2017年7月分
№614~647
614.『天敵』
#twnovel「我が新幹線は、開業以来、様々なものと戦ってきました。カモシカ、熊は日常茶飯事。時には襲来する怪獣をも跳ね飛ばせるよう装甲を強化し、副次的効果で豪雪にも強くなりました。しかし…」『速報。落ち葉を巻き込んで車輪が空転しました』「未だ落ち葉には勝てないんですよねえ…」
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【ついのべお題ったーマニアック「相合い傘」「師匠と弟子」】
615.『師の教え』
#twnovel「わざと一本だけにするとか、思いつかなかったのかい」「えっ?」「芸の肥やしってのはね、成功よりも失敗で作るもんさ。慌てて傘を一本しか持ってかなかったせいで、年増の師匠と相合傘するハメになったってね」「気ィつけます。でも、それを失敗とは思わないッス」「…馬鹿弟子が」
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616.『波の行く先』
#twnovel 寄せては返す波に素足を浸すと、どこかへ連れて行かれてしまうような感覚を味わえる。子供の頃ははしゃいでいたが、大人になって同じことをしても、連れて行って貰えなかった、取り残された寂しさがあるだけだ。波の行く先を気にする暇人は、大人とは呼ばねえよ。足下で波が囁いた。
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【ついのべお題ったーマニアック「鳥かご」「感受性」】
617.『共感度』
#twnovel 感受性とは共感する力のこと。それが高いと思っていた私はクラスで飼っていた鳥を「かわいそう」と思い、かごの鍵を開けた。しかし鳥は逃げようとはしなかった。『大きなお世話だ』とかごの中の鳥。今の声って、私よりも感受性が高いと言われていた、不登校になったクラスメイトの…
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618.『脱法幼女』
#twnovel「ちょっと待ったァ!」その時、式場に大量の刑事が流れ込んだ。拳銃を新郎に向ける。「幼女…未成年と結婚するのは犯罪だ、諦めろ!」「ククク…その幼女が…ロリババアでも?」「なにっ」「コールドスリープで時を止めて」「なら未成年のままだろ!ギルティ!」「しまっ…」ッターン
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619.『三段進化』
#twnovel「パパ、ウナギとアナゴの違いを教えて。値段以外で!」「ウナギがドジョウからナマズへの中間進化形態なのは知っての通りだが、ウナギが海で進化の条件を満たすとアナゴになる。つまりアナゴはウナギより上。なのにウナギより安いんだ、お得だよな。さあ食え」「結局値段の話じゃん」
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620.『シンギュラリティ』
#twnovel 呟くのは面倒だが、無言だとフォロワーが去っていく。そこで俺はbotを作ってみた。こいつは楽で良い。botが呟く過去の作品をRTするだけでいいのだから。さて久々に新作でも…と思ったが何も浮かばない。行き詰まった俺をよそにbotが呟いた。それは俺が知らない、新作で…
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621.『つゆ』
#twnovel 七夕はそうめん。いきさつは知らないが、どうせ食べるなら流しそうめん。意気込んだはいいが、今年も生憎の空模様。がっかりしているかと思いきや、「織姫も彦星も、いつまで経ってもそうめん食べるのへただねえ」と笑う。ふたりがそうめんを掬う度に、天の川から零れる『つゆ』か。
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【ついのべ三題ったー「約束」「速度」「風邪」】
622.『最高速度』
#twnovel 約束の時間に遅れたのは悪かったが、待たずに帰ってしまった相手もあんまりだ。そもそもこっちは当日に風邪をひいたにも関わらず、全速力で来たんだぜ。寝て食べて汗かいて、数日かけて風邪を治してから来たんだぜ。最高速度だろ。「速さが足りない!」そのビンタも最高速度だった。
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【ついのべお題ったーマニアック「水たまり」「かわいた骨」】
623.『結局欲張りが得をすることはないという寓話』
#twnovel 咥えていたモノを水たまりに落としてしまった犬の前に、水たまりから女神が現れた。「あなたが落としたのは、こちらのかわいた骨ですか、それともこちらの血のしたたる骨ですか」犬は迷ったが、正直に言うことにした。「すんません、肉もあったはずなんですが…」女神は口を拭った。
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624.『なんとかハラスメント大全』
#twnovel「話題作りのために若い女性職員は浴衣で仕事してくれないかな」「セクハラ!」「じゃあ業務命令で全員に着させよう」「パワハラ!」「日本人なんだから浴衣着るの嫌がるなよ」「モラハラ!」「やってくれたら食事を奢ろう」「太っ腹!」「ただし居酒屋の飲み放題でな」「アルハラ!」
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625.『川越』
#twnovel「埼玉県南部で謎の発光物体?」久々のゲキアツニュースに心が踊る。SNSでは早速トレンドに上がっていた。撮影者多数という現実の証拠があるから、今まで馬鹿にしていた怪奇現象にも興味を持たざるを得ないのだろう。彼らは熱く議論していた。埼玉県南部とはどこまでを指すのかを。
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626.『取りこぼさない』
1日1本…それをノルマに続けていたら、俺は #twnovel とネタツイートの区別がつかなくなっていた。書いた本人が小説と言えば小説。もともとそんな曖昧な定義しかないのが小説だが、140字が埋まりそうになるとヒャッハー!とりあえずタグつけとけ!となるのはさすがに…あ、タグ、タグ。
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【ついのべ三題ったー「フルボッコ」「名前」「幼児」】
627.『自己紹介』
#twnovel「田中フルボッコです」うちの幼稚園にすげー名前の幼児がやってきた。もうキラキラネームなんてレベルじゃない、少なくともキラキラネームからは一応感じられる愛情ってやつがない。「ハーフです」先生が悪かった。「半ボッコで勘弁してあげるよ、ハーフだけに」さては持ちネタだな。
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【twnvday2017/7/14 お題「氷」】
628.『ゾっとする話』
#twnvday クーラーをつけたまま快適に寝ていたら、ピチャッ…と水音に起こされた。気味が悪いと思ったが、確かめようと廊下に出ると、足下が水浸しに。吃驚したが、背筋が凍ったのはその正体に気付いたとき。俺はクーラーのためにコンセントを抜いていた。見境なく。この水は…冷蔵庫の中の…
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【文中に『ひとつ』を入れて『知りたくない』をイメージ】
629.『御魂』
#twnovel「最後に、ひとつだけ」そう言わず、そっとしておいて欲しかった。その場の誰もが思っていたはずだ。せっかくの幕切れくらい、きれいなままにと。でも誰も止められなかった。「飾らない、どす黒い本当の動機を教えてください。それが探偵料ですから」事件を解決した彼に、口答えなど。
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【ついのべお題ったーマニアック「夢のつづき」「きぬずれ」】
630.『あの頃の君と』
#twnovel 浅い眠りを覚ましたのは、隣で聞こえる衣擦れの音だった。変わってしまったのね、と言っていたことを思い出す。俺からすれば変わったのは君の方だ。俺は声をかけるより、目蓋を閉じることを選んだ。出て行く君とは違う、あの頃の君がまだ添い寝してくれる、夢のつづきを見るために。
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【ついのべお題ったーマニアック「鬼ごっこ」「迷子」】
631.『家族ごっこ』
#twnovel 鬼ごっこをしていたら迷子になったという子どもを保護した。迎えは来ず、子どものいなかった私たち夫婦はその子を居着かせてしまった。長くは続くはずがないと分かりながら。この子が勝手に外に出れば知れてしまうことなのだ。私たちが人間ごっこをしているだけの鬼だということは。
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632.『初めての海』
#twnovel 初めて海を見た、という言葉に耳を疑った。そんな人間がまだ日本にいたのかと。彼は海なし県の出身で、海なんてテレビでしか見たことがなく、その美麗さにずっと憧れていたそうな。だが実物はそうでもなくてガッカリしたと語っていた。私としてはアニメと比べるのが間違いだと思う。
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【ついのべお題ったーマニアック「尻切れとんぼ」「恋わずらい」】
633.『尻切れとんぼ』
#twnovel とんぼを見ると思うんだ。あのとき、告白していれば、って。ふられたかもしれないけど、きちんと終わらせていたら、尻切れとんぼの恋わずらいを引きずらずに済んだのかな…って。「とんぼの尻が切れるのは、交尾のしすぎらしいぞ」なのにお前ときたら、という視線から目を逸らした。
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634.『残りもの』
#twnovel「遠慮のかたまり?」「ああ、誰も手を出さずに残ったラストワンのことだ」「じゃあ、そのラストワンをひとつの皿に寄せ集めたこれは」「かたまりの集合体、遠慮の極みだ」「じゃあそれを最後まで食べている俺は」「遠慮の化身」「照れるな」「合コンで最後まで残された意味を考えろ」
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【ついのべお題ったーマニアック「たらいまわし」「絶滅危惧種」】
635.『アンケート機能を使うのは難しい』
#twnovel 絶滅危惧種と思しき生物が捕獲された。素人には手に余ると学者に判断を仰いだ。もし本当の絶滅危惧種なら大事だ。学者は詳しい専門家に判断を委ねた。興奮して冷静に判断できないかもしれない。専門家はSNSでアンケートをとった。当の生物はたらい回しにされてるうちに絶滅した。
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【ついのべ三題ったー「ライブ」「チョコケーキ」「目玉焼き」】
《今日の献立報告》
636.『チョコケーキ』
#twnovel『今日は晩ごはんを作る工程をツイキャスで生ライブですよ』「帰宅途中ですが楽しみです」『まずチョコケーキ』「どこが晩メシ!?」『…がないと、料理する気が出ませんねえ。目玉焼きが限界ですねえ』「モチベ低ッ」『チョコケーキ…ご褒美…』「買って帰るから!晩ごはん作って!」
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【ついのべ三題ったー「濃厚」「アイコン」「白昼夢」】
637.『本人写真』
#twnovel 白昼夢にしては濃厚な内容だった。自分の体が、アカウントのアイコンと入れ替わるって夢でね。皆、ある意味理想の姿を手に入れたから、本来の姿を映し出すSNSは逆に廃れてしまってな。見たくないものな、現実。ところで、公式アカウントの俺にとって今は夢なんだか現実なんだか…
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【生きることすら面倒な研究者と変質者だが発言だけは情緒的なオタクとの哀しい話】
638.『飯を食うのは研究のうち』
#twnovel 研究に打ち込むには、生命活動すら面倒くさい。そんな変人研究者が生きていられるのは、研究オタクで、同じく変人の助手のおかげだった。「先生の研究は実にそそる。研究者死亡で打ち切りなんてつまらない幕切れは認めませんよ」そして今日も飯を食う。助手の遺言を覚えているから。
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639.『めがねめがね』
#twnovel「あれー眼鏡どこだっけー」俺は試されているのだろうか。もうかけてる、と普通に指摘したら理不尽に罵倒されるのだろうか。俺は眼鏡をひょいと取り上げ、自分にかけた。「よく気づいたな。お前がかけていたのは、俺が奪う前の残像だよ」すると「貴様か!」とボディブロー。天然かよ。
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【文中に『ありふれた』を入れて『心配』をイメージ】
640.『知っていること』
俺は知っている。こんなことは取るに足らない、ありふれた話だ。世界中であるのだから、俺だけが不幸だと思ってはいけない。俺より不幸な人はたくさんいる。だから俺は、泣いてはいけない。泣いては…
#twnovel
何でも知ってる君と違って、私が知ってるのはそれが強がりでしかないことだけだ。
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641.『ジェネリックウナギ』
#twnovel 絶滅の危機ということもあり、自分の食べているものがウナギでないことには気付いていた。でもウナギの味さえするなら何だっていい。今日もウナギ味の何かを食べに行くと、切らしているという。だが俺が手伝えば用意できると。「そろそろ摂取し過ぎでウナギ味だと思うんだ。君の体」
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642.『Save the Eel』
#twnovel 食べたつもりでウナギを守ろう、というイベントが企画された。参加費は鰻重と同額、白米分を差し引いた残額は寄付となる。極上のウナギの絵を描いた絵師もギャラを寄付した。協力の御礼に、参加者には特別にウナギの匂いが提供された。焼いたウナギはスタッフが美味しくいただいた。
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643.『有給買います』
社員の福利厚生の一環として、有給休暇の換金を実施した。休む間もなく働き、有休を余らせていた社員たちは大喜びで臨時ボーナスを手にした。
#twnovel
「財政を逼迫するので有休の買い取りはもうしません。なお、換金額から算出すると年に3日も休めば充分のようなので今後は有休を削減します」
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【ついのべお題ったーマニアック「天然着色料」「薄紅」】
644.『オーガニック』
#twnovel 薄紅色の口紅。パッケージには天然着色料使用と書いてある。化粧品もオーガニック素材になる時代かあ。「なに勝手にいじってんの」本来の持ち主に取り上げられる。どうしてオーガニックを使うんだ。「わかりやすく表せられるから、かな」彼女は紅を引き、振り向く。「食べてもいい」
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【ついのべ三題ったー「満月」「アブノーマル」「ノイズ」】
645.『忍者 虻膿丸 騒々虫の巻』
#twnovel 満月を背にした忍者・虻膿丸は、自分が如何にしてこの城に侵入したか高らかに語る。「体内で育てた騒音を出す鈴虫を囮に使い、守りが手薄になった門から入り申した」これは忍者にとって売り込み営業であった。その結果は…「すいません、普通に騒音が迷惑なんで帰って貰えますか…」
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【ついのべ三題ったー「アブノーマル」「骨」「ムカデ」】
646.『忍者 虻膿丸 骨ムカデの巻』
#twnovel「それは骨ムカデでしょうな」虫の識者として相談を持ちかけられた虻膿丸はその名を口にした。「骨ムカデ?」「人の脊椎に寄生し、神経を操作して支配する虫です」「それで城の者たちの様子が…して、術者の目的は?」「いやべつに」「えっ」「申し訳ない、数が足りないと思ったら…」
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647.『ラーメン無法地帯』
#twnovel 山形にラーメン屋を出したい? やめておけ、あそこはラーメン大国なんて呼ばれてはいるが…何かが違う。まず夏はラーメンが“冷たく”ないと売れない。メニューに蕎麦やうどんも必要だ。あとカレーとか。ラーメン屋の概念を破壊されるぞ。もっと自分のラーメンを大事にするんだな…




