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2017年8月分

№648~681

【親に捨てられた聖職者と互いに毛嫌いし合っている人物の一方通行な恩返しの話】


648.『天使に告解(ラブソング)を』


#twnovel あのガキの自由を奪ったのは俺だ。借金のカタにと親が捨てていったのを、売り飛ばさずに教会に預けたら「貴方に助けられたと思って生きていきたくない」と、修道女になった。俺の甘さを隠したつもりか、クソガキが。俺よりこいつを救ってやんな。捜し出した親を懺悔室にぶち込んだ。


 *


【ついのべ三題ったー「模様」「すごろく」「農業」】


649.『田舎にアブダクション』


#twnovel 今日は田んぼにできたミステリーサークルの模様を利用して、人間すごろくにした農家を取材します。「収穫がダメになったぶん、稼がせてもらわんとねえ」このコマ、内容が全部農業関係なんだとか…『Iターンする』『スローライフを送る』『農家に嫁ぐ』…「どうかね」あ、結構です。


 *


《今日の献立報告》


650.『隠し』


「今日は隠し味ありのカレーですよ」「蜂蜜?」「いえ、蜂の子」「ゲテモノーッ!」「失礼な。プチプチして美味しいですよ」「虫そのままかよ!隠せよ!」「隠したら隠したで怒るじゃないですか」「!」

#twnovel

俺は気付いた。こいつ、言質を取ろうとしている。また何か内緒で買ったな、と…


 *


651.『夏の魔物』


#twnovel「魔物を討伐に来たのですが」「クエストなんか出してないはずだけど」「金にならずとも、魔物がいると聞いては黙っていられません」「はあ…悪いんだけど、ほっといてくれないかな」「何故です。魔物が起こす番狂わせなんて選手も迷惑でしょう」「それがいいんだよ、甲子園ってのは」


 *


652.『さしすせそ』


昼から飲む酒は一味違うさしすせそ。

「さ」最高だね。

「し」沁み渡るようだ。

「す」少しだけにするのがちょうどいい。

「せ」せっかくだからもう一杯、もう一杯…

「そ」それからの、記憶がないんだ…

#twnovel

「今日の晩酌は、お冷だけですよ」

「すいません、マジすいません…」


 *


653.『育児放棄』


川に流れてきたのは、山にしばかりに行ったはずのおじいさんでした。しかしおばあさんは知っていました。おじいさんはしばかりに行くと嘘をついて、お店にしばかれに行っていたことを。なので何も気にせず、おばあさんもお水の世界へ心の洗濯に行きました。

#twnovel

桃の行方は誰も知らない。


 *


654.『ライフワーク』


#twnovel 小学生の頃、クラスメイトの誰かが言ったことがずっと忘れられなかった。それは冗談のつもりだったのでしょうが、私にとっては命題との出会いでした。皆に呆れられても考え続けたおかげで、論文として書き上げるに至りました。これが私の集大成です。『バナナはおやつに入るのか』。


 *


655.『リアル黒ひげ危機一髪』


#twnovel リアル黒ひげ危機一髪、と題したパントマイムをやっていた。ナイフを刺すたびに大袈裟に顔を歪めて大いに笑いをとっていたが、途中から微動だにしないパントマイムに切り替わった。最後まで刺し終えた観客はおひねりを置いて散っていくが、何度も振り返って様子を見た。動く…よな?


 *


656.『フリーハグ』


#twnovel フリーハグに声をかけられた。断ると、青年は俯いて震えだす。恥ずかしいならしなきゃいいのに…と思いつつ、私は青年を後ろからハグ、もとい羽交い絞めにした。「な、何!?」「オラも一緒に死んでやらぁ!」そこに通りすがりが魔貫光殺砲を放つ。ハグよりも恥ずかしいごっこ遊び。


 *


657.『美女と野獣とライフル』


#twnovel 森の屋敷に棲む恐ろしい野獣が、美しい娘を娶ったことは近隣の人々にも知れ渡った。皆は娘の境遇を憐れんだ。森から銃声が聞こえるようになるまでは。妻とは夫を尻に敷くもの。野獣相手でも、銃があれば容易いことだった。今では野獣が同情されている。

#全米ライフル協会力高い童話


 *


658.『オフ会ゼロ人』


#twnovel ネトゲでギルドを結成して1年になる。いい頃合いと思ってオフ会を開いたが、参加者は0人だった。みんな行くと言ってたのに。寂しさを埋めるために、今は意気投合した無関係のおっさんたちと遊んでいる。そう、無関係だ。俺のハーレムギルドが、全員ネカマだなんてことあるはずが…


 *


659.『ディス(リスペク)トピア』


#twnovel「な、なんなんだここは…」小説投稿サイトだというから覗いてみたのに、そこには小説と呼べる代物はひとつもなかった。『小説家』へのうらみつらみを綴った、負の感情が剥き出しのものばかり。これが本当に創作者の…「ち、違う!」ここは編集者向けページ…『小説家の野郎ォ!』…!


 *


【ついのべお題ったーマニアック「生焼け」「祭の後」】


660.『生焼け』


#twnovel 祭の後、売れ残った焼き鳥を数えている時に気づいた。生焼けじゃないか。こんなものを客に売ったことがバレたら…いや、それこそ食中毒になったら…青い顔でもう一度肉を見て、思い出した。そうか、明日も使い回せるように不死鳥の肉を使ったんだった。肉は生の状態まで蘇っていた。


 *


【twnvday2017/8/14 お題「種」】


661.『(シモ)い種の話』


#twnvday 帰省した田舎で、息子が庭先を見て驚いていた。「スイカがある…」去年、飛ばして遊んだ種が育ったんだろう。お前のスイカだな。感動しているのであろう息子の肩に手を置く。「種をまくだけまいてほっといた僕に、そう言う資格はあるのか…」その言い方はやめようか。火種になるぞ。


 *


662.『ピースフル・ウォー』


#twnovel ゲームですらスローライフブームになっているのは、世界平和を考えるいい機会かもしれない。VR技術で『平和な世界』を創り上げるゲームをリリースした。それで一仕事を終えた気でいたが、ユーザー同士は「俺の世界の方が平和だ!」と世界間戦争を始めていた。これだから人間って…


 *


【ついのべお題ったーマニアック「風光る」「勇み足」】


663.『風陰る』


#twnovel 風光る、とは、春になればすべてが輝いて見える景色に風が吹く様子を言い止めた季語である。冬眠していたカエルなどももそもそ起き出し、そして勇み足だったことに気づいて、ばたばたと力尽きていく。死体がごろごろある景色じゃ、風光るとは言い辛いですね。そんな異常気象の現代。


 *


【ついのべお題ったーマニアック「止まり木」「羽化」】


664.『別離』


#twnovel 幼い頃から、寄り添うというよりは寄りかかって生きてきた。互いを止まり木のように、安らげる存在だと思って。しかし彼女は、羽化した蝶のように去って行った。「今まで狭い世界にしかいなかったから、広い世界で生きたいの」と。僕はまだ籠の中で、帰りを待つ止まり木をしている。


 *


【恥ずかしがり屋の料理人と笑顔が儚い営業マンとの密室でのお話】


665.『肉食系』


ドアを開けたエプロン姿の女に、セールスマンは見惚れた。「料理をしてて…あの、良かったらあなたも…」恥じらう仕草に、誘われるように家の中へ。営業用とは別の儚い笑顔を武器に、この女も“食って”やる…

#twnovel

そして数日間、家に人の出入りはなかった。“食材”なら足りていたので。


 *


【ついのべ三題ったー「擬人化」「約束」「フラスコ」】


666.『フラスコの中の人』


#twnovel このフラスコの中には友達がいた。約束したんだ、『人間にする』と。何度も何度も擬人化実験をして、ようやく人間の姿を与えられた。でもその頃には、デッドコピーを重ねたせいで、オリジナルの面影はなくなっていた。666回の実験の末に解き放ったのは、ヒトの皮を被った獣だよ。


 *


667.『チキンレース不敗法』


#twnovel 息子を暴走族から抜けさせるために、チキンレースをすることになった。私は絶対に負けない方法を思いついた。ブレーキを踏まなければいい。だがバレていて、「ギリギリまで粘る勝負で、最初から諦めるのは反則だ」と競争相手に止められた。「でも、今回は俺の負けでいいよ。親父…」


 *


【ついのべお題ったーマニアック「ぶらんこ」「背後霊」】


668.『ブランコの幽霊さん』


#twnovel 背後霊には怖いイメージがあるかもしれないけど、僕はそうでもない。独りぼっちだった子どもの頃、ブランコを後ろから押して遊んでくれたから。いつかは違う方の場所になるんですから、いつまでも私といてはいけませんよ、と言っていた。たぶん男の三歩後ろを歩いていた時代のひと。


 *


【ついのべお題ったーマニアック「造花」「気づかないふり」】


669.『プリザーブドフラワー』


#twnovel 生花の良さは、瑞々しいこと。造花の良さは、劣化しないこと。その両方の良いとこどりをしようとしたのが、プリザーブド。社内で、地毛というには不自然で、カツラほどいじり易くはない人工毛髪の植毛を「プリザーブド」と隠語で呼んでいるのを、当の私は気づかないふりをしている。


 *


【ついのべ三題ったー「名前」「グラス」「トンボ」】


670.『ドラゴンフライ・グラス』


#twnovel このアイテムの名前はドラゴンフライ・グラス…まあトンボのメガネだ。この眼鏡は最初は透明だが、環境によって色を変えていく。景色を変えて楽しむためのものかって。ある意味そうだな。ただし役に立つのは外してからだ。眼鏡が色を吸うのを待って。どうだい、偏見の消えた世界は。


 *


【ついのべお題ったーマニアック「終末論」「通りすがり」】


671.『死角からやってくる』


#twnovel 恐怖の大王だの最後の審判だの、何度も思い描いて馴染み親しんだ終末論で騒いでいる間に、本当の破滅っていうのは、通りすがりのようにやってきて全て終わらせるんだ。でも、通りすがりのようで実は隠れているだけの、ごく身近な存在だとその時まで気づかない。そう、交通事故とか。


 *


672.『テイクオフ直前の一幕』


#twnovel 僕としては「飛ばして貰っている」なんだけど、君らにとっては「飛んで貰っている」なんだってね。実際に飛ぶ方がリスクがあるから。生贄なんて言う奴もいるけど、なるほど。生贄って、いい思いをさせて貰えるからね…冗談さ。じゃ、飛ぶよ。

#君・僕・死で文を作ると好みがわかる


 *


《今日の献立報告》


673.『禁酒』


「今日はお酒はダメですよ」「愛酒の日なのに飲めないなんて…」「このところ飲み会続きでしょう。愛せるのも健康であればこそ」「へーい…で、今日は何?」「思わず自主的に禁酒したくなるものです」「…まさか!」「今日はカレーですよ」

#twnovel

扱い易いなあと自覚しつつもおかわりした。


 *


【ついのべ三題ったー「白昼夢」「布地」「桜並木」】


《異常聴取》


674.『出所者の供述』


#twnovel 時が経った。あの頃はなかった桜並木が、出所した僕を迎える。未来予知の白昼夢は、もう見なくなった。それが、彼女が救われたことを意味するのかはわからない。ただ…「この薄い布地の下着を返すよ。そして夢と同じ、はいた姿を見せて欲しい」それが願いです、刑事さん。「再逮捕」


 *


【ついのべお題ったーマニアック「飛行士」「魔法の呪文」】


675.『別れの夜』


#twnovel「ダイセンジガケダラナヨサ」何だそれは、と同僚に訊かれたので「魔法の呪文さ」と答えた。「宇宙飛行士が魔法とか言うなよ」言いたい気分なのさ、こんな打ち上げ前夜には。明日、魔法が起こる。事故を直前で回避する、奇跡が。その事故を仕組むのが君だと知ってるから、出た言葉さ。


 *


676.『言葉を尽くして』


#twnovel「語彙剣?」「そうだ。意見しながら振るえば、言霊の力が宿り威力を増す」「『死ねぇ!』とか?」「そんな語彙力が低くちゃダメだ。もっとこう…」「『遥かな眠りの旅を捧げよう』とか」「そうそう」「中二病かよ!」「まだ正気だな。気を付けろ、病は進行するぞ」「呪いの剣かよ!」


 *


677.『職人気質』


#twnovel「この路線図ですが、もっと増設の余地、遊びがある方が…」「不完全なものを作れっていうのか。悪いが指図は受けねえ。仕事は遊びじゃないんだ」僕は戸惑っていた。なぜこの人たちはこんなに本気になれるのか…そして、『みんなでつくろうプラレール』の企画はどうなってしまうのか…


 *


678.『大人になってわかる味』


#twnovel 子どもの頃、近所の店でよく食べていたラーメンがあった。他の店にはないからというミーハーな理由で、正直、特別美味しいとは思わなかったからいつしか疎遠に。最近、何となく昔を思い出して食べたら、成長した舌が理解した。酒飲み用のメニューだったんだな、モツ煮込みラーメン。


 *


679.『雨に躍れば』


#twnovel 雨はきらいと言った彼女の目の前で、僕は傘を飛び出してずぶ濡れになってみせた。こんなの全然大丈夫と捨て台詞を残し、次の日見事に風邪をひいた。僕も本当は雨がきらいなのに強がった報いか。相合傘が恥ずかしくて、思わずついた嘘だった。

#雨・僕・嘘で文を作ると性癖がバレる


 *


680.『ハッピーサンシャインデー』


ハッピーサンシャインデー。どんな日かと思ったら、一日笑顔で過ごすことを心がける日なのだと。確かに笑顔は良い。無理にでも笑えば、その無理をすることに意識がいって、他の頭を悩ます些事は忘れるのだ。本日の #twnovel を忘れた言い訳はこんなものだろうか。引き攣った笑みで文を綴る。


 *


681.『その答えを求めて』


#twnovel「なに? 夏休みの宿題でわからないところがあって、ただ答えを書き写すだけじゃなく、せめて人に訊く努力をと答えを求めて南米に飛んだが、休み明けの登校には間に合わないからこうして連絡を? ところで先生ンちの電話、ナンバーディスプレイ式でな。君ンちって南米にあったのか」

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