表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/99

2018年8月分

№1032~1064

【ついのべ三題ったー「責任」「ライブ」「自己暗示」】


1032.『セルフアジテーション』


#twnovel ライブ前には自己暗示が欠かせない。意外に思われるかもしれないが、じゃあ何でライブなんてと言われるほどアガリ性だからだ。俺はイケてる、みんな俺に会いに来た。そう思い込んでやっと、俺はステージに臨むことができるんだ。さあ、最高のライブにしようぜ。アリーナ席で見てっからよォ!


 *


1033.『勇者の保険』


#twnovel「えっ、この状態からでも入れる保険があるんですか!?」返事を聞き、残りHP1で毒状態の勇者は穏やかに一歩を踏み出して死んだ。彼の保険金を元手に、雇われた者が同じレベルまで育てられ、その冒険を引き継ぐ。教会で新しい勇者となって。セーブポイント保険は勇者の活動を応援しています。


 *


【ついのべ三題ったー「留守」「布地」「包丁」】


1034.『父の隠し物』


#twnovel ずっと父を恐れていた。留守番していた日、包帯が巻かれた包丁を見つけてから。それを強張った形相で取り上げられてから。何かよくないことに使われたから隠してあって、布地の裏には…そんな妄想もした。それを終わらせるためにまた探し出したんだが親父、刀身に彫ってある『斬月』って何。


 *


1035.『メタファ』


#twnovel 違和感を覚えるポイントにこそ神話に隠されたメタファを紐解く鍵がある。ヤマタノオロチは、首が八つなのになぜ七股ではないのかと思ったことはないだろうか。八股でいいのだ、クシナダヒメを入れれば。つまりスサノオはクシナダヒメと結婚するために八股かけていた女たちをうわ何をするやめ


 *


1036.『バッドステータス』


#twnovel 今年も恐怖の状態異常の季節がやってきた。体力低下による戦闘力ダウン、食欲不振による回復力ダウンを始め、倦怠感による俊敏さダウン、思考力低下による賢さダウン、果ては歩くだけでダメージを受けるまでに及ぶ。この不可避の状態異常は「夏バステ」と呼ばれている。

#ファンタジー社会問題


 *


1037.『快適空間』


#twnovel 春の間はできるだけ遅くしていた出勤時間も、クーラーの効いた車内が恋しくて早く。早く駐車場に着いたら、その分だけ寝そべっていられる。そろそろ始業時間、シートの背もたれを起こしてエンジンを切る。遮られていた蝉の声が、ドアを突き抜けて聞こえてくる。あー出たくねえなあ。#夏の空間


 *


【お題は「付き合いません勝つまでは」、切ない恋愛作品】


1038.『輝ける星』


#twnovel「付き合おうか」の言葉に「優勝したらね」と返す。本当は夢を追いかけていたいことくらい、その照れたような笑みを見ればわかる。横顔から盗み見ることしかなかった瞳を初めて向けられたとき、どんなに遠くの輝きを映しているかを知った。もう戻って来ないような気がして、列車を追いかけた。


 *


【お題は「許しがたい発言」、夏っぽい恋愛作品】


1039.『ジュブナイル漫談』


#twnovel 私が子どもの頃の話です。お盆に田舎で、男の子と出会いました。彼は大人も知らないような場所で、幻想的なものを見せてくれました。「狐に化かされてるみたい」と私が言うと、何故かへそを曲げてしまいましたが。だって、狸だったんですものね、と夫のビールっ腹を叩く。これが結構ウケる。


 *


【ついのべ三題ったー「金星」「ゆとり」「予測」】


1040.『星を掴む者』


#twnovel 金星はゆとりのある者にしか見えない。恩師の言葉だが、だから何だと思っていた。明け方や夕方に空を眺める余裕なんて、先行きも見えなくて必死な自分にはなかったから。言葉の意味がわかったのは、その人を思い出して立ち止まったときだった。初めて見えた。金星と、それを掴む自分の姿が。


 *


【盲目の科学者とフェミニストの友人が一緒に暮らすまでの話】


1041.『中身がない』


#twnovel 善意のつもりでフェミニスト活動をしたら「中身がない」と敵にも味方にも叩かれた。盲目の女流科学者の小間使いに応募したのは、何でもいいから優越感に浸りたいからだった。その下心を見透かし、でも頼る相手を選べない。そんな彼女のために、世界を開きたい。「中身」を得られた気がした。


 *


1042.『そうか、これはそういう画なのか』


#twnovel 友人の画家は、自分の作品の感想をよくせがんだ。感心するように聞いてくれる上に、君たちの感想なしではやっていけないよ、と言われて悪い気もしなかったし、発表前に尋ねられるのも優越感があった。彼はそうして「自分の画」を理解していった。自分で描いてはいないと気づかせることなく。


 *


【虫も●●ないほど優しい魔法使いと犬猿の仲のお隣さんを中心とした病的なほど笑える話】


1043.『古典ファンタジー落語』


#twnovel 今日もお隣と口論になった。私が見逃してやった虫たちを駆除してしまうとは何事かと。お隣が言うには、虫を押しつけられて迷惑しているのはあっちらしい。いいだろう、ならば戦争だ。駆除できない虫を聞き出してやった。魔法で操って、高く売れそうなカブトムシとクワガタを送り込んでやる!


 *


1044.『ブームを止めるな』


#twnovel 常連のつもりだったが、この映画館で拍手を聞いたのは初めてだった。ミニシアターで、マイナーな作品を上映しているのが売りで、見に来るのも気難しい自称映画通で。そんな俺たちが素直にできなかったことが、ここで。この方が良いんだ。立ち見にも入れなかった俺は、外で拍手を聞いている。


 *


1045.『山の端にかかる夕日を見る会』


#twnovel 山形県民の間で存在が語り継がれる、「山の端にかかる夕日を見る会」という組織がある。活動内容はその名の通りで、それだけにも関わらずリピーターが多い、会員のほとんどが外国人、などと噂されるが、実態を知る者はいない。この組織、ネット全盛のご時世に検索にすらひっかからないのだ。


 *


1046.『ゲリラライ○』


#twnovel どこへ行くの、と止める間もなく彼女は出て行ってしまった。外は雨だと言ったのに。追いかけたところで、僕の話なんていつも通り最後まで聞いてはくれないだろう。だから戻って来るのを待った。ずぶ濡れの彼女は言う。「ゲリラライブどこ?」僕は答える。「ゲリラ雷雨、な」最後まで聞いて。


 *


1047.『識者』


#twnovel「オリンピックボランティアを大量確保したいが、どうすれば応募してくるだろう」「コミケを参考にしよう。有能なボランティアが大勢参加していると聞く」「面倒だ、丸ごと取り込めないか。同人誌速売りやコスプレを競技にするとか」「コミケには勝ち負けなどないッ!」「お前…行ってるな?」


 *


1048.『この質問で大喜利をする者は不適とする』


#twnovel オリンピックまであと2年と迫り、ボランティア希望者の面接が始まった。国の恥を晒さないように、アングラなイキリは落とさなければならない。そのための下準備は整っている。私は指示通り、冷やかしの応募者を煽るための質問を口にした。


面接官「今日はどうやってここまで来ましたか?」


 *


1049.『考えすぎ』


#twnovel 行方不明の子どもが無事見つかったニュースには心から安堵した。いつもなら第一発見者が怪しいと睨んでいるところだが…もうやめよう、陰謀論なんて。発見者のボランティアに影響されて、オリンピックのボランティアに前向きな風潮になっているらしい。それは…もうやめよう、陰謀論なんて。


 *


1050.『瞑る』


#twnovel 母さんと父さんはね、結婚するとき約束をしたの。お互いの趣味には目を瞑ること。それを守ったから家事も分担して、仕事も育児も何とかやってこれた。でも子どもが自立して、定年退職したら、趣味しかなくなっちゃうでしょう。常に目を瞑って、いないも同然ならって、そう思って離婚するの。


 *


【お題は「友情じゃない、涙がちょちょぎれる恋愛作品】


1051.『友情じゃない』


#twnovel 急にじゃないよ。愛してるって言ったのに。ずっと言ってるのに。冗談にしたのはそっちの方じゃない。好きな人がいるから相談したいって何。許さない。友達になんか戻らない、ううん、戻れない。最初から友達のつもりなんかなかったから。あなたに求めたのは、欲しかったのは、友情じゃない。


 *


1052.『苦労、買います』


#twnovel 若いころの苦労は買ってでもしろというので、早速ネットオークションで落札した。どんな苦労なのか出品者に訊いたが、転売なので知らないという。手をつけずにいたら、買い取り業者から連絡がきた。買い取った後を訊くと、また売りに出すらしい。あれは誰の苦労で、誰のもとに流れ着くのか。


 *


1053.『叱らない躾け』


#twnovel 息子が私の料理を「まずい!」と言った時、それに居合わせた夫は、叱るのではなく「今までこれ、食べさせたことあった?」と私に訊いた。「ないか…じゃあ、アレルギー?」病院の気配を察したのか、息子は「まずい!」と言わなくなった。いいことだと思うが、本当にまずい時は我慢するなよ。


 *


1054.『ギブ・アンド・テイク』


#twnovel 今の世の中、できない奴は金を積んで、できる奴にやらせるのが当然のやり方だ。俺はその、やる方。依頼人から軍資金を受け取る。達成までにかかった出費との差額が俺の報酬になる。互いとも互いの目的に興味はない。俺はパチンコにしか。依頼人はタイアップしたアニメの新作ムービーにしか。


 *


【twnvday2018/8/14 お題「踊り」】


1055.『アフターパーティ』


#twnvday 後の祭り、祭りの後。どっちでもいい。乗り遅れてしまった俺は、もう参加できないのだ。でも、俺の他に誰もいないからといって足を止める理由になるか。内側から生まれるリズムは、もう誰にも止められない。俺は踊る、踊るんだ。歩行者天国は終わりだからなんて止めないでくれ、お巡りさん。



1056.『狸踊り』


#twnvday 祭りの時期になると里の子どもは山奥の古寺を訪れる。和尚から狸踊りを習うためだ。里に伝わるこの踊りは、最初は見よう見真似で始まったそうだが、まるで狸のような和尚が招いて教えてくれるようになった。和尚に礼を言い、子どもたちは里へ帰っていく。人間直伝の狸踊りを披露するために。



1057.『踊らない』


#twnvday 俺は踊らない。いつからだったか、きっかけは何だったか覚えていないが、もう何年も思い続けている。国民的だの何だのと熱にうかされて、踊らされるなんてまっぴらごめんだ。でも何となく、お札を引っ込めて、五百円で得た端数のお釣りを募金箱に入れた。山の上に落ちた小銭は踊らなかった。


 *


1058.『きっと、どこかで』


#twnovel「実は私は正義のヒーローだったのさ!」そう叫んであいつは走って行った。知っていたよ、ずっと憧れていたことを。わかっていたよ、そんな生き方ができる奴じゃないってことも。あいつは「さらばだ!」と走って行って、戻って来なかった。逃げたのかな。案外、どこかでヒーローやってるかも。


 *


1059.『創世-Build-』


#twnovel その占い師に語られた前世は、荒唐無稽だった。別の世界だの違う歴史だの…俺だけじゃない、他の客の内容もめちゃくちゃなのに、やけに嬉しそうに話すので聞き入ってしまう。言葉に情がこもっているのがわかるから。何者かと問うと彼はくしゃっと笑った。「創り直した甲斐があった。最高だ」


 *


【お題は「好きだったのは君だけ」、冬っぽい恋愛作品】


1060.『冬なんて』


#twnovel 冬なんて、好きだったのは君だけだ。年末年始に都会から帰ってきて、雪だ雪だと犬みたいにはしゃぐ。そうやって遊べるように、出迎えるために誰が雪かきしたと思ってるんだか。追いかけて都会に出てきた今も、悪いけど懐かしくなんてならない。嫌いだよ冬なんて。好きだったのは、君だけだ。


 *


1061.『ファッション』


#twnovel オタクの容姿がほぼみんな同じところに辿り着くのは何故なのか。僕はその疑問に着目した。着飾らない結果、同じ容姿になるのだとしたら、やがて原初の人間の姿が現れるかもしれない。しかし過酷な実験を前にオタクは一般人の中に隠れてしまった。くそっ、着飾ってる奴はみんな同じ容姿だぞ。


 *


1062.『マンガ的展開』


#twnovel これはいったいどうしたことか。二股がバレたとき、僕は少年マンガよろしく袋叩きを覚悟した。しかし彼女たちは互いを責め始めた。現実はマンガどおりにはいかないってのも悪いことばかりじゃないな。この隙に…まずい、拳でわかりあって共通の敵である僕に気づいた!やっぱり少年マンガだ!


 *


1063.『最後まで聞く』


#twnovel 僕は自分の悪い癖は自覚していて、それは相手の話をちゃんと最後まで聞いてしまうところだ。だから「ってわけでぇ」「なんですけどぉ」と、ですますで言い切らない、話の終わりがわからない人は苦手だ。最後まで聞きいてやりたいが、彼女の話は「それでぇ」と夫婦になってもまだ終わらない。


 *


1064.『夏の誘い』


#twnovel 夏らしいことを何ひとつせず、平成最後の夏を職場で迎えるのかと思うと、俺は何だか情けなくなってきた。「先輩、夏はまだ終わりませんよ。クールビズやってる間は夏です!」そうか!俺の夏はまだこれからだ!「そうです!わ…私を海に連れてって!」もうクラゲ出るから無理。「この野郎!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ