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2022年4月分

№2241~2253

2241.『Re:新生活』


#twnovel 起き出しても、誰も起きている気配がない。生活が変わったと言うか、元に戻っても、眠れないのは変わらない。巻き添えで起こすのも悪いので家の外に出る。日の出前はまだ肌寒いが、降るのはもう雪じゃない。久々にこの街を散歩しようか。大股で踏み出す一歩は、勢い余った #春雨のスキップ。


 *


2242.『夢の話』


「あなたが新しい車を買っている夢を見た」と言われ #twnovel のネタになるかなと思ってたら、その日、本当に車の夢を見た。聞いた話に引っ張られることってあるんだな。ところで辻褄とオチを求めるのは僕の悪い癖で、乗ってるのが新しい車じゃなかったからって夢の中で事故った。飛び起きて足攣った。


 *


2243.『口出し』


#twnovel 助手席だとつい運転に口を出す。長年運転してきて、車を自分の一部だと錯覚するからだ。思い通りに動かないと苛立ってしまう。衰えた今の自分の身体のように。お前のこともだ。勝手に出て行って、助けは要らんと言うのに戻ってきやがって。私の口出しに、息子は苦笑しながらハンドルを握る。


 *


2244.『ひねくれレシピ』


#twnovel 最近あった悲しい話ですか。あの、ひとり鍋を始めたんですよ。それで鍋の素を買ったら、パッケージにレシピが書いてあって。でも、炒めろとかうどんにしろとか、鍋じゃないんですよ。もっと鍋の素として自信を持って欲しいし、鍋を作りたい俺を信じて欲しい。そう思うと、なんか、悲しくて。


 *


2245.『何もしてない日』


#twnovel 夜明け前に目が冴えて布団で本を読みながら朝陽を待っていたこと、いい天気だから映画『樹の海』をDVDで観たこと、近所の殺風景な山に行ってみたこと、獣道から引き返して自販機でメロンクリームソーダを飲んだこと。それらが「今日は何もなかった」の一言に溶けていることを私しか知らない。


 *


2246.『消化不良』


#twnovel『水温が低いので鯉に餌を与えないでください』この立て札の意味が、長らく理解できなかった。今は「餌を食べられなくなるから」だと知っている。消化機能が弱ってしまうのだ。人間も同じで、胸やけする重いイベントは寒いうちに起きる。鯉と違って、私の消化不良は五月病に移行しそうである。


 *


【twnvday2022/4/14 お題「青」】


2247.『青写真』


#twnvday インフィニティプール。空と水面の境目がなくなる、所謂「映え」る光景だ。カメラを構えると「撮りますよ」と声がかかる。いやあ、私なんかが入ったら台無しですよ。「そんなことはない。この景色をわざわざ撮りに来た若さは、美しい」かくして天・地・人、三つの青さが集う写真は撮られた。


 *


2248.『気が狂いそうな』


#twnovel 満開の桜の下を通ると気が狂うんだったか。散歩中、そんなことをふと思い帽子を脱ぐ。見上げると、確かに気をとられる光景ではあるが、夜桜ほどの妖しさはない。穏やかな一時に口許が緩む。すぐ鼻先を、すごい速さで何かが飛んでいった。ツバメだ。旋回してくる。気が狂いそうなほど叫んだ。


 *


《ショートコント飯店》


2249.『しゃぶ漬け』


#twnovel「大将、この『しゃぶ漬け』って何」「お茶漬け的なやつ。白飯にこう、しゃぶしゃぶをかけてだな」「炎上に乗っかって商売するのやめなよ」「そうだな。賄いだけにしとくわ」「…ところで美味いね、これ。賄いだけにしないで、まともな名前に変えたらメニューにできるんじゃ…」「漬かったな」


 *


2250.『河川敷の一本桜』


#twnovel 通勤経路の河川敷には立派な桜の木がある。夜にライトアップもされておらず、人混みや煌びやかな場が苦手な自分にはこういう夜桜がちょうどいいのだと、残業帰りにワンカップ片手で訪れる。先客がいた。カップルだった。何かおっぱじめそうだったので酒を一気に飲み干して踵を返した。病む。


 *


2251.『ドネルケバブ』


#twnovel トルコ人留学生の友人は堂々と酒を飲む。イスラム教は禁酒では。その疑問にはドネルケバブを振る舞って答えてくれた。こんな酒のツマミが国民食ならそりゃ無理だわ。国教でも国民にその自覚は無いというが、それでも豚肉はタブーなのだと思った。でないとハムの原木をケバブに偽装はしない。


 *


2252.『大人の習慣』


#twnovel 本は喫茶店で読む。昼までかけて読み上げ、軽食をとる。ここの焼きそばは定食のトンカツ用の肉を使っているので食いでがある。眠くなってしまい、三杯目の珈琲を。この習慣を背伸びして始めた頃は、一時間あれば読めたし、満腹にはならず、珈琲も一杯が限度だった。大人になったのだろうか。


 *


2253.


#twnovel 季節外れと言っていい四月末の雪は、足を行楽から遠ざける理由としては十分だった。タイヤも替えちゃったし、録画も溜まってるし、漫画の無料公開もあるし。家でそれぞれ好きに過ごす理由を視線も合わせずに確かめ合う。コロナ禍では模範的だったこの家族が崩壊する日は近いのかもしれない。

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