2017年10月分
№714~744
714.『全国イベントのウラ側』
#twnovel 今日は日本各地のヒーローが一堂に会する日。手薄になった地元では、鬼の居ぬ間にと悪の組織が着々と準備を進めていた。「首領、支度が整いました」「よし、ではいよいよ作戦開始だ。厄介者がいない今がチャンス。この隙に…慰安旅行を決行する」「あいついると休めないっスからね」
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《今日の献立報告》
715.『湯豆腐』
#twnovel「今日は湯豆腐ですよ」「……」俺を酒断ちさせるため、毎日ヘルシーなメニューが出て来る。もう我慢ならん。俺は行動した。「幸い材料はある……あとはこの“素”を使えば…」そしてどうにか作った麻婆豆腐をアテに晩酌をする。すべて俺に料理を覚えさせる計画通りだとも知らずに…。
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716.『荷物』
#twnovel「登山には道具の準備が大事だって何度も言ったろ。何で手ぶらなんだ」「無駄な荷物だから」「なめてんじゃねーぞ」「お前にとって、素人の俺はお荷物だ。荷物が荷物を背負うなんて、ちゃんちゃらおかしいだろう? さあ、要らない荷物として俺を置いて「正直に忘れたと言え」ごめん」
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717.『月に向かって跳べ』
#twnovel 俺たちは天使じゃない。何度もそう言ってるのに、誰も聞いちゃくれない。願われても、雲を晴らして十五夜の月を見せることはできないんだって。でもお供えものまで貰うとなあ…どれ、がんばってみるか。陳情のため、月に向かって、神様に向かって跳ねる。この耳よ、今こそ羽となれ。
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718.『先送りのツケ』
#twnovel 未来の自分と交信する能力を手に入れた。どんなことで役に立つかというと、うっかり調査を忘れていたこの仕事。未来の俺に結果を聞いて難を逃れるのだ。もしもし。「知らん」は?「仕事は他のやつが引き継いだ、俺に結果を知る権利はない。仕事でミスした俺はその後…」おいやめろ。
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719.『後任せのツケ』
『未来の俺へ。きっとお前は今、苦しんでいると思う。過去の俺を恨んでいるかもしれない。でも、この瞬間、俺は心のままにこの道を選んだことを忘れないでほしい。そして、許してくれ…』#twnovel「絶対許さん…」おかげで翌日の俺は二日酔いだよ。こんなことでビデオメッセージ残すなよ…。
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720.『解読不能』
#twnovel 警部は遂に探偵に相談した。「暗号が解けんのだ。ダイイングメッセージなのだろうが…」「そう思う理由は?」「被害者が最期にSNSに投稿しようとしていた文章だからだ」「これは暗号ではありませんよ」「何?」「#目を閉じてベーコンポテトパイと打つ…ただそれだけの遊びです」
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721.『マイクロノベルとかいうのもある』
「これが #twnovel」
「#140字小説」
「#140字SS」
「全部同じじゃないですか!?」
「ちがいますよーっ」
「これだからしろうとはダメだ!もっとよく見ろ!」
「#twnovel と #140字小説 の違いは、タグに使う文字数だ」
(なら小説とSSの違いは…?)
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722.『さっき何食べた?』
#twnovel 俺はいったい、何を食べたんだっけ? 食事中、無心で箸を進めることはよくあると思う。その結果、何を注文したのか忘れてしまうことも。だが、グルメブログを運営している俺にそんなミスは許されない。注文票で確認しないと…『とんかつカレーうどん』ちょっと待て本当に何だこれ。
723.『いまは何食べた?』
#twnovel とんかつカレーうどん。何の心構えもなしに食べてしまってから、俺の舌は変になってしまった。とんかつ、カレー、うどんを単品で食べても、必ず他のふたつが想起される。こいつらはマッチし過ぎたんだ。3つの味で頭がいっぱいになる…今、俺はいったい、何を食べているんだっけ…?
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724.『がんばれ店員さん』
#twnovel 温玉牛丼を注文したのに牛丼と生卵が出てきた。店員に文句を言おうかと思ったが、厨房で怒られているのを見て、牛丼と一緒に呑み込むことにした。牛丼のつゆが染みた卵かけご飯は存外美味かった。次の日もその店に寄った。今度はちゃんと牛丼と生卵を注文しに。温玉牛丼が出てきた。
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725.『不器用の詩』
#twnovel 私のカレは不器用なひと。そんな生き方だからこそ紡がれるポエムが、私を惹きつける。たぶん。今日も、ステーキを前に切ない表情をしている。「ナイフとフォークを持たなければ肉を切り分けられない。ナイフとフォークを持っていては、箸で肉を食べられない」肉と一緒に私も冷める。
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726.『いい人、わるい人』
#twnovel
「いいかげん駄々をこねるのはよせ。皆のために、こうするのが一番いいんだ。俺はいいと言っているのに、それを阻むお前は悪人だぞ」
#いい人わるい人
「悪人で結構。いいだけじゃなく、悪くなきゃ救えないものもある。善人が皆を助けるために捨てようとする自分の命を、俺は諦めない」
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727.『ジェイソン集会』
#twnovel 13日の金曜日に開かれるジェイソン集会における、当面の議題は「13金とプレミアムフライデーが重なった場合、仕事と遊びどっちを優先する?」である。議論が続き、ここ最近の13金は平和だ。実は皆、13日が月末になりえないことには気づいている。誰だって仕事はしたくない。
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【twnvday2017/10/14 お題「選択」】
728.『三択』
#twnvday
「この中に『やり直し』がしたい者はいるか」
ABC「いません!」
「ところでここに『あの時の選択肢』があるのだが」
A「そう、関係ないね」
B「殺してでも奪いとる」
C「頼む、それを譲ってくれ!」
「BとCを連行しろ。あとA、さては貴様リア充だな爆発しろ」
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729.『目の付け所』
#twnovel「これ、絶対あとでこうなるよね」僕に付き合って、ぼんやり流し見しているだけのはずの彼女の方が、番組への鋭い見解を示すことがある。ちょっと悔しくて秘訣を訊くと「見てればわかるって」と言った。僕だって見てるよ。「見てないじゃん、実況とか言ってスマホばっかり見て」うっ。
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730.『無線LANケーブル』
#twnovel「あの、ここでアレが手に入るって…」あまりにも挙動不審なので「無線LANケーブルのことか」とわざと言った。他の客はクスクスと、男の無知を笑う。俺も「あるわけないだろ」と笑いながら、男の袖にソレを忍ばせた。あるはずのない、幻のアレを指す隠語だと知らない者の方が多い。
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731.『カラオケトレーナー』
#twnovel アッ、声が裏返った。やはりこの歌は私にはキーが高すぎる。止めようとすると「いや、止めずに続けて」と待ったが入る。そのまま歌うと、次第に高い声の出し方が安定してきた。おお、助言の通りだ。ただ、私は独りカラオケに来たのであって、この店員はいつ出て行くのだろうか。
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732.『ねずみのショットガンウェディング』
#twnovel ある金持ちのネズミが「この世で一番強い者に娘をやろう」と婿探しを始めた。それを聞いた娘と恋仲の若者は「結局はネズミが一番強い」と諭し、自分を選ぶように誘導する。頷いた父親は「なら最強は私だな」と若者を銃で威嚇した。結論、銃と父は強い。
#全米ライフル協会力高い童話
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733.『遠くへ行っても』
#twnovel 遠くへ行きたい。毎日、仕事に追われる日々を送る俺のちっぽけな願望だ。いつも降りる駅を乗り過ごし、ぶらりと知らない駅へ。いつも妄想していたことを、遂に有休で実現した。伸びをしたところで、スマホに着信。職場から。どこでも仕事ができるってのは、良いことばかりじゃない。
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《今日の献立報告》
734.『作らない日』
#twnovel『今日は…』「仕事が終わらないから、食べて帰るよ」嘘だ。本当は食べる時間もない。『では、ひとりで食べて待ってますね』そう言っていたのに、帰ったらカップラーメンの残り香がした。今日は、と宣言した後に何を作るつもりだったのか、明日は早く帰って確かめよう。あぁ腹減った。
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735.『人の心と秋の空』
#twnovel 天気の崩れる日が多くなったと思う。季節の変わり目だからと言うのは簡単だが、人の心も天候のせいと割り切れればどれだけ楽だろう。五月を乗り切っても、それ以降が大丈夫なわけじゃない。願わくばこの涙も #秋雨のカノン に加わって、何でもないこととして流れていかんことを。
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736.『かけ』
#twnovel を書き忘れた。ちょっと前なら大騒ぎしていたが、今ではだからどうしたと構えていられる。俺が書いても書かなくても、誰にも何にも影響なんてないのだ。そこで、だから書かなくてもいいや、ではなく、じゃあ何書いたっていいよねと開き直れるか…そこが肝要だね。え?いいから書け?
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737.『Jamって天女』
#twnovel 天女の水浴びを覗き見ていた男は、天女を帰すまいと羽衣を隠すことにした。そのとき、羽衣から転がり出たものは、天女が護身用に忍ばせていた銃であった。これで脅した方が早いと銃を弄び、暴発。男は先に天上へ。奪われるまでを想定した護身であった。
#全米ライフル協会力高い童話
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738.『ハードライフ・ハードワーク・アンバランス』
#twnovel この街で悪党を退治しているヒーローが、まさか正体は普通のサラリーマンだったなんて…。「仕事だってあるだろうに、よくこんな大変な活動を」「趣味ですから。それに」彼は遠い目でふっと笑う。「悪党と戦って怪我でもすれば、仕事休めるかなって」その笑顔はひどく疲れて見えた。
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739.『ギルガメッシュなトゥナイト』
#twnovel「パパ、これなあに?」息子が持ってきたものを見て驚いた。どうやって見つけたのだろう。「これはね、ビデオテープだ。DVDの先輩」「観たい!」「もう観られないんだ」「何で捨てないの?」「それは…昔の思い出が詰まっているからさ」こそこそ隠れて録画した、アレな深夜番組が。
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740.『キレキレメンタル』
#twnovel メンタルが強くないと作家は続けられないと言うが、彼は異常だと思う。尖った話ばかり作って、叩かれても「アンチがいなきゃつまらない」と改めず、遂にはその道の先達として慕っていた人にまで批判されてしまっても「あの人は俺が尊敬するに値しなかってことさ」と嘯く。強すぎる。
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741.『一般オルガ』
#twnovel「電車に乗ってすぐ、出入口近くに陣取ってる人が多かったから勇気出して『立ち止まるんじゃねーよ』と注意したかったんだけど、緊張してかすれ声で『止まるんじゃねえぞ…』と言っちゃったら、みんなすぐ中に進んでくれた。不思議だ」(お台場での話かな…みんな団員だったんだな…)
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742.『その手が掴むのは』
#twnovel「どうして今なんだ」告白してきた相手に、俺はそう言った。だって俺はまだ、夢を掴んでいない。まだ愛されるに値しない人間なんだ。そう諭した。「…でも、理解してはくれなかった。それでも、愛してくれた。だからお前が生まれたんだ」夢を掴めなかった手は、小さな手を引いている。
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《今日の献立報告シリーズ》
743.『卵かけご飯』
#twnovel「『今日は卵かけご飯ですよ』って言うからさあ」「はい」「忙しくて何も用意できなかったのかなあって思ってさあ」「はい」「まあだったら外で食べた方がいいやとは思ったのは悪かったけどさあ」「はい」「どうして高級イクラ丼食ってんすか…」「これも、卵には違いありませんよ?」
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744.『好きの対義語は嫌いではない』
#twnovel ハロウィンなんぞ知るか。浮かれた仮装行列を遠巻きに吐き捨てる。お化けとは何の関係もないただのコスプレまで混じってるじゃないか。そんな俺に、カボチャ頭が声をかけた。「クオリティの高い仮装ですね」は?していないが。「ハロウィンに興味ないふりして見てるだけの人の仮装」




