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堕鬼  作者: タカナ
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ー怪異に選ばれない者ー

「空が青いなあ」


この世の大学生は2パターンに分かれている。麻雀に目覚めるか、否か。


22歳を迎えた俺は、毎日12時間雀荘で働き、毎日4時間麻雀の勉強をし、余った8時間の時間は人間としての生活をする為に充てていた。


そんな生活をしていたら、麻雀の熱がプツンと切れ、高校から付き合っていた彼女とも別れ、大学は中退することになり、平日の昼間から空を見ては青いと呟くクソニートになってしまった。


「青すぎるぜ、ちくしょう」


働けば鬱病なのか、勤務中には急な腹痛や嘔吐をし、まともに働ける状態ではない。

家には母親がいるので窮屈になり、金はないから河川敷で無駄な時間を過ごすしかない。


―――先が見えない


未来が恐い。考えたくもない。一歩が踏み出せない。

一人の時間が、俺こと、「鬼頭 一 オニガシラ ハジメ」を苦しめていた。



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