勇者と我が国の国王は、

各国に呼びかけを勇者に委託。


3年の月日を掛け、ようやく人類統合軍を結成するまでに至ったのだった。


そして、いざ四天王討伐!という状況で・・・・・・


--------------------------------------------


前を見る。

パーティーリーダー。

『ユリウス・リリー・フレアウォール』

中性な顔立ちの美形。体つきは若干ほっそりしつつも硬く、

歴戦を勝ち抜いた勇者足らんとしていた。

北の小門を護る今は亡きフレアウォール王国の忘れ形見らしい。

如何せん、本当美形なので謁見する国々で王女様に見染られてた記憶がある。


左を見る。

魔法使いから賢者となった賢人。

『ミリア・シルフフォーン』

シルフフォーン王国の第一王女様だ。

因みに、俺の出身国がこのシルフフォーン王国になる。

元々魔力が高く、魔術も得意だったお姫様が、勇者と共に旅立つ事になった。

流石王族というべきか、成長も早く、今では魔力が尽きた所を見たことがないくらいである。


右を見る。

聖女と呼ばれ、今では織天使織天使(セラフ)にまで至った教会きっての才女。

『アンジェラ・アクアギア』

大教会があるアクアギア王国の第二王女。

彼女の治癒力や神の力は、旅に無くては為らない力だった。

神託を受けたとかで丁度シルフフォーン王国に来ていたらしく

勇者と一緒に旅を開始した。


そして、俺。

壁役であり、アタッカーであった戦士。

『ガイ』

シルフフォーン王国の孤児院出身で、ユリウスの幼馴染。

ユリウスが近くの豪邸に住んでて、時折抜け出して来たあいつと遊んでた、悪友だった。

勇者として目覚めたときに、「一緒に旅をしてほしい」と言われて二つ返事でついていったのだ。


正直、3名とも王族のためかスキルもパラメータも旅の中でガンガン成長していった。

逆に俺は、正直それなり。

普通の冒険者と比べるなら、優秀な方なのかもしれない。

でも、この3名ととなると・・・。


捨てられて当然か。

それが本音だった・・・・・・


「で、代わりはもう決めたのか?」


「ああ。彼女だ」

くいっと顎で指す。


その先に居たのは、双剣を携えた美少女だった。


「『シルヴィ・アイスウォール』です。

 お久しぶりです。ガイ様」


確か、アイスウォール王国の第二王女。

剣姫とか剣の舞姫とか呼ばれていた傑物だったはず。

アイスウォール王国に助力を求めた時に試練と言う名の手合わせがあって

そこで一対一で戦うことがあった。

一撃の重さ、そしてその俊敏さは圧倒的だった。

勝てた理由は、自前の縦7尺、横3尺2寸の楯だった。

「あんな巨大な楯を縦横無尽に振り回すなんて卑怯です!」

ってプリプリされたっけか。

楯の幅を使って移動を制限しつつ最後は圧死して勝利を修めたんだった。

あれから1年半。どれほど高みへ辿り着いているんだろう・・・。


「お久しぶりです。貴女ならユリの助けになるでしょう。

 宜しくお願いします。」

深々を頭を下げて、後を頼む。


「え・・えっと、頭をお上げください。」

そう言われて頭を上げてみたら、わたわたしたシルヴィがいた。


「ガイ」

「ん?」

挨拶が終わったのを待ってたのか、ユリウスがやりとりの後声をかけてきた。


「シルヴィの参戦で火力はあがる。

 けど、防御面は下がるんだ。

 申し訳ないけど、彼女に挑発(タウント)を教えて上げられないだろか?」

「いいけど、彼女は俺と違って耐えて護るのは無理だ。

 避けて戦う方だからね。

 だからこそ君も覚えるんだ。挑発(タウント)を。」


 






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ