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Toybox Online meta-β  作者: しんがりコーン
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挿入歌

おもちゃの チャチャチャ

おもちゃの チャチャチャ

チャチャチャ

おもちゃの チャチャチャ


そらにきらきら おほしさま

みんなスヤスヤ ねむるころ

おもちゃは はこを とびだして

おどる おもちゃの チャチャチャ




銃弾と怒号、肉片、鉄片が飛び交う。

それらを白々と太陽が照らしつけ、やがて砂塵に塗れて、意味をなくしていった。

地表からの熱が二人の姿をゆらめかせる。

一人がもう一人を背負い、一心に自陣を目指して歩いていた。

「・・・なあ、僕は捨て置いてくれ。もうきっと使い物にならないよ。足の感覚が無いんだ」

「私は衛生兵としての任務を遂行しているだけです。私の独断で貴方を見捨てる事はできません。」

このような押し問答は先ほどから繰り替えされ、その後は負傷兵の謝罪の声のみがあたりに虚しく響いた。

「すまない。君を巻き込んで、本当にすま」

破裂音と共に、一筋の熱線が彼らを貫いた。たまらず、ふたり折り重なるように地面に倒れ伏す。

暫しのあと、衛生兵は負傷兵の下から這い出す。

背負われていた兵は、もう手の施しようがなかった。

衛生兵は立ち上がろうとして、ふと

自分の胸に熱い液体がじわりと広がっていることに気がついた。

負傷兵のものを浴びてしまったと思い、拭う動作をしかけたが、

よく見れば自分の胸に穴が開いていた。

立ち上がるのを取り止め、地面にごろりと体を投げ出す。

目は閉じず、ただ遠くを見つめた。


ここで終わっても、全てが終わるわけではないと知っていた。

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