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2021年3月分

№2041~2056

【ついのべ三題ったー『好き』『お茶』『ご飯』】


2041.『マリアージュ』


#twnovel 僕の実家は米農家。君の実家はお茶葉農家。お互い、継ぐかどうかも決めてないけど、好きって気持ちがあればきっとうまくやれる。そんな想いで、僕の実家のお米と、君の実家のお茶葉、好きなもの同士をかけ合わせて、お茶漬けでプロポーズした。君がお茶ガチ勢なのはビンタを食らって知った。


 *


【お題『器用なのに言えない私と、不器用だから気付かない貴方』】


2042.『何かと便利な君へ』


#twnovel いい顔するのが得意なのは昔から。そのせいで忙しくなってしまうのも。で、頼まれるとイヤと言えない君に手伝ってもらうのも、いつものこと。文句ばっかり言うくせに没頭してやり遂げてすぐに帰ってしまう、それが当然だと思っている君に、いつか「ありがとう」を言える日は来るのだろうか。


 *


2043.『私がいないとダメなんだから』


#twnovel「旦那さんのご飯はどうするの?」飲み会で既婚だと言うと、割とそう訊かれる。「子どもじゃないんだから自分で何とかするでしょ」と援護してくれる人もいるので笑っておくが、うちの人は本当に一人では何も食べられない。でも、今日はいいのだ。たまに弱らせないと家から逃げようとするから。


 *


《今日の献立報告シリーズ》


2044.『大豆』


#twnovel「今日は健康に気を遣って大豆づくしですよ。油揚げのお味噌汁、焼き豆腐の味噌田楽、もやしと枝豆のサラダ、ご飯には納豆、おつまみに湯葉さし」「これが全部大豆か。すごいなあ」「飲み物に醤油」「おい」「デザートにきな粉のわらびもちもありますよ」「絶対不健康になるやつが混じってた」


 *


2045.『さよなら、すべての』


#twnovel 気になって検索してしまったが、ネタバレを踏むことはなかった。マナーがいいね、なんて言っているのは興味のない連中。俺たちは気づいている。観に行くと言っていたあの人々が、感想どころか、その後何もつぶやいていないことを。俺も、明日なんてどうでもいいから、仕事帰りに観に行こう。


 *


2046.『熊よりは楽』


#twnovel 作家にはね、熊を殺さないとなれないんですよ。僕の原稿を適当に読んだ担当氏は半笑いで、だからアンタは無理です、と言った。困った。当然ながらそんな経験はなく、これから成さねばならないのか。僕は命を奪えるのだろうか。まずは練習だ、とペンを握り、背中を見せる担当氏へにじり寄る。


 *


2047.『揺れる列島』


#twnovel 十年経って、当時よりは忙しい日々を送っている。この調子なら忘れてしまうだろう。そんなことを毎年思っているが、そう簡単に十年一区切りとはいかないらしい。十年経って、ようやくわかってきた。忘れない、というのは、次に備えるということだ。次は、あるのだ。生きている限り、絶対に。


 *


2048.『避けて歩く』


#twnovel 早朝は肌寒いが、日が出るのが早くなってきた。冬が終わり、だんだんと春になっていくのだろう。夜更けに雪に変わらなくなった雨がつくった水溜まりを、大股で避けて歩く。バランスを崩し思わずスキップ。勢いよく足を突っ込まれて水しぶきも、スキップ。つめたい。まだ冬。

#春雨のスキップ


 *


2049.『さよならできない』


#twnovel ネタバレを踏む前に映画に行きたいが、ロングラン上映が約束されている話題作相手では不要不急のことでしかない。一人暮らしはやることが多い。約束でもあれば優先するが、家庭を持ったあいつはもういいと言っていた。観ないと青春が終わらない。なのにまた俺は、後回しにしようとしている。


 *


【twnvday2021/3/14 お題「笑み」】


2050.『微笑み返し』


#twnvday わざわざ買いに行くのはちょっと億劫だったけど、そこを頑張ってしまうのがいい男ってもんだ。好みは何だっけと吟味して、アイツの笑って喜ぶ顔を思い浮かべながら訪ねると「お返しに来たの?」と見透かされた。驚く俺に、思った通りの笑顔で「だって顔、めっちゃにやけてるもの」と言った。


 *


《今日の献立報告シリーズ》


2051.『白湯』


#twnovel「今日は白湯ラーメンですよ」そうLINEがあったので、寄り道しないことを決めた。あの鶏ガラスープはこってり系の中でも食べやすいので大好きだ。しっかり濃厚クリーミースープを味わう口に仕上げて帰宅すると、待っていたのはどうやらお湯で茹でただけの袋ラーメンだった。白湯…さゆ、か…。


 *


2052.『書けやしない』


#twnovel 小説を書こうとしても、頭に靄がかかったような感じがして、文章が何も思いつかない。私は才能がないのだろうか。そう相談すると「そういうときは習慣が崩れているのです。何か普段と違うことは?」と助言をもらった。普段は違うことは、ある。小説を書こうとしている。「才能ないですねぇ」


 *


【お題「習慣ほど怖いものはない」】


2053.『書けやしないのに』


本人に訊いても、何も覚えていないという。年度末ということもありここ最近は忙しく、だいたい仕事のことを考えていて、どうして思いつきもしない #twnovel のお題をクリックしてしまったのか。物書きのサガと言いたいところだが、どうせいつものように酔った勢いなのだろう。習慣ほど怖いものはない。


 *


2054.『悪用』


#twnovel 疎遠になっていた友人から久々に連絡があった。「お前が好きな漫画、教えてくれよ」へえ、昔、あんなに布教しても見向きもしなかったのに。どんなのがいい?「人が死ぬやつ、いや、もうすぐ死にそうなのがいるやつ教えてくれ。なるべくたくさん。会社でな、推し休暇をいっぱい取りたいんだ」


 *


2055.『送別会』


#twnovel「お疲れ様でした」「いや、お互い様だ」居酒屋の宴だというのに、その一席の空気は重く淀んでいた。「本当にこれでよかったんでしょうか…」「みんな限界だった。なのに休暇も取れない。なら、こうするしかないさ。すみません、領収書ください。上様で」私は無言で、国宛ての領収書を切った。


 *


2056.『雪と共に去りぬ』


#twnovel メニューにはあるが季節限定で今はやっていない。そんなオチだろうと思ったが、頼んでみれば、冷たいラーメンはすんなり出て来た。スープに浮かんでいた氷を口の中で転がしながら、汗ばむ気候になってきた今日この頃と、融けゆく雪を想う。俺も雪と同じだ。春が訪れ、もうすぐこの街を去る。

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