2022年12月分
№2431~2466
【playback twnvday】
※各月の「ついのべの日」に書いたものへのアンサーを意識しています。
1月 お題「寅(虎)」
2431.
#twnvday 我が友は自尊心ゆえに虎となった。だが反省せず、むしろそれをダシにコンパで楽しんでいた。疎遠になった後、人に戻ったと聞いた。ある日、我が友から『すれ違ったんだから声ぐらいかけろ(笑)』とLINE。もう虎じゃないから気付かなかった。そう返したら、如何に自尊心を傷つけることだろう。
2月 お題「雪」
2432.
#twnvday ぼちぼちイルミネーションが点灯する時期になってきた。まだ雪は積もっていないが充分寒いので、足湯に浸かりながら街並を眺める。待ちぼうけ対策に、次のバレンタインは足湯に呼び出してチョコを渡すのはどうだろう。いや、ぬるま湯にいないで、寒さで身が引き締まる公園でかな。やっぱり。
3月 お題「種蒔き」
2433.
#twnvday 花を育てても渡すあてがないので、欲しいという知り合いにはあげることにした。その伝手から、興味があるという女性が訪ねてきた。慈しむように花を検分する様子にドギマギする私に、彼女は「負けられないわ…本職の花屋として!」と言い放った。求道者なライバルは求めてないんだよなあ…。
4月 お題「青」
2434.
#twnvday せっかくだからとことん青くなってやろうと、年甲斐もなくサムライブルーを全力で応援することにした。すると、世界には以外と青い人が多いのだとわかる。日本が勝ったらとめちゃくちゃな公約して、すっかり青ざめてしまった人とか。一方で私は、夜更かしの代償に青ざめている。遅刻確定な。
5月 お題「黄」
2435.
#twnvday 普段は黄色い歓声を上げる民衆だが、巨大ヒーローの恋人募集に手を上げる者はいなかった。素性がまるでわからない相手なのだと、ここにきてようやく考え始めたのだ。いっそ正体を公表した方が相手が見つかるのではないか。体を共有する相棒の言葉に、宿主は『そうとは限らない』と鏡を見た。
6月 お題「満月」
2436.
#twnvday あの作り物のような月を見ろ。円すぎて、明るすぎて、あれの下で言ったことはすべて嘘になりそうだろ。皆、口を揃えて「最後の満月」だなんて言ったものだから、毎日顔を出す満月に誰も見向きしなくなっちまった。それでいい。訝しむべきじゃない。実は世界がもう滅んだなんて、嘘なのさ…。
7月 お題「鍛錬」
2437.
#twnvday 日本代表に抜擢されたときは夢のようでした。この夏はクーラーの効いた部屋でずっと酒を飲んでいただけなのに、それこそが新競技の理想的な鍛錬になっていたなんて。我慢比べ・屋外種目・炬燵宴会部門では誰にも負けません。ただ当分、酒は控えようと思います。また夢になるといけねえや…。
8月 お題「百」
2438.『流れ変わったな』
#twnvday オリジナリティを捨て、流れに乗った怪談を話してしまった。解散後、自己嫌悪に陥っていると「よかった」と声をかけられる。「あんたが流れに乗るかがカギだった。これでやっと、永遠に繰り返す百物語から抜け出せる。早まらなくてよかった」早まっていたら、俺は何をされていたのか。怖い。
9月 お題「ホームラン」
2439.
#twnvday 野球にPK戦はない。延長戦が続くだけだ。結婚式後の二次会の席で、サヨナラホームランをまだ夢見ている。もう気づいている。勝ち目はない。彼女の父親の涙でゲームが流れてはくれまいかと祈るだけ。だから記念代打はしない。ベンチウォーマーのまま待っているよ。だって、幼馴染なんだから。
10月 お題「鍵」
2440.
#twnvday「理解らないなぁ…」わからないと素直に言う。それが円満の秘訣かと思ったのに、実際に言ってみると、わからせたい人たちが集まってきてレスバが起こった挙句、最後は皆鍵をかけてしまう。理解らない。「わかってきたじゃん」と言ってくれるのは、出て行った嫁の鍵垢だけだ。相互フォロー中。
11月 お題「Twitter」
2441.
#twnvday 成長したツイッ太郎は、共に鬼ヶ島に行く仲間を募りました。きびだんごの映え写真を撮ったり、裏垢女子のふりで出会い厨を釣ったりしました。何とか本気に見える頭数を揃え、いよいよ軍資金のクラファン。これを掠め取って全部終わりだ。ツイッ太郎は立派にツイッターを使いこなしています。
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【twnvday2022/12/14 お題「一対一」】
2442.
#twnvday 仕事を終えて、食事を済まし、家事をこなし、ラジオをBGMに執筆にとりかかる。すっかり板についたルーティン。夜も更け、ラジオを消し、無音になった部屋で、目を閉じ、自分と一対一になって「何か書きたいことあるか?」と訊いてみる。答えがないので灯りを消す。今日も書くことがなかった。
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2443.『ドーハの歓喜』
#twnovel 出勤してすぐは何ともなかったんですが、体調不良の連絡を次々と受けるうちに息が苦しくなっていって。何かあったに違いない、みんな具合が悪いなら自分もそうだという思い込みで倒れたんだと思います。休んだ人、サッカー観てただけなんですか?ああ、それじゃあ…日本、負けたんですね…。
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2444.『おでん鍋から取り忘れていただし袋を見つけたときの話』
#twnovel 牢名主だ。お玉で掬い上げた、だし袋を見てそう思った。鍋は牢、具は囚人。牢名主が長く居座っていてくれたおかげで、その教え…味が深く染み込んだおでんになってありがたい。と、ひたすら謝る店員さんに伝えたかった。口をついて出た言葉が「牢名主」でそれは難解になった。詩人やめたい。
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2445.『トキソプラズマ』
#twnovel リーダー的行為は寄生虫がさせているのだと、いいことを知った。これからは理不尽に叱責されても「虫がさせているのだから」と思うことでやり過ごそう。でも、だんだん「虫のくせに」「俺にだって虫がいれば」と思うようになった。だから手っ取り早く手に入れるため、上司の腹を割いたのだ。
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2446.『ほったらかし』
#twnovel 完全セルフのキャンプ場はお薦めしないよ。有名になって、地元民以外の、好き勝手に汚していく客が増えたから。俺は好きでそこの管理してるんだがね。いやさ、マナー悪い客の中に家族連れもいるのよ。家庭を築くまでに、このキャンプ場のようにヤリ逃げしてきたんだなと思うと、興奮するね。
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2447.『いるだけの人といてほしいだけの人』
#twnovel 配送業がパンク寸前で指定時間どおりに届かないらしい。ビジネスチャンスと思い、人材派遣『いるだけの人』を立ち上げ。荷物のためだけの留守番。でも鍵をかけるのが面倒な人は多いようで、ただの留守番もよく頼まれるようになった。冷蔵庫を空にする山賊行為でクレームが来たのもこの頃だ。
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2448.『猫はゲロを吐く』
#twnovel SNSには育児疲れとか介護疲れとかの愚痴をよく見るが、猫の世話についてはあまりないのは何故だろう。すごく手がかかるのに。猫はかわいいからか。鼻で笑う。猫のゲロを掃除したあと、飼い主にどんなゲロだったか報告しようとして、めんどくせえと嫌になり「あーこういうことか」と悟るなど。
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《ショートコント飯店》
2449.『お役御免定食』
#twnovel「大将、この『お役御免定食』って何」「豪勢だぞ。まず、メインはたこめし」「はあ」「サイドメニューにたこやき、サラダとしてタコのカルパッチョ」「うん」「酒の肴にたこわさと酢だこもあるぞ」「W杯の予想してたタコってオチかな。にしても多すぎるだろ」「どこの魚屋もやってたからな」
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【「好きって言ったら怒る?」という台詞で始まり「銀色の指輪が朝日を反射して眩しかった」で終わるお話】
2450.
#twnovel「好きって言ったら怒る?」息も絶え絶えになりながら未練を吐露した。殴られすぎて、口の中には血の味が拡がる。その言葉すら、命乞いとしてしか届かないのかもしれないな。夜通し行われた決闘裁判は、妻の勝利でケリが着いた。彼女が拳を天に掲げる。銀色の指輪が朝日を反射して眩しかった。
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2451.『あの酒』
#twnovel このバーに通うのは、結局のところ僕はミーハーで、小説や映画で見知った、あの酒がメニューにあるからだ。毎回注文しているが、別れを惜しむ飲み友達がいないのでその台詞は口にしなかった。今日までは。「ギムレットには早すぎるよ、マスター」店を閉めると噂の男は、照れ臭そうに笑った。
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2452.
#twnovel 配膳ロボットが何かグイグイ来る。こっちが椅子の位置取り間違ったのかと思うほど近寄ってくるし、俺の足にボディをこすりつけるようにゆっくり一回転する。センサー壊れてんのか。料理と伝票を受け取ると、伝票の裏に連絡先が印字してあった。クリスマス前だからって浮き足立ちやがって…。
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【「こんなところで、どうしたの」という台詞で始まり「さあ、どうだったかな」という台詞で終わるお話】
2453.
#twnovel「こんなところで、どうしたの」こんなところとは何だ俺ンちだぞ。お前ンちでもあったわけだが。そしてどうしたのはこっちの台詞だ。社宅の合鍵を出て行った後も持ってるんじゃねえ。忘れ物を取りに来るんじゃねえ。それでお前、何で急に辞めた。宝くじ?ねえ宝くじ?「さあ、どうだったかな」
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《ショートコント飯店》
2454.『ホワイトすぎる定食』
#twnovel「大将、この『ホワイトすぎる定食』って何。いや、答えなくていい。どうせ白飯オンリーだろ」「だからかな」「え?」「若者はこの定食を残して去っていく」「注文あるんかい」「ゆるいと感じるとも言う」「お粥になってんじゃねえのか」「そういう輩は怒鳴りつけてやってる」「元ネタと違う」
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【#このマイナー妖怪を現代怪談で復活させてやってください お題『火消婆』】
2455.
#呟怖
「ワタシは火消婆ここしばらくの間お主に取り憑きずっと息を吹きかけていたがお主の情熱の炎を消すことは終ぞ叶わず降参しにお目見えしたもののたかがサッカーの試合を観るためにそこまで燃えられるのに何故仕事に活かさないのだ励めよ」一息で発せられたその言葉は私の情熱を見事に消し去った。
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【「知らない場所のはずなのに、どこか懐かしい気がして立ち止まる」で始まり「答えはイエスしか思い浮かばなかった」で終わるお話】
2456.『セカイのヒミツの保ち方』
#twnovel 知らない場所のはずなのに、どこか懐かしい気がして立ち止まる。「おっと危ない」と同行者がライターを点ける。火の揺らぎを見せられると、思考する力が奪われていく。「君はここで化物に遭遇なんかしてないし、化物と戦う少女も見ていない。いいね?」答えはイエスしか思い浮かばなかった。
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【あったらノベルズ 後日六日著:『終食活動』】
2457.『終食活動』
#呟怖
木の実、草。今日食べたものが淡々と綴られている。石室で見つかったこの日記は、即身仏の手記とされている。きれいな木乃伊になるため、この食生活を年単位で続けたのだ。最後の頁は破られている。震える手で、石室の隅に隠されていた古紙と照合する。『おにぎりたべたい』と書かれた切れ端と。
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2458.『出不精値引』
#twnovel 見積書の『出不精値引』は出精値引の間違いですか。「いや、合ってます。出張を無しにして経費を値引いてます」なるほど。でも仕事にならないんじゃ。「コロナ禍で鍛えたリモートワーク技術があります。ただ…」ただ?「我々は口を出すだけで実務は御社に」値引かなくていいから出て来いや。
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2459.
#twnovel 男はかつて『猫のサブスク』に加入した。そして猫に噛まれた保険金払えとサービスの穴を指摘し騒いで大金を手にした。すべては金を奪い組織を潰すための芝居だったのだが。その一件での最大の功労者に、男は頭を垂れる。「お勤めご苦労様です」保健所を出所した猫は大儀そうに鼻を鳴らした。
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【「好きって言ったら怒る?」という台詞で始まり「花瓶にバラが一輪だけ差してあった」で終わるお話】
2460.『You L(R)ose.』
#twnovel「好きって言ったら怒る?」君がキレ気味にそう言ったのは「バラの花束の本数に意味があるなんてどう考えてもたくさん売ろうっていう商業主義の陰謀じゃん」と僕が馬鹿にしたからなのか。謝罪のため用意した花束で叩かれまくり倒れる僕。そっと横に置かれた花瓶にバラが一輪だけ差してあった。
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【ついのべ三題ったー『涙腺』『ご飯』『マナーモード』】
2461.『涙腺崩壊』
#twnovel 今日も「早く帰る」という約束を破ってしまった。仕事中に何度も電話があったが、会議につきマナーモードにしていたため気付かず。おつかいすらろくに果たせず、それでも帰ると用意されているご飯に涙腺が緩む。ありがたくいただく。ご飯の中に大量のワサビが仕込まれている。涙腺崩壊した。
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【お題『理性が効かない』】
2462.『本能たれ』
#twnovel 理性をブレーキとするなら、アクセルは本能か。その夜、俺は止まらなくなり、戻れないほどアクセルを踏んでしまった。それもすべて、帰巣本能のなせるわざ。まだ仕事が納まってないと叫ぶ理性を無視して俺はゲットワイルド退勤した。今年は職場に戻ることなく、引き絵で新年迎えさせてくれ。
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《今日の献立報告》
2463.『カーボロネロ(再)』
#twnovel「今日は作ってくれるんですか?」ん、と頷く。そのために食材も買ってきた。年を越す前に伝えておきたいことがある。でも伝え方がわからなくて、資格が欲しくて、自分も作ってみることにしたのだ。炒め料理を皿に盛りつけて、告げる。「カーボロネロってカボチャじゃなくてキャベツらしいよ」
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【#このマイナー妖怪を現代怪談で復活させてやってください お題『なまはげ』】
2464.『なまなましく、はげしく、おせっかいな話』
#呟怖
悪い子はなまはげに連れて行かれる。そう聞かされていたから、真面目に勉強して、どんな悪魔の囁きも断ってきたのに、どうして連れて行かれなきゃならないんだ。なまはげに放り込まれたのは、僕をいつも誘惑する幼馴染の家。「お前はその娘の気持ちに気付かぬ悪い子だ。何とかなるまで帰さんぞ」
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2465.『タクシードライバーの怖い話』
#呟怖
長くタクシー回してますけど、幽霊を乗せたことはないし、お客さんもいい人ばっかりですよ。ぐっすり寝ていても着いたらちゃんと起きて降りてくれますしね。それが実は遭難者で、既にご遺体だったって話はありましたが。タクシーは基本、人しか運んじゃいけないから気を遣ってくれたんですかね。
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《ショートコント飯店》
2466.『納め定食』
#twnovel「大将、この『納め定食』って何」「年納め用のスペシャルメニュー」「へえ、豪華そう。じゃ頼みます」「そうか。このオーダーを受けると、俺は強制的に仕事納めとなる。お会計はこちらです」「…何だこの額!ぼったくりじゃん!」「お前のツケの合計額だ。年貢の納め時だぞ」「サーセンした」




