2020年5月分
№1674~1708
1674.『オンラインデモ』
#twnovel『今年のメーデーはデモ行進を中止することといたしました』さもありなん。『代わりにオンラインデモを行いますので、リモート参加にご協力ください』うん?『細かいことは事務局で手配しますので、皆さまにはいつものとおり、ガンバローのコールのノリでF5連打を』デモじゃなくてテロじゃん!
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1675.『見せ部屋』
#twnovel 経済が落ち込むこのご時世に、見栄えの良い部屋を借りたいというお客様。逆に今だから必要だと思って、と、ビデオ会議に自宅を映したくないので仕事場にするそうな。その後、同じ需要の人々にレンタルして荒稼ぎしていたようだが 、感染者が混じっていたらしい。自宅を掃除せねばと思った話。
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【お題は「告白なんてする気ない」、ときめく恋愛作品】
1676.『そぶり』
#twnovel わざわざ名前を呼んであいさつしてきたりとか。普段何してるのと訊いてきたりとか。見たまんまの天気模様を教えてくれたりとか。こっちがたまに反応すると笑ってみせたりとか。誤解でもいいから、もしかして俺に気があるのかと思う瞬間がくせになってしまってまだまだ告白なんてする気ない。
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1677.
#twnovel「遺体の身許は?」「この部屋の住人です。新生活で一人暮らしを始めたばかりでした」「それが何故こんな…」「自粛、自粛で出費を抑えていた結果『一人暮らしってだいぶ金余るじゃん』と舐めきってしまい、自粛明けに度を越えた散財をしたところ払うべきものも払えなくなり…」「バカじゃん」
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1678.
#twnovel 緊急事態宣言の延長をテレビで見て、頭を抱えた。もう限界だ。そう思ったとき、もう何年も閉まったままだった子ども部屋の戸が開いた。息子の声も、しばらくぶりに聞いた。「教えるよ、引きこもりかた」胸にこみ上げるものがあった。知らない間に立派になったなと思ったが何か違う気がする。
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1679.
#呟怖
子どもの頃から住んでいた家だったので、最初は出るのが嫌だった。だから5月の帰省は楽しみだったのに、おかしい、何だか息苦しくて、早く出て行きたくてしかたない。私はもうこの家の者ではないのかもしれない。帰り際に眼差しを感じた。出されたばかりの武者人形が、険しい顔で私を見ていた。
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【『壜の中』を舞台に、『茶碗』と『水玉』と『独立』の内二つをテーマにした話】
1680.
#twnovel 湧いてきたアイデアは、宝のようという意味で、玉だ。無数の玉が我先にと駆け上がり、世に鋭い刺激を与えんと出口を目指す。だが「丸み」にせき止められ、出たとしても茶碗にいったん移されようものなら泡と消える。まさに僕の頭の中のようだとラムネの瓶を傾ける。ビー玉がカランと鳴った。
1681.
#twnovel 無地だったはずのビンが水玉柄になった。観察したところ、内側についているらしい。しかも日に日に増えていく。新しい色の水玉が現れては食い合うように色の配置が変わっていく。ビンの中で独自の生態系ができあがっているのだ。一方、それを見て私は無性にアタックチャンスと言いたかった。
1682.
#twnovel 茶碗をじっと見つめる。ひとり暮らしで、米を食べるときはいつもスーパーの弁当なので買ってはいなかった。今日、初めて弁当を逃し、米はお預けと覚悟していたら、実家からパックご飯と共に送られてきていた。俺は本当に独立したのだろうか。常に見られている、ビンの中の小人の気分である。
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1683.
#twnovel 普段はないんですが、ここ最近は噂を聞きつけてやってくる新規の…カタギのお客さんが増えましたね。ちゃんと手続きを踏んだ方がいいと説明してますが、それでは遅いと。このご時世だし、かわいそうなんで引き受けてます。廃車のプレートに付け替えて、県外ナンバー狩りを避けたいって依頼。
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1684.
#twnovel 4月中の引っ越しがギリギリに決まり慌てて実家を出たが、すぐ後の緊急事態宣言で、5月の帰省がなくなった。だからお盆に咲く花を何か、鉢植えで買うことにした。育てて、持って帰れるように。店員さんは「大丈夫、カーネーションは夏にも咲きますよ」と包装してくれた。母の日ですもんね。
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1685.
#twnovel 気がついたら祭りは終わっていた。あの熱量は何だったのかと思うほどトレンドには跡形もない。きっと誰もがなかったことにして元に戻っていくんだろう。でないと結局意見を言えなかった俺が困る。しょうがないじゃないか。仕事もあって、遊ぶ約束もあって、こっちは暇じゃなかったんだから!
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【twnvday2020/5/14 お題「距離」】
1686.
#twnvday 距離なんて、今の時代には関係ない。引っ越した後も毎日のようにメッセージをやりとりしたし、外出自粛で会えなくなっても何も変わらないと思っていた。それなのに、たったひとつのハッシュタグで割れた意見のせいで、心の距離がこんなにも遠い。賛成反対、どっちにしたかも覚えてないのに。
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【『夜明け』を舞台に、『風来坊』と『ひらめき』と『首飾り』の内二つをテーマにした話】
1687.
#twnovel 彼は夜明けの写真を撮っているといった。「好きで撮ってるんじゃない、きれいだと思うものがそれしかないからだ」とも。運良くその瞬間に立ち会った私は、カメラが一瞬閃くのを見た。夜明けにフラッシュはいらないんじゃないの。「撮りたいものに光を当てただけさ」レンズは私を向いていた。
1688.
#twnovel 人類の夜明けといえば何を想起するだろうか。火を手に入れたとき、なるほど。私の場合は、貝や牙に紐を通した、首飾りをした化石を思い出す。装飾品に価値を見出したことが、ではない。まさに閃きだった。これは首飾りで絞殺されたのだと、手ごろな凶器を使う人類史の始まりを直感したのだ。
1689.
#twnovel 首飾り事件を知ってるかい。どこの馬の骨とも知れない輩が、支配者の名を騙って高価な首飾りを騙し取り、支配者の評判を地に落とした事件さ。革命前夜にはこういう詐欺が付き物なのかもな。今も世の中、代弁者が溢れてる。気をつけろよ、行政は給付金受給のためにATMの操作は求めねえからな。
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1690.
#twnovel 街には「俺コロナ」と自称するおじさんが現れ、ネットには「コロナです。本当のことを話します」と再生数稼ぎ目的の配信者が溢れている。誰も彼もが不安を煽る中、終息のために動く者がいた。「コロナウイルスです…死滅したので霊になって語りかけてます」やっぱイタコ芸の大御所は違うぜ。
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1691.
#twnovel 外出自粛が続く中、屋外活動用のロボットが一家に一台支給された。これをアバターに僕と彼女は出会い、今日までデートを重ねてきた。僕は大事な話のために指輪を用意して呼び出したが、「実は2回目のデートから娘じゃなく…」わかってましたよお母さん。「父です」意識ごとログアウトした。
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1692.
#twnovel「はい110番です」『夫を現行犯逮捕しました。すぐ来てください』「えっ」『私人逮捕です。現行犯ならできますよね?』「そうですが…何があったんです」『殴られたので正当防衛で返り討ちにして黙らせてから縛り上げました。今はぐったりして動きません』「先に119番案件じゃないスかねそれ」
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1693.
#twnovel 新型ウイルスの話題でもちきりですが、一方で、ある病気が根絶されつつあるんですよ。発症条件は多岐にわたり完治は不可能、人間が一生付き合っていくしかないとされていた病気です。まあ今の状況だと大事になって洒落にならないから、誰も罹るに罹れないんでしょう。仮病っていうんですが。
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1694.
#twnovel 雨の音を聞くだけで頭は重く、体はだるい。寝返りすら億劫で、もしやこの部屋はぬるま湯で満たされているのでは、なんてばかを言う。引っ越せばすべてうまくいくと思っていた。部屋が変わっても私が変わらないとだめみたいだ。布団から這い出て窓を開ける。新しい水を入れなくちゃ。#窓枠水槽
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1695.
#twnovel かんたんツイート講座、今日は怒りに震えて涙が止まらないツイートの仕方を勉強しましょう。まずは怒りに震えて涙が止まらなかった事を思い出します。もっと。もっともっと。それではツイートしてみましょう。どうですか。怒りに震えて涙が止まらないからツイートしてる場合じゃないですね。
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【「幸せになってください」という台詞で始まり「静かで優しい夜だった」で終わるお話】
1696.
#twnovel「幸せになってください」言い終えたあと、ここが式場なら、たまらず外に飛び出していただろう。だが生憎のリモート結婚式だ。逃げ道も、追いかけてきてくれるかもなんてバカな希望も、画面いっぱいの笑顔に消える。自分の負けと、幸せになってという本心を受け入れる、静かで優しい夜だった。
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1697.
#twnovel 自分が何の罪になるのか、まだよくわからないんです。いけないことをした自覚はあります。救急車で搬送中に連れ出して、隠れて、逃げ回って。それでも母が「ここで死ねばいいなが」と呟いたとき、病院はダメだと思ったんです。今はどこも面会禁止で、二度と会えないことはわかっていたから。
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【「意図せず漏れた溜息に、傍らのその人が顔を上げた」で始まり「濡れた睫毛がゆっくりと下を向いた」で終わるお話】
1698.
#twnovel 意図せず漏れた溜息に、傍らのその人が顔を上げた。「そこのお前!溜息が出るほどの大食いチャレンジラーメン一杯に含まれるラーメンの量はラーメン一杯分だぜ!」いや一杯じゃすまねえよと思ったが、華奢なその人は俺と同じ大食いラーメンを一息で啜る。濡れた睫毛がゆっくりと下を向いた。
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1699.
#twnovel さあ始まります夏の甲子園。コロナ禍により中止が危ぶまれましたが縮小開催でお送りいたします。当初はe-sportsでリモートの開催の予定が、ゲームシステムが関係者の理解のキャパを超えていたためこの形に落ち着きました。代表がソーシャルディスタンスをとって野球盤を囲み、プレイボール。
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【#サカイメの書架応募 お題「水着」】
1700.
彼女が水着に着替えたら。その夢を実現するにはまず彼女を作らねばと思った、と。ほうそんな理由で声をかけてきたのか見境ないなとどついてやったら、ああ一番最初に目に入ったのがお前だったと正直な告白。いつも見ていたから。その一言に見合う、度肝を抜く水着を買う予定だ。
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【#サカイメの書架応募 お題「酒」】
1701.
酒について語るにあたっては、美味しい、美味しいというだけではなく、その危険性にも留意しておくべきだ。さもなくば、背筋の凍る思いをすることになるぞ。締切ギリギリにサカイメの書架に応募しようとしていたら、書きかけのまま寝落ちして大遅刻したといった具合にな。私です。
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1702.
#twnovel この部屋は陽当たりがよくない。日が落ちていないのに電灯をつけるのがかなしくて、窓辺で一杯やることにした。出来立てのからあげが風で香る。それにまじって、鼻の奥をツンと刺激する匂い。外では蛙が鳴いている。雨を予感して窓を閉めた。日が落ちる前に、缶を空けてから電灯をつけよう。
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【『美術館』を舞台に、『栄光』と『釣り』と『息切れ』の内二つをテーマにした話】
1703.
#twnovel 釣り人の栄光といえば、やはり魚拓。町の小さな美術館では、今年も釣り人たちが自慢の魚拓を展示している。だが、手ぶらで来ている者もいた。「俺が釣り上げた一番の大物はカミさんなんスが、拓をとるのを断られたのでせめてコレを展示してます」彼が差し出した頬には、見事な手形があった。
1704.
#twnovel 息切れするほどの格闘の末、大物を釣り上げた瞬間。それがこの絵画の最大の売りだ。それに魅了され「釣りがしたくなった」と言い出す客は多い。だが本当に欲しくなったのは絵そのもので、ミッションインポッシブルに挑み無様に紐に釣られるままになった客を回収するのも美術館の仕事である。
1705.
#twnovel 私はもう何年も美術品専門の怪盗をやってきた。狙った獲物は逃さないなどと謳われた栄光の時代は過ぎ、今や簡単に息切れを起こす老いぼれだ。だからこれまでに集めたお宝を展示する、美術館を開くことにしたのです。こうすればきっと来てくれると、また会えると思っていましたよ、刑事さん。
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【ついのべ三題ったー「CD」「鉄棒」「群れ」】
1706.
#twnovel「もはやCDはカラス避けに効果がないのか、鉄棒にぶらさげて実験しよう」「あ、もうカラスが来ましたよ」「すでに群れだな。避けるどころか集めてるのでは」「1羽のカラスがCDをスクラッチして他は踊り始めました」「クラブじゃん」「アホアホとディスりあってます」「フリースタイルじゃん」
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【「名前も知らないその人に、ひと目で惹かれてしまった」で始まり「やっと言えた」という台詞で終わるお話】
1707.
#twnovel 名前も知らないその人に、ひと目で惹かれてしまった。それ以来、どう声をかけようか考えに考えて放った僕の渾身の台詞を、その人はあっさり無視して「ここははじまりの村です、勇者さま」とだけ言った。そして明らかに辟易した様子で離れていく。その背中はこう語っていた。「やっと言えた」
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1708.『クリーンアップタイム』
#twnovel『業務連絡。職員の皆さん、クリーンアップタイムのお時間です』今やどこでも聞くようになった社内放送。『これから1分間、あなたの手はあなたの仕事を離れて、デスク周りの汚れを落としていくのです』ん?『それでは始めてください』そしてベースがベケベケと鳴り出した。逆に手につかんわ。




