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ああ主よ導きたまえ、戦う女達を
悲しみも
憎しみも
過ぎれば涙もでない
スヴェトラーナ
笑わないのね
あなたは
“もう笑うしかないのに“
猫がね
いたのよ
路肩にちょこんと
ひたすらレールの上を
走り続ける機関車の中で
戯れる猫と子供
機関銃の音が聞こえる
終わったのに
いつまでも
終われないの
飛び起きる夜
抱き締める母
悪夢の断片
“もう女じゃないわ“
削れてしまった心は
二度と戻ってこないのよ
萎れた手が
歯抜けの日記をめくる
闇の中に
祈りだけがあった
「戦争は女の顔をしていない」