2021年7月分
№2095~2109
2095.『ふたつで充分ですよ』
#twnovel 今まで反ワクチンだった知人が「打つことにした」と言ってきた。「副反応が怖かったんだけど考え直してみたんだ。ほとんどがデマみたいだし。逆に、いつものガチャみたく気楽にトライしようってね」喩えはアレだが、いいんじゃないかな。「じゃ、無料十連接種してくる」そんなにはできない。
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【ついのべ三題ったー『約束』『包丁』『原稿』】
2096.『しゃいにんぐ』
#twnovel「先生ー。来ましたよー。約束の時間ですー。原稿は当然できてますよねー。約束ですもんねー。鍵かかってんのかなー。居留守したってダメですよー」私は声を押し殺してドアを蹴破ろうとする音に耐えていたが、ドアを切り裂いた包丁についに悲鳴を上げた。覗き込んで来た担当編集は笑顔だった。
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2097.『会えそうで』
#twnovel なんだかんだコロナ収まらなくてダメだろうなと思いながら一年経った。でもワクチン接種始まったしオリンピックもやるしで会う流れかな…と憂鬱になったけど会えるのを素直に喜ぶことにして身支度してたらまた緊急事態宣言で。行き場のない気持ちは「最近調子どう」と織姫へのLINEに変えた。
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【ついのべ三題ったー『まとめ』『白昼夢』『Web』】
2098.『フルサイズの夢を』
#twnovel 最近、白昼夢というか、幻視することが多い。それは、まとめサイトの羅列のように『いかがでしたか?』、CMのように『続きはWebで』と締め括られる。僕の脳には、夢の中で完結させるだけのキャパシティがもうないらしい。でも最近、夢見るほど寝てないな。投げ売りのコンビニ弁当をつまむ夜。
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【twnvday2021/7/14 お題「五」】
2099.『リモート戦隊』
#twnvday「五人揃って!」「待て待て、揃ってない!」「違う!リモートだって立派な出動だ!」「いやだからそのリモートの奴が映ってねえ!」「あれ?…ちょっと待って」「……」「おお映った。じゃあ揃ったところで名乗り直すからもうちょっと待っ…ミュート解けおい!」「五分、尺を無駄にしました」
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2100.『冷やし中華にマヨネーズをかけますか』
#twnovel よお、あんたもこっちの道を選んだのか。もう感づいてるかもしれないが、こっちは分かれ道が延々と続くんだ。あのとき「冷やし中華にマヨネーズはかけない」を選んでおけば良かったって思うほどにな。っと、早速次の分かれ道だ。「マヨネーズをかけたらぐちゃぐちゃに混ぜるか?」…だとさ。
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2101.『陰謀論』
#twnovel お前は気づいてないようだけど、ワクチンは政府の陰謀なんだよ。みんなワクチン打ったら副反応で5Gに接続したって言ってるだろ?それは全部ウソだ!誰も5Gに接続なんかできてない!そういうウソを広めて、俺たちみたいなもともと5Gに接続してた人間を名乗り出させるつもりの罠だったんだよ!
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2102.『仙人メシ』
#twnovel「仙人様、何してんすか」「えっあっ」「仙人なのに何を普通にラーメン食べに来てんすか」「いやあの、これワンタンメンなのよ。ワンタンって雲呑って書くじゃん。だから間違えたっていうか、いや、雲なら仙人的にオッケーかなと」「仙人メシは雲じゃなくて霞なのでダメです」「クソッタレ!」
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2103.『勝負の日』
#twnovel「デートですか?」服を見繕ってほしい、髪を整えてほしいと注文すれば、今日に限っては必ずそう訊かれる。気合が入っているのがわかるのだろうか。違うんだけど、まあそんじょそこらの男に負けるわけにいかないってのは、違わないか。「初めまして、兄です。それで君は、妹とはどういう…?」
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2104.『ちょうどいいラーメン』
#twnovel「大将、この『ちょうどいいラーメン』って何」「熱いのと冷たいのの中間。要するにぬるいラーメンなんだが、語感が悪いからな」「確かに冷房効いてるとぬるいのがいいときあるからなあ」「作るのに普通より時間を貰う」「へえ」「そのぶん麺が増量でお得だぞ」「ただのびてるだけじゃねーか」
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2105.『Sustainable Development Goals』
#twnovel SDGsとは「持続可能な開発目標」の略称で、今や人類総出で取り組まなければいけない問題であり、リミットは2030年までと迫っている。私にはよくわからないので、幸せな家庭を永続させるのを目標に、結婚を前提にしたお付き合いを2030年までに始めようと思った。何か逆に困難な気がしてきた。
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2106.『半額うな重』
#twnovel 環境問題だの倫理観だのよりも思ったのは、うなぎって白飯が見えないくらい乗せられてるもんじゃないっけという疑念。でも半額シールが貼ってあるから半分なのかとカゴに入れた。そんなはずない半額になる前からこうだった。そう気付いたのはもう寝ようというとき。頭に栄養ついてきてるな。
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2107.『ミステリで水を差してくるやつ』
#twnovel「探偵さん、もうやめにしませんか。あなたがやろうとしているのは、ただの自己満足で何の意味もないことだ。謎を解き明かし誰も望まない真実を暴こうとしているのはまあ置いといて、推理するためにお菓子をドカ食いするそのパフォーマンス。甘いものに脳を活性化させる効能はないんですよ!」
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2108.『あなたのマドレーヌは?』
#twnovel「彼の記憶は戻りそうか?」「いいえ、それらしい兆しはありません」「そうか…好きだったものを食べたら記憶が甦った事例もあるし、それを試せればいいんだが手がかりが…」「そういえば、うわ言のように言ってます。『まんじゅうこわい』と」「苦手なものか…饅頭は近づけないようにしよう」
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2109.『サイゼリヤと女』
#twnovel 女はサイゼリヤが嫌いなのだと思っていたが、女だけのグループもいたのでそう単純でもないらしい。ここは、関係が確定した者同士で来る場所なのだ。デートでサイゼリヤなんて私とは友達のままでいいのねと拗ねてしまう、要は脈アリなのだと思い立ち再び連絡したら着拒されていた。やれやれ。




