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2016年5月分

№137~170

137.『エクストリーム再雇用』


#twnovel ここ広場では、ゾンビ兵によるメーデーの真っ最中です。「死んでまで働いてやっているのに、生前よりも賃金が安いのは何事か」という賃上げが主な要求。死霊使い側は「生前の前職や経歴は賃金に加味しない雇用契約のはず」と徹底抗戦の構え。行き過ぎた再雇用制度の末路を感じます。


  *


138.『誰にも見せられない姿』


#twnovel GWの谷間日ともなると職場に来ない人も少なくなく、残業に至っては俺しかしていなかった。「俺の天下だ」誰も見ていないのを良いことに、普段セーブしている余力をフルに使い仕事を倍速で片づけた。皆の前でやると目をつけられるからな…と妄想してる間にもう23時かーい帰る!!


  *


139.『執着心』


#twnovel 結婚を機に嫁のために脱オタを計った。これまで集めたコレクションをすべて処分してまで彼女の要望に応えた。だが、彼女は離れて行った。人間味のない相手と暮らすのは耐えられないという。俺はただ、私物を一切買わずに使い捨て用品を使うようになっただけなのだが。次の嫁探すか。


  *


140.『ジェノベーゼ』


#twnovel 緑色のパスタをまた食べたいんだが、名前を思い出せない。ジュで始まるのは覚えてるんだが。イタリアンな店に行ったとき、当てずっぽうで「ジュヴゼーム」と言ってみたがウェイトレスと結婚できただけだった。愛の言葉だったらしい。そんなことより緑色のパスタの名前を教えてくれ。


  *


141.『子どもはまだか』


「おう、一年ぶりだな。って何だ、同じ家じゃねえか。てことはお前、まだこの家にいるのか。それでまた俺を出したのか。こちとらお前の顔は見飽きたぞ。だいたい、もう子どもって歳じゃねえだろう。早くちゃんとした子どもに会わせろよ」#twnovel 毎年、御大将に言われるのが一番堪えるよ…。


  *


142.『教室のガンマン』


#twnovel 二人でゴムの端と端を咥えて、三歩下がる。「3」を合図にゴムを放し、遅かった方は当然、ゴムの洗礼を受ける。西部劇の決闘を再現するための遊びだ。その後、よりリアルにするため輪ゴムの撃ち合いになり、そこに割り箸鉄砲をもたらした俺の仇名は「死の商人」になった。不本意な。


  *


143.『チートパウダー』


#twnovel 俺が転生先の異世界に持ち込んだのは、「幸せの粉」の製法。粉はたちまち民を虜にして国中を席巻、そして摘発。合法と訴えても、まず違法の粉が存在しないから話が通じない。汚名を雪ぐため、俺は王族に粉を献上して解禁させた。今は国を蝕む魔王扱いされているが不本意この上ない。


  *


144.『母の日のプレゼント』


#twnovel いつまでもカーネーションでは芸がないから、実用的なモノを買おうと思った…が、考えを改めて化粧品を贈った。すると、欲しいものは他にあると言われた。「嫁と孫」急には無理だ。「あんたに助言して、化粧品を選ばせられる相手がいるなら、そう難しくないでしょ」何でバレてんの。


  *


145.『机上のゲーム』


移動教室の折、机の端に見つけた、並ぶマス目と〇がひとつ。誰か知らないが、暇な奴もいるもんだ。俺はその横に×を書き足す。持ち時間は一週間。マルバツにしては長いが、ゆっくりつきあうのも悪くない。#twnovel 後日、俺の×は消されて●になっていた。先方はオセロがやりたかったらしい。


  *


【ついのべ三題ったー「ワイシャツ」「合格」「フラスコ」】


146.『リケジョ喫茶』


#twnovel 学園祭の催しは、リケジョ喫茶という企画が通った。コーヒーはフラスコで淹れ、お菓子はカルメ焼き。衣装は白衣が理想的だが、用意する予算がないので男子のワイシャツを借りることに。この企画が合格を貰った一番の理由はそこにあるのではと、お互いにそわそわする男女を見て思う。


  *


147.『誰かの真似じゃなく』


#twnovel 前任者が残していった、関数がバリバリに張り巡らされたエクセルを使っている同僚は「俺じゃ使いこなせないのか…」とかませのような台詞をデフォルトで吐く。だがある朝、彼は席に着くなり「こうなったら我流でいくしかない」と呟いた。そのときの彼は、この上なく主人公顔だった。


  *


148.『特殊能力者の供述』


#twnovel 最近になってこの力の意味がわかってきた。昔からずっと他人の胸元に見えていた12桁の数字、これはマイナンバーだったんだ。俺は絶対バレずに他人の情報を入手し、悪用できる。だから俺がやろうとしたのはもっとたいそうな悪事なんです。覗きで逮捕は勘弁してください、刑事さん。


  *


【ついのべ三題ったー「募集中」「狼少年」「支え」】


149.『お前だったのか』


#twnovel 村を追われた彼は、募集中だった森に常駐する猟師となった。人食い狼が出るため危険な仕事だが、同じく森に住むおばあさんとたまに訪ねてくるその孫娘を心の支えにしている。彼が二人を狼の腹の中から救ったという話を誰も信じない。非現実的な上に、かつての狼少年の言うことなど。


  *


【twnvday5/14 お題「声」】


150.『聞こえていますか』


#twnvday(聞こえていますか?)またか。(あなたの心に直接語りかけています)それで。(プリンを…買ってくるのです…)「それくらい口に出して言えや!」超能力者だからって横着して。(届いてるから別にいいじゃん)「無視するぞ」黙った。何か書いてる。『だしかた わすれた』まったく。


  *


【文中に「沈黙」を入れて「気持ちいい」をイメージ】


151.『美味しいところ』


#twnovel 酒の席での説教が好きな上司がいる。今も、少しだけ残った瓶ビールで「美味しいところを…」と注ぎにいった同僚が絡まれている。「底で沈殿してる部分が美味いはずないだろ」と。同僚は「だから『美味しいところ』って誤魔化して呼ぶんですね」と返し、上司を沈黙させて席に戻った。


  *


【ついのべお題ったーマニアック「ボーイミールガール」「ばらばら」】


152.『ひと夏のジグソーパズル』


#twnovel ボーイミーツガールに憧れて、ひと夏の冒険に出かけた。その先で、本当に一人の少女と出会うことになる。彼女に導かれるまま、俺は自転車を漕いであちこちを巡る。出会った少女と、別れるために。旅立つためには、全部探して揃えないとって言うからさ。ばらばらになった彼女の体を。


  *


153.『撮影係』


#twnovel「グルメブログで稼ぎたい」と言うから、撮影係として食べ歩きに協力しているのに、覗いてみたらそんなコーナーはしてなかった。何のために連れ回したんだと不思議だった。「今日もデート」って出だしで俺が撮った料理の写真を「彼氏が撮ってくれました」と載せているのを見るまでは。


  *


【ついのべお題ったーマニアック「光あれ」「祝福の雨」】


154.『神と人の一週間戦争』


#twnovel 神は言われた。「光あれ」後日、抗議があった。急に明るくされたら困る。今や人間の大半は暗がりを好む者ばかりになっていた。神は詫びがてら祝福の雨を降らせた。また抗議があった。今や日光の下で農作物を作る人間などいなくなっていた。神は言われた。「もう何ていうか相当アレ」


  *


155.『きれいな皿』


#twnovel きっかけは、僕が皿に何が乗っていたのかわからないほどきれいな食べ方をしているのを見たことらしい。「この人には作り甲斐がある」ということかと思ったら「後片付けにまで配慮できる、料理上手の人なのかと…」とさ。お互い料理下手だが、僕の指導の下、皿だけはいつもきれいだ。


  *


156.『原因はひとつじゃない』


#twnovel 久々に学生時代のジーンズを引っ張り出したら、穿けなくなっていた。捨てようかと思ったが、ちょうどいいのでダイエットの目標としてとっておく。しかし何でこんなに細かったのか。金欠でロクに食ってなかったからか。なら食事量を減らせば痩せられるというわけだ。ああ酒が美味い。


  *


【「散歩」というお題で、3個のストーリー】


157.『朝の散歩』


#twnovel 出勤前に朝の散歩をするのは、言ってしまえばダイエットのためだ。終業後だとどうしても遅い時間になるし、かえって酒が飲みたくなるから逆に太る。朝に運動すれば酒代が浮いて三文以上の得だ。よし、自己納得は充分。あとは実行に移すだけだ。がんばろう。明日から。やれたらやる。



158.『昼の散歩』


#twnovel 昼休みには外に出る。午前中に積もり積もった憂さを晴らすためだ。パンをかじりながぶらぶら歩いていると少しは気が楽になる。態度を改め、午後からに備えよう。散歩から戻ると、昼休み中に俺宛てにかかってきていた電話の件数を告げられる。これだから職場にはなるべく居たくない。



159.『夕方の散歩』


#twnovel 犬の散歩を夕方にするのは良くない。アスファルトが日中に吸った熱をまだ放射しているから。気分転換に表に出るとよく顔を合わせるあの人に、親切で教えたつもりだが、邪魔者扱いのように聞こえただろうか。「明日からは早朝に散歩してますね」それで俺も朝に散歩する決心がついた。


  *


160.『とんち系がらがらどん』


#twnovel 一匹目の小さながらがらどんは「僕の後からもっと大きいのが来る。そっちを食べた方が良い」とトロルに言った。二匹目の中くらいのもそうした。そしてやってきた一番大きながらがらどんにトロルは「お前が最後か」と尋ねた。「いや俺の後にもっと大きいのが来る」トロルは餓死した。


  *


161.『ざまぁ系がらがらどん』


#twnovel 一匹目の小さながらがらどんは「僕の後からもっと大きいのが来る。そっちを食べた方が良い」とトロルに言った。二匹目の中くらいのもそうした。そしてやってきた一番大きながらがらどんにトロルは「見逃してやる」と言う。「小、中で満足した。仲間を売るような奴だ、お前も忘れろ」


  *


162.『招かれざる刺客』


#twnovel 数合わせで呼ばれただけだったが、ドタキャンで女の子側が一人足りなくなってしまった。「ねえ、面子の写真アップしたら飛び入り参加したいって友達がいるんだけど、いい?」俺が帰ろうと思ったけどそういうことなら、と残ったのが間違い。今日のことを黙っていた相手が来るとは…。


  *


【ついのべ三題ったー「人肌」「責任」「ご飯」】


163.『イクメンの供述』


#twnovel 赤ちゃんのご飯は、人肌の温度まで冷まさないといけない。でも人肌って結構幅がある。40度だと病人だし、35度でも不健康だ。その点、母乳は悩まなくていいから安心だ。ここは離乳食を作る者の責任として、実際に母乳を吸ってみよう。やましい気持ちはなかったんです、刑事さん。


  *


164.『課金する関係』


#キスシーンを14字で書く「キスって何のためにするんだ」とひねくれたことを言ってみたら、「事前登録者用特典(基本無料)」と答えられた。「2回目以降及びこれ以上のサービスは要課金」と、指輪や式場のカタログを広げ出した。俺のうかつな発言で課金の導入を許してしまった…。#twnovel


※事前登録者用特典(基本無料) 14字。


  *


165.『救世主の供述』


#twnovel カーナビの指示通りに走っていたらパクられた。曲がれというので曲がったら、右折禁止の所だったらしい。俺はすぐ直感した。これは機械の反乱だ。人間を陥れようと牙を剥いてきたのだ。俺はこの事実を皆に伝えねばという思いに駆られた。「で、逃げたから厳罰ね」そんな、刑事さん。


  *


【ついのべ三題ったー「戦友」「CD」「濃厚」】


166.『卒業制作』


#twnovel この卒業制作のCDには、軽音部での思い出が詰まっている。いろいろあった。バンド名やメンバー名を決める度に乱闘したり、ただの部活仲間ではなく戦友と呼べるほど心と心をぶつけ合った。CDを再生すれば、結局卒業まで誰も楽器を弾けなかったので濃厚なエア演奏が続く。捨てた。


  *


167.『七人の弔い合戦』


#白雪姫のその後 白雪姫の様子を見に行った小人たちは、再びガラスの棺に入れられた姫を目にする。王子に問い質すと「いつまでも世界一美しいままでいたいと言って、毒リンゴをまた食べた」としゃあしゃあと答えた。この死体愛好家の仕業なのは明らかだ。小人たちの報復が始まる。#twnovel


  *


【ついのべお題ったーマニアック「一生のお願い」「つばさ」】


168.『続・幼馴染のつばさちゃん』


#twnovel つばさ、と思わず声に出た。その後も何か口走った気がするが、水面に突っ込んだショックで記憶が曖昧だ。俺の鳥人間としての挑戦は終わった。「さて、次は私の一生のお願いね」と彼女。「でも、さっき叶った。『欲しい』とかじゃなくて、普通に好きって言ってほしかっただけだから」


※お題がかぶった№107のアンサーとして書いています。


  *


169.『それって根本的な解決にはなりませんよね』


#twnovel 530(ゴミゼロ)の日ということでゴミの排出量を削減する方法を会議した結果、「ゴミという呼び方をしなければいい」という案が採用。「ゴミ」の排出量はゼロになった。あとは930(クズゼロ)の日までクズを削減する方法を考えればいい。もう何年も、この先送りの繰り返しだ。


  *


170.『電子のタバコ』


#twnovel 禁煙のために、巷で噂の「電子タバコ」に手を出した。さすがというか、支払はもちろん電子マネー。その金でガチャを回し、SSRだとニコチン入り。手に入れた電子タバコは自分のアバターに吸わせて吸った気分を味わう。本物を買う金がなくなり禁煙は成功したが、別の中毒になった。

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