VS ケイオスラビット・・・と思うじゃん?
鐚:ハゼル、終わったか?だったらさっさと来い
ひと段落したと思ったらチャットで呼び出しである。人気者はつらいね。
でも僕そっちには関わらなくていいって話じゃなかったっけ。
ハゼル:どったの鐚ちゃん、なんかアクシデント発生?
鐚:いや、これは、どうなんだろうな・・・ただ想定外だ。秒で来い。
・・・機械兵が居る。+3じゃないほうだぞ。
ハゼル:・・・おう。すぐ行くよ。
僕のアイテムストレージから忽然と消えた機械兵(小)×3。そんなとこに移動してたとは。
僕がそれを聞いてすぐ向かう決断をした理由?僕は別に彼らの心配をしているわけじゃない。
ただ、彼らが何をやらかすか、とても『期待』している。
なぜなら彼らと僕は・・・よく似た感性を持っている気がするのだ。
あと、ちょっと用事もあるしね。
「呼び出しきちゃった。ばいばい、カテリーナちゃん!」
「あ、あの、はい!お疲れ様でした!」
今の一言でもう少し頑張れそうな気がしてきた。下駄を履き替えてその場を後にする。
比喩でなく秒で街の正門前に着いた。
ケイオスラビット Lv.30
種族 ??? 『error』
HP 5790/5790
■称号
【世界の歪み】
■種族固有
【終焉の空】 味方に自動回復効果 敵に弱ダメージ
【融ける肌触り】 体及びその一部に触れた者にダメージ
■耐性
【状態異常無効】
スライムコピペかよ・・・。予想はしてたけどガッカリだよ!
ここで僕が踵を返さなかったのはウサ公の前に棒立ちしてる機械兵が居たからである。
それにしても不思議なのはギャラリーを決め込んでいるプレイヤー達なんだが。なんでだれも攻撃しないんだ?・・・ちょうどヴィル君が近くに居たので聞いてみよう。
「おっすヴィル君!スライムは無事(主にカテリーナちゃんが)倒したぞ!」
「・・・思ったより早かったな。もう(主にカテリーナが)倒したのか。」
「そうだぞ、ちなみにスライムとウサ公のステータスはコピ・・・ほぼ同じだ。
キミらの移動速度なら楽勝で倒せるぞ、早く終わらせたまえ。僕もう帰りたい」
「勝手に帰れよ・・・話はそう簡単じゃない。機械兵がいる」
「案外みんなでかかれば倒せるんじゃない?一回くらい殴ってみればいいのに」
「・・・お前あいつと仲良いんじゃないのか?その発言はどうなんだ。
・・・もう一通りのプレイヤーがあの2体に攻撃したんだよ」
「え、でも今2体ともHP満タンじゃ・・・そういや機械兵は回復スキル持ってたっけか。
ウサ公も雨で回復したのか」
「あいつらの体力を少し削ったとき皆気づいたんだ。
黒い雨で『2体とも』回復したことに。
そしてあいつらは攻撃されたにもかかわらず『互い』にしか敵意を向けなかった」
・・・
・・・ああ!なるほどねー。
「つまりキミ達はあの2体が『仲間割れ』での潰しあいを期待しているわけだな!」
「相変わらずの察しの良さだな。1体になってから攻撃を仕掛けるのが効率的だろう?皆その時までは傍観者に徹しているだろうな」
「ふーん。ところでヴィル君、ウサギと機械兵っていうこのシーン、なんか見覚えない?」
「・・・俺は機械兵がウサギを大量に殺していた理由は今この時のためだと考えている。
一定量の同一モンスターを殺すと入手できるパッシブスキル、お前は知ってるだろう?」
「称号『ジェノサイダー』シリーズのことだね。状態異常無効の敵すら『恐怖状態』に出来る。僕も『二つ』持ってるよ。」
必要な情報を聞き終えた僕は機械兵の方へ歩き出す。
「二つってお前・・・・・・、二つ?ちょっと待て、お前何する気だ?」
「『ビニール傘の素材』が『二つ』欲しくて。いつのまにか称号もらっちゃったのさ。
はたして『ジェノサイダー』が『パニッシャー』にどれだけ助力できるかな?」